タイトーは、友情育成シミュレーションゲーム『悠久幻想曲リバイバル』および『悠久幻想曲アンサンブルRe:R』をニンテンドースイッチ向けに2025年12月18日リリース予定です。
本作は、1997年にセガサターン/プレイステーション向けに発売された同名作の初のリメイク移植作品。キャラクターデザインのmoo氏をはじめとしたオリジナル版のスタッフが手がけるリメイク版では、当時の感動をそのままに、グラフィックや映像を大幅リニューアルした新たな『悠久幻想曲』を楽しめます。
舞台となるのは人間やエルフなど、さまざまな種族が存在しているファンタジー世界。主人公は50年前の戦禍から復興した賑やかな街「エンフィールド」で、自身に着せられた濡れ衣を晴らすために、何でも屋として仲間とともに様々な依頼を達成して町の人々の信頼を勝ちとらなければなりません。
本稿では、嬉しすぎるリメイクに心躍る筆者がオリジナル版『悠久幻想曲』を通してその魅力を紹介していきます。なお、プレイおよびスクリーンショット撮影はセガサターン版を使用しています。
※以下、本記事のゲーム画像はすべて当時のオリジナル版からのキャプチャです。



行き倒れの主人公は未亡人に助けられ
本作の主人公は、元々旅人として生活していた人物。旅の先で辿り着いたエンフィールドで行き倒れていたところを、街の何でも屋「ジョートショップ」の店主で未亡人のアリサさんに助けられ、恩を返すために何でも屋の仕事を手伝っている状況ですが、アリサさんのお人好しな性格もあり、経営はあまり順調ではありません。
導入部ではゲームに登場するメインキャラクターが次々と登場し、主人公と会話する形で簡単な性格などの紹介が行われます。流れ者の自分が、気がつけば長く街に滞在して友人も増え、このまま暮らすのも悪くないかな……と思っていた主人公。しかし、その願いは思わぬ形で破られそうになります。





なんと、近所の美術館で発生した盗難事件の容疑者として主人公が捕らえられてしまうのです。しかも、主人公の部屋からなぜか盗難品が見つかってしまいます。わけもわからず裁かれるのを待つ状況に追い込まれた主人公ですが、アリサさんが店と土地を担保に借りたお金で保釈金を支払ったことで解放されます。
再びアリサさんに救われた主人公ですが、このままだと1年後にジョートショップは無くなってしまいますし、自身の容疑が晴れたわけではありません。最後に残された手は“1年以内に街の住民の大多数の支持を集めれば再審請求できる”というルール。ここで無罪になれば保釈金も返還されるというのです。





そのために店で一緒に働いてくれる仲間を3人選び、主人公は何でも屋の仕事を通じて、人々から信頼を勝ち取ることを目指します。こうして自身の無罪を勝ち取り、なにより店を護るための忙しい1年間がスタートするのです。



多くの共通イベントはボイス付きで展開されるのですが、子安武人さんや折笠愛さん、西原久美子さん、氷上恭子さん、井上喜久子さんなど、超豪華声優が揃っているのが嬉しいですね!





何でも屋の仕事をこなして能力を育てよう!
ゲーム内のスケジュールは1週間ごとに区切られ、平日は何でも屋の仕事を行います。仕事の内容は料理や舞踏、戦闘術、魔法などのカテゴリーに分かれていて、成功率は担当キャラクターのスキル合計で判定され、大成功すればより多くの報酬金額が獲得できます。
所有スキルは各キャラクターごとに異なるほか、仕事や訓練を通じて育成できます。なお、主人公だけはプロローグで“謎の声”の問いかけに答える形で初期スキルが変化します。同じ仕事を受けた仲間同士は「信頼度」がアップしていきます。本作は当然ながら個別キャラクターエンドがあるので、意中のキャラがいるなら積極的に狙っていきたいですね。





週末は自由行動で、主人公は仲間と遊びに行ったり、能力を訓練したり、病院で治療したりと、2回までアクションを選択できます。仲間は仕事の中でテンションが上下し、バッドステータスになることもあるのでその際にはケアが必要です。また、訓練や治療にはお金が必要です。
各スキルが成長することで基礎HPやMPがアップするほか、新たな魔法や、戦闘や仕事で効果を発揮する技を獲得することも。ゲーム内ではメインイベントの中で、すごろく形式のミニゲームやコマンドバトルが用意されています。容易には戦闘に勝てないので、仲間を含めてしっかりと育成しておきましょう。





本作では各月末に仲間への給料支払いも行います。ここで給与額を既定値より上げるか下げるかで、仲間のやる気が変動します。あまり訓練などでお金を使いすぎないようにバランスよく仕事と育成を行うことも大切です。



醍醐味はやはり個別イベントですね!
『悠久幻想曲』には、最初の選択で仲間になる男女10人のメインキャラクターが登場し、最初に何でも屋として誘う3人を中心として物語が進行。ゲーム内では仲間と主人公の信頼度を上げていくことで、さまざまなイベントが発生していきます。
個別イベントには時期で強制的に発生するものと、休日の自由行動で会いに行くことで発生するものの2種類があります。キャラクターとのエンディングを迎えるためには、信頼度を高めることはもちろん、特定の個別イベントを上手く進めていかなければなりません。もちろん誕生日イベントもありますよ!





ゲーム内では、エンディングで選ばれなかったキャラや主要人物の後日も用意されています。また、イベントでの掛け合いもキャラクターの組み合わせでかなり異なるので、色々なパターンを見ることができます。色々なイベントを進行させることで、キャラクターのプロフィールが埋まっていくのも嬉しいですね。
何度も遊びたいゲームの機能として「SKIP START」があるのも親切な要素。メインキャラクターはもちろん、サブキャラクター達も個性的で魅力的なメンバーが揃っています。その多くが次回作『悠久幻想曲2nd Album』でメインキャラクターとしてプレイできるのも最高ですね!こちらのリバイバルも楽しみに待っています!





また、今回同時に発表された『悠久幻想曲アンサンブルRe:R』は、1998年に発売された外伝ディスク『悠久幻想曲 ensemble』のリバイバル。本編の敵役の1人・ハメットなどを含めたさまざまなサブストーリーやエピソードが楽しめます。こちらも『悠久幻想曲』の世界を堪能できる内容なので、発表されたことを嬉しく感じています。


『悠久の小箱』も紹介させてください

最後に紹介したいのが、1997年にセガサターンで発売された本作のファンディスク『悠久の小箱』です。こちらは『悠久幻想曲』のさまざまなコンテンツをより深く楽しめるもので、作品ファンとしてはたまらないコンテンツが揃っています。
『悠久幻想曲』はセガサターン/プレイステーションで発売されているのですが、実はどちらも主題歌が異なります。本ディスクでは、その異なる主題歌バージョンのOPを見ることができます。しかも、セガサターン用の「ムービーカード(およびツインオペレーター)」があれば高画質で再生されるのです。持っていなかったなあ……。



また、1998年に発売される続編『悠久幻想曲2nd Album』の予告映像なども収録されています。この予告映像は、ややジョークや内輪的な雰囲気が強いものなのですが、しっかりとイヴや由羅といった、1のサブキャラクターとして初登場し、2のメインとなったキャラクター達が登場しています。
他にもゲーム内で使用されなかった未収録ボイスや原画、ゲーム本編の内容に関するクイズなどもあり、実に当時の「ファンディスク」としてのコンテンツが詰まっています。『悠久の小箱』もリバイバルされないかなあ……!








『悠久幻想曲』はその後もシリーズが続き、2000年にプレイステーションで発売された『悠久組曲』がシリーズ最終作でした。そこから約25年経ち、シリーズ初代作および外伝ディスクがリバイバルされるということに、シリーズファンとして喜びが隠せません。
今回久しぶりにサターン版でプレイしたのですが、すごろくのルーレット目押しなどは自然と体が思い出し、特に悩むこともなくキャラクターのエンディングを迎えたことにも驚きました。ああ、体が『悠久幻想曲』を欲していたのだなあ……。



そして、これはもう願望以外の何物でもないのですが『悠久幻想曲』シリーズのさらなるリバイバルはもちろん、是非とも同様のスタッフらとパブリッシャーで『悠久』以前に展開した『エターナルメロディ』の何らかの動きも期待したい……!
※UPDATE(2025/7/10 13:10):本文中の誤字を修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。



 
     
   
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
    
 
         
         
         
         
         
         
        


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