気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、72studio開発、PC/Mac向けに10月10日にリリースされたSFアドベンチャーノベルゲーム『BatteryNote』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、ロボットたちと心を通わせるSFアドベンチャーノベルゲーム。3体のロボットの中から1体を選び、制限時間の中で彼らを充電したり、会話したり、お仕置きしたりしていきます。どのように扱うかで反応が変わり、彼らの運命と共にゲームのエンディングも変化。ロボットたちを幸せにするも、不幸にするも、コンセントと高電圧スイッチを持つプレイヤー次第です。日本産ゲームのため、もちろん日本語にも対応済み。
『BatteryNote』は、1,372円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
72studio72studio(ななにいすたじお)と申します。「スタジオ」という名前ですが、実際には私ひとりで企画・プログラム・作画・作曲のすべてを担当しています。人ならざるキャラクターたちに強い魅力を感じており、主に「人外キャラクターとのコミュニケーション」をテーマにしたゲームを制作しています。
好きなゲームを一つ挙げるなら『MOTHER2 ギーグの逆襲』です。子どもの頃にプレイし、「ゲームの中に人が息づき、確かに世界が存在している」と感じたことに強い衝撃を受けました。自分の作品でも、プレイヤーが「キャラクターや世界が本当にそこにある」と感じられるような体験を届けたいと考えています。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
72studio『BatteryNote』は、壊れかけたロボットたちと対話し、彼らの「最後の時間」を共に過ごすゲームです。プレイヤーはロボットたちを「充電」しながら会話を重ね、失われた記憶を少しずつ引き出していきます。
しかし物語が進むにつれ、彼らがかつて「罪」を犯した存在であることが明らかになり、プレイヤーは高電圧をかけて「お仕置き」をするか、それとも許すかという選択を迫られます。ロボットたちとの関わり方によってエンディングが分岐する、マルチエンド型のアドベンチャーゲームです。
このアイデアは、東京ゲームダンジョンというイベントの会場である浜松町のビルを巡回していた業務用のロボットを見た時に急に思いつきました。どこか哀愁を帯びたその姿にインスピレーションを受け、冗談半分で「ロボットにお仕置きをして記憶を引きずり出すようなゲームがあったらプレイしたいですか?」とツイートしたところ、思いがけずバズってしまい…「これはもう形にするしかない」と決意したのが始まりです。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
72studio大きく影響を受けたのは『MINDHACK』です。画面の中の人外キャラクターに実際に干渉しているかのような感覚があり、プレイヤーが他者の過去を覗き見たり、処罰することができるという体験が非常に刺激的でした。
『BatteryNote』でも同じく「プレイヤーが自分の手でキャラクターに干渉している感覚」を重視しています。自分の好みの人外キャラクターに干渉できているような感覚を抱けるような、私自身がプレイしていて楽しめるような作品を目指しました。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
72studioテストプレイをお願いした知人から、「ユーザーの一周目の体験が一番大事だ」と指摘を受けたことがとても印象に残っています。当初は複数のエンディングを均等に出しやすい設計にしていましたが、それでは「薄味」のエンディングにたどり着く人も多く、印象が弱くなってしまう。最初の一回で最も強い体験を届けるべきだというアドバイスを受け、構成を全面的に見直しました。
その調整が結果的に、今のSteamでの高評価につながったと感じています。プレイヤーとゲームとの「最初の出会い」を大切にして本当によかったと思います。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
72studio10月27日時点で、Steamでは100件以上のレビューが寄せられ、すべてが好評という結果に本当に驚いています。多くの方が「短いプレイ時間なのに、感情を強く揺さぶられた」「まるで映画を見たあとのような余韻が残った」といった感想を書いてくださっていて、制作者冥利に尽きます!
中でも印象的だったのは、「気づいたら自分の手でロボットを処罰していた。新しい扉を開かれた気がする」というレビューです。プレイヤーの倫理観を揺さぶる構造が、想定以上に機能していたようで、思わずニヤリとしてしまいました。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
72studioまずはスキップ機能の改善など、快適性を高めるアップデートを進めています。また、海外プレイヤーの方からも多く反響をいただいており、特に韓国のファンの方々から熱い要望があったため、韓国語対応を検討しています。
さらにSteamだけでなく、他プラットフォームへの移植にも取り組みたいと考えています。より多くの方に本作を手に取っていただき、ロボットたちとの「最後の対話」を体験してもらえるようにできればと思っています。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
72studioはい、大丈夫です。実況配信については大歓迎です。ガイドラインはSteamストアページに掲載していますので、配信を考えている方はぜひご確認ください。
――最後に読者にメッセージをお願いします。
72studio『BatteryNote』は、「初めてプレイする瞬間の体験」を何よりも大切にして制作しました。ぜひ実況を見る前に、ご自身の手でロボットたちと向き合い、その最後の時間を体験してみてください。
今後も、人外キャラクターたちと心を通わせるような作品を作り続けていく予定です。Xでは開発中の情報や次回作の進捗なども発信していますので、よければフォローして活動を見守っていただけると嬉しいです。
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








