
2025年7月18日から7月20日にかけて京都市勧業館「みやこめっせ」で開催され、数多くのタイトルが出展された日本最大級のインディーゲームイベント「BitSummit the 13th」。
海外からもさまざまなタイトルが出展された会場から、今回は「CiGA(中国インディゲームアライアンス)」ブースにて公開された、自然豊かな島でのスローライフ&クラフトゲーム『Starsand Island』をピックアップ。
出展されたデモのプレイレポートと、プロデューサーのRichard Wang氏へのインタビューをお届けします。
自然でのクラフトと街での暮らし・交流が両立
本作の舞台となるのは、自然豊かな「星砂島」。都会から島へと移住してきたプレイヤーは、島の探索や農業、住人や動物との交流を楽しみながら、自分だけの拠点づくりにチャレンジします。

デモ版では序盤のチュートリアルにあたる部分がプレイ可能で、野原や山間部を探索して貴重な素材を集め、窯やたき火などのクラフト台でアイテムを作成していきます。

マップはかなり広いですが、ワープ地点を活用していくことである程度ショートカットも可能で移動も快適。草むらや木に近づくと斧やピッケルのマークが表示され、「これで素材が取れるよ」と視覚的に教えてくれる点も遊びやすく感じました。

一転、島の中心部へと向かってみると、人々が暮らす賑やかなエリアが登場。素材となり得るものがあちこちにあったエリアと比べても街並みはすっかり整備されており、道行く人々との会話・交流をしつつ、ショップでの買い物や“おつかい”的なクエストも発生します。


交流した人々はリストに加わり、好感度や交友状況を確認可能。誕生日などの情報が細かく設定されていることも分かります。

クラフト要素による自由度がありつつ、スローライフゲームらしいアクティビティ要素やキャラクターとのコミュニティを中心に遊べる作品になりそうな印象です。
Tabからアクセスできる手帳のような機能には、ゲームでできることや目標が集約しているので、UIの面も整備されていました。

デモ版ではまだまだゲームの楽しみの一端と言える体験でしたが、ストアページではスケートボードやバイクのような移動手段の登場も予告されており、島の奥地に隠された謎のダンジョンではモンスターとのバトルも発生するとのこと。
特にキャラクターとの交流には力が入っているようで、アニメ調グラフィックで描かれる人々との物語にも注目です。
「道家」の精神をベースに「人生を有意義にする、癒されるゲーム」を目指す
会場では、本作のプロデューサーであるRichard Wang氏にゲームについてお話を聞くことができましたので、インタビューの模様もお届けします。
――自己紹介をお願いします。
Richard:本タイトルのプロデューサー・Richard Wangです。今作では、初めてメインプロデューサーを担当しています。
――このゲームはどんなところに特徴がありますか?
Richard:中国では「人と自然を意識しながら穏やかな生活をする」という「道家(どうか)」の考えがすごく一般的で、とても歴史ある思想・宗教です。開発チームメンバーの多くが道家と関わりがあり、その考えに基づいて「ひとりひとりが自分の人生を有意義にする。存在自体が人生の意義なんだ」という考えをゲームで表現することがアイデアの出発点になっています。
昨今は中国だけでなく世界的に資本に支配された生き方になっていますが、もっと自分が活きる価値・意味を考えながら生活する意義があると思っています。このゲームで「人と人との愛」「動物との愛」「自然との関わり」を感じて、癒されて欲しいと考えています。
――グラフィックもかなり魅力的ですね。
Richard:私たちはみんなジブリアニメがとても好きで、このような(日本のアニメーションらしい)グラフィックスタイルを選択しました。

――『Starsand Island』では先日までキックスターターが開催されていましたが、目標金額の300%を超える支援が集まりました。
Richard:ここまで皆さんに愛され、支援されるとは思っていなかったので感謝の気持ちでいっぱいです。支援者の方の割合では日本からのユーザーさんもすごく多かったので、お礼を言いたいです。
これだけの期待を集めているのですから、急いで出すのではなく、ちゃんと時間をかけて磨きあげて、より良い作品として完成させたいです。このゲームをプレイすることで「自分が愛されている」と感じられるような、そして同じジャンルのゲームに負けない作品を目指しています。
――BitSummitには世界中の作品が集まっていますが、今回の会場の印象はいかがでしょうか。
Richard:まずは今回のBitSummitに参加させていただけて本当に良かったと思っています。日本はユーザーもメーカーもマーケットもゲームに対して本当にリスペクトがあると感じますし、色々なゲームを見てみましたが面白いタイトルばかりですね!
中でも印象的なのは、高いコストをかけずに良いゲームを生み出していることです。中国では大きな会社が高額な投資によってグラフィックの質や完成度を高める作り方が多く、もちろん日本でもそうした作品はありますが、会場で見られるような「有限のコストでもアイデアを実現できる」作り方は参考にすべきだと感じました。ゲームのカルチャーをより高めていくという、同じ目標を持つ皆さんとの交流をもっと深めたいですね。
――最後に、ゲームを楽しみにしている方にメッセージをお願いします。
Richard:皆さん、応援を本当にありがとうございます。皆さんの人生が良いものになるよう、心よりお祈り申し上げます。
Seed Labが開発し、Game Source Entertainmentがコンソール向けのパブリッシャーを手がけるPC(Steam)/PS5/ニンテンドースイッチ向けファンタジースローライフアドベンチャー『Starsand Island』は2025年第4四半期のリリースを目指し、現在開発中です。
¥2,600
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
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