今やPC/コンソール/モバイルそれぞれのプラットフォームでサバイバルジャンルの作品は定着していて、多くのプレイヤーがさまざまな世界を舞台にサバイバルを楽しんでいます。
Game*Sparkでは【クラフトサバイバル名鑑】として、同ジャンルが好きな筆者が、定番作品を中心にクラフトサバイバルジャンルの作品の魅力を紹介・解説しています。今回紹介するのは、2023年9月30日にSteam早期アクセスをスタートしたショップ経営サバイバル『Saleblazers』です。

危険満載の島で商売サバイバル!
『Saleblazers』は、アメリカ・カリフォルニア州に拠点を置くAirstrafe Interactiveが手掛ける作品。同社は2019年に設立されたゲーム開発スタジオで、本作がリリース第1作です。ゲームは2022年から「Steam Nextフェス」にて体験版配信などを行いながら、2023年9月30日にSteam早期アクセスでリリースされています。
プレイヤーは、野生生物や人間が暮らす謎多き島を舞台に、新しいショップの店長として生活することになります。ゲーム内では伐採や採掘、狩り、冒険、戦闘などを通じてさまざまなアイテムを入手して販売しながら、店で扱えるアイテムや施設などの研究を進めていきます。なお、本作はマルチプレイにも対応しています。


戦闘は本作でも欠かせない要素のひとつで、剣や銃、魔法など多彩な装備品が用意されています。ショップ経営も最初は小さな商売ですが、やがて従業員を雇って半自動化したり、冒険で入手・加工した高額アイテムを売ったりと、経営シミュレーションとしての要素もしっかり備わっています。
記事掲載時点のビルドでは、いくつかの街やボスを含む敵キャラクターが実装済みで、メインストーリーも途中まではプレイ可能です。早期アクセス期間は“少なくとも2年間”としており、現在は完成に向けて細かなアップデートを続けている状態です。製品版ではメインストーリーの完結や、ショップ要素の拡充なども計画しています。
戦え。売れ。生き残れ。
本作はゲーム開始時に、基本操作と世界観の説明を兼ねたチュートリアルが用意されています(スキップ可能)。チュートリアルでは、企業の訓練プログラムを体感する形で移動や戦闘、商売のやり方などを学びつつ、最後にCEDとの対面を経ていよいよ島での暮らしが始まります。この導入部もなかなか印象的なので、是非プレイして欲しいですね。
ゲーム本編は、島にたどり着いて倒れている主人公が「ポップおじさん」に助けられ、彼の持っている店を経営することから始まります。メインクエストでは、商売や建築など経営に関する基本的な要素を最初に覚えながら、ポップおじさんによる大きな計画を手伝っていきます。




商売のやり方はシンプルで、店舗をオープンした状態で店に並べている商品を、お客さんが欲しい商品をレジに持ってくる形式。販売時には値段を変えることが可能で、値段を変えることでお客さんが購入してくれるかどうかの成功率も表示されます。無事に売買が成立すれば店に経験値が入ります。
店では、落ちている石から果物、武器まで、棚サイズさえ合えば、ほぼなんでも売ることができます。クラフトでより良いものを生産して売れば稼ぎは増えますし、フィールド上にいる蛮族を倒せば装備品を売ることも可能。運が良ければ自分の装備も更新できるので、どんどん戦っていくのがおすすめです。





もちろんサバイバルも必須項目で、主人公は定期的に水や食料を摂取したり、襲撃してくる敵を対処する必要があります。HPの回復にも食料やポーションが必要なので、特に序盤は入手しやすいリンゴなどの植物を栽培するのもおすすめです。





何よりもお金が大切です
『Saleblazers』では、クラフトレシピのアンロック(研究)やアップグレード、ファストトラベル地点解放など、ゲーム内のあらゆる場面でお金が必要です。お金を稼ぐ方法は基本的に商売だけなので、冒険で得たアイテムはしっかりと売っていきましょう。
店のレベルが上がれば特性を設定できるようになります。これは店のボーナス要素で、販売価格の上昇やお客さんが怒るまでの時間延長といった能力を獲得できます。店レベルが上がれば方針は複数付けることができるので、自身の商売スタンスや取り扱う商品にあわせて調整するのがおすすめです。





また、お客さんの満足度を上げると店の星が上がり、さまざまな恩恵を得られます。お客さんの中には店に置いてある品目だけでなく、特定のカテゴリーを求める人もいて、リクエストに答えればボーナス金額も得られます。お金はいくらあっても困らないので、チャンスはしっかりと活かしていくことが大切です。
ゲームを進めていくことで、新たな土地を手に入れたり、店で働く従業員も雇えるようになります。従業員は清掃や品出し、商品補充、資源採集などの業務を行ってくれ、スケジュール管理や訓練をすることで、ある程度お店を任せられる頼れる存在になっていきます。もちろん従業員には給料も必要になります。





世界を巡り島の謎を解け
本作の大きな目的のひとつに、ポップおじさんが建造を目指す「とあるもの」を完成させるというものがあります。主人公はその目的を助けるため、島中にあるパーツを集めていくことになり、その中でダンジョンのような場所を探したり、強力な敵との対決なども待ち受けています。
フィールドには敵の住処や遺跡、SF感あふれるポッドなど、さまざまな施設があります。また、多くの場所には宝箱や、集めることで色々な追加能力を得る「ルーン」も隠されています。また、重要な地域にはファストトラベルポイントがあり、解放しておけばいつでもマップ画面から飛ぶことができるので非常に便利です。







ファストトラベルだけでなく、グライダーやジップラインなどを利用すれば素早いマップ移動が可能です。メインやサイドクエスト、アイテム集めで多くのロケーションを旅することになるので、快適な移動ができることは大きく評価したいポイントです。
研究が進むことでストーリーも進行し、島および世界の謎は少しずつ明らかになっていきます。早期アクセスの現在はまだ最後までメインストーリーを見ることができないのは惜しい点なので、今後の更新に大いに期待したいところですね!







『Saleblazers』は、経営シミュレーションとサバイバルクラフトを組み合わせたシステムが特徴で、どこか独特な世界観とあわせて本作ならではの魅力を備えています。色々やるべきことはありますが「商売でお金を稼ぐこと」に重点が置かれていることで、目的もわかりやすくなっています。
島の中では色々な風景のエリアもあり、多彩な敵キャラクターも待ち受けています。経営や建築、戦闘などはかなり自由度が高く、発想次第で色々な稼ぎ方や遊び方も可能なのも魅力的。ただし早期アクセスの現時点では未完成の部分も多く、日本語の翻訳精度が低い点も、今後の改善に期待したいところです。
冒険・宝探し・戦闘・建築・経営・クラフト・サバイバル・栽培・NPC雇用など、ゲーム内で遊べる要素が非常に多く、アイテムも驚くほど豊富です。手に持った電子レンジで殴ることもできるなど、クリエイター側の「色々遊べるようにしたい!」という気持ちが伝わってくるような『Saleblazers』は、複合ジャンルのサバイバルクラフト作品として独自の魅力に溢れた一作です!













