
車というものは、「自分で直せる部分は自力で何とかする」製品かもしれません。
スマホと違い、車はメーカーに修理を出せばむしろ高くついてしまうことも。したがって、どの地域にも必ず1軒はある「まちの修理屋さん」が非常に大きな意味を帯びてきます。
彼の手にかかれば、大抵の故障は簡単に解決。パンク、板金、エンジンの点検、塗装、足回りの改造……。これらを難なくこなすくらいの技術を有しているため、地元の人から絶大な信頼を得ています。
そしてSteamでデモ版が配信されている自動車修理シミュレーター『Indian Mechanic Simulator』は、何とインドの都市部の片隅にある自動車修理工場が舞台。ここで主人公は、車を修理する仕事に打ち込みます。
こうした「自動車修理工場シム」はほかにもたくさんある中で、本作は「時間をかけた丁寧な仕事」と「それに見合った報酬」に焦点が当てられているようです。
そして、このゲームに込められている剛健実直なマインドを見習いつつ、筆者の愛車ダイハツ・初代コペン「澤田号」のちょっとしたメンテナンスもしていきたいと思います。
◆自動車修理職人として地道に仕事するゲーム
世の中、そして経済は水道管を直す人、電線をつなぎ直す人、そして車を修理する人がいなければ回りません。彼らは「人々の生活に必要なもの」を提供するための職人になる道を選んだ人々です。職人の持つ技術は、大きな価値を含んでいます。

『Indian Mechanic Simulator』の主人公は、父親から自動車修理工場を受け継いだ若い職人です。ゲーム開始早々、彼の工場にお客さんがやって来ました。どうやら、左のリアタイヤがパンクしてしまったようです。
というわけで、車を直すためにツールラックからクロスレンチを取り出し、タイヤをホイールごと外していきます。

クロスレンチを回す際の「キリキリキリキリ」という音が、工場内に心地良く響き渡ります。
ホイールを外したら、水を張った桶にそれを浸しましょう。パンク修理の定番の行程「水試し」です。こうしてパンク箇所を明らかにし、その原因になっている釘をペンチで引っこ抜きます。

穴は、パッチと接着剤で塞ぎましょう。パッチをタイヤに馴染ませるため、紙ヤスリで事前に貼付面を滑らかにし、そこにパッチを貼った後はハンマーで叩いてやる必要があります。
それが終わると、いよいよタイヤを元に戻すとき。再びクロスレンチを手に取り、ボルトを締めていきます。最後は空気を入れて、修理完了です。この際、空気の入れ過ぎにご用心。
この経緯だけでも、『Indian Mechanic Simulator』が非常に丁寧に作られたゲームだということがよく分かります。
この手の自動車修理シムは使った工具をその辺にほっぽり出したり、手抜き修理をしたり、修理そのものをほかの業者に丸投げしたりするものなのですが、この作品はとにかく「完璧な仕事」と「工具の整理整頓」が追及されています。
◆手間のかかる仕事には高い代金が
次にやって来たお客さんは、車の全面的な再塗装を希望しています。黄色に近い緑色のボディから、紫色のボディに変えたいとのこと。

これは単に塗料を塗っていけばいいというわけではなく、まずはアングルグラインダーで表面を削っていきます。完全に地金だけの状態にしたら、プライマーを塗って下地処理。そこからようやく新しい塗装ができます。
文章にすれば非常に簡単ですが、これが結構時間がかかる! 特にしゃがまなければ手の届かない場所の処理は、結構大変……。

ですが、先ほどのパンク修理よりも遥かに高額の修理代を取ることができます。パンク修理の代金は120ルピー、塗装はなんと3,000ルピー。
ほかの自動車修理シムであれば、メカニカルとは言えない塗装作業の報酬はかなり安めだったりするのに、本作ではどうやら“手間”に対して高い報酬が設定されているようです。

労働者に対して敬意を払っていることがよく窺える上、車でやって来たお客さんが車内からドアを開けて外へ出る様子なども細かく描写されています。某サイヤ人のように、突然スポーンするということはありません。
そういう意味で、『Indian Mechanic Simulator』は素晴らしく丁寧なゲームと言えます。

◆筆者の初代コペンの赤錆を処理しよう!
さて、こんなリアルなゲームをプレイすると、筆者自身も自分の車をいじりたくなってしまいます。というわけで、今回も我が相棒の初代コペンに登場してもらいましょう!

そういえば、このコペンのボディにはところどころに錆があったな……。

「錆」といっても、1mmか2mm程度剥がれた塗装から浮かび上がるかさぶたのようなもの。それでも処理するに越したことはありません。
というわけで、筆者が道具箱から取り出したのは「ホルツ サビチェンジャー MH116」。“旧車オーナーの友”とも呼ばれている補修用品です。

これを赤錆に塗れば、数時間後には黒錆に大変身。ちなみに筆者は、このサビチェンジャーをコペンのトランクの底、最も錆びやすいと言われているトランクの地金部分にも塗っています。
中古で購入した当初はここに赤錆があったので(幸いにも、ボディ鋼材内部まで錆は浸透していませんでしたが)、予防措置としてサビチェンジャーを塗布。その甲斐あってか、今のところこの部分で問題は発生していません。
こんな具合に、皆さんもちょっとしたほつれは自分の手で直すという習慣を身に着けてみてはいかがでしょうか。愛車に更なる愛着を持つことができるはずです。

そういえば、この記事を書いている最中にこんなニュースが舞い込んできました。ジャパンモビリティショー2025で、ダイハツが3代目コペンと思わしき、新型FRカー「K-OPEN」を発表したという話題です。
コペンといえば、現行の2代目が来年で生産終了するとアナウンスが9月末にされたばかり。しかしこれはコペンの終焉ではないようで、ダイハツは3代目の開発に意欲を示している模様でした。
今回のK-OPENの発表は、それがより現実味を帯びたのかもしれません。3代目コペン、どんな車になるのかな!?
◆良い意味での「ケレン味のなさ」が素晴らしい!
この『Indian Mechanic Simulator』は現時点ではデモ版の配信に留まり、その内容もパンク修理と塗装と洗車の3つの依頼をこなしたらプレイ終了です。完全版の配信時期は、2025年第1四半期としています。
とにかく、このゲームの良い意味での「ケレン味のなさ」は高評価すべきではないでしょうか。開発者が配信している動画を見る限り、完全版ではインドの公共交通機関「オートリキシャ」(三輪タクシー)の修理もできる模様。一刻も早く正式リリースが待ち望まれる1本と言えます。

















