気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Peach Bite開発、PC向けに3月6日にリリースされた農場シミュレーション『Shinehill』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、宇宙人として楽園の島で生活する農場シミュレーション。プレイヤーは未知の惑星を調査するため、豊かな楽園のような島「Shinehill」に潜入するという使命を受けた宇宙人となり、島を調査するだけでなく、住民の信頼を勝ち取るために交流や手助けをしなくてはなりません。日本語にも対応済み。
『Shinehill』は、1,100円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
AnastasiaAnastasia Kimです。『Shinehill』のクリエイターの一人で、本作は夫と一緒に作り上げました。プログラミングと音楽以外のほとんどすべての作業を私が担当しています。長いことゲームが大好きでしたが、ゲーム開発者としての経験は今回が初めてになります。
長年の一番のお気に入りのゲームは、『The Elder Scrolls V: Skyrim』です。私にとって初めての、本当に大きな規模のゲームで、そのスケールと雰囲気には非常に感銘を受けました。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Anastasia私たちのゲームの最大の強みは、そのストーリーにあると考えています。単なる農場ゲームの背景設定としてではなく、ストーリーそのものがゲーム体験の中心であり、ゲームを先に進めるための大きな原動力となるよう作り込みました。もちろんストーリー以外にも、村人たちとの友情を育んだり、島のあちこちで釣りをしたりと、プレイヤーが自由に楽しめる要素もたくさん用意しています。
「小さな村に潜入した宇宙人のスパイ」というアイデアは、実は最初は冗談半分で、ふとした瞬間に思いついたものでした。しかし、その設定について話し合えば話し合うほど面白くなってきて、最終的には一本のゲームとして完成させるに至ったのです。
本作の主人公は、決して「根っからの善人」ではありません。少し偏屈で、人間嫌いで、自分の任務を遂行するため、心優しい村人のふりをしているだけ、というキャラクターなのです。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Anastasia『Stardew Valley』や『Undertale』といった名作ゲームから大きなインスピレーションを受けました。開発中、これらの作品は私たちにとって道標になってくれましたが、だからと言って単なるコピーを作るつもりはありませんでした。プレイヤーにとって親しみやすく心地よいものでありながら、自分たちにしか作れない独自の作品を生み出したいと思ったのです。
また、私たちはギャグアニメが大好きで、本作の中にも似たようなユーモアを取り入れようと試みました。例えば「荒川アンダー ザ ブリッジ」のように、少しシュールでありつつも、どこか温かくて優しい、そんな雰囲気を目指したのです。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Anastasia本作の開発には約3年を費やし、もちろん数多くの困難に直面しました。特にストーリーには苦労させられましたね。ゲームのストーリーを書くということは、短い小説を書き上げるのとほぼ同じだと気づき、私たちにとっては決して簡単なことではありませんでした。
行き詰まった時、私たちは家を出て、長い散歩によく出かけました。時には数キロも休まずに歩き続け、ただひたすらアイデアや、不安に思っていることのすべてを語り合いました。
いつしか、それが私たちの小さな習慣となりました。開発中のことを思い返す時、一番に心に浮かぶのは、そんな二人で散歩した時間なのです。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Anastasia私たちにとっては初めてのプロジェクトだったので、十分に面白くないのではないかもしれないと、とても不安でした。しかし、早期アクセスの段階から、温かく支持してくれるフィードバックが届き始めたのです。プレイヤーの皆さんが自分たちの考えを共有し、提案もしてくれました。私たちはそれに応えるべく、できる限りの改善を重ねたのです。
現在では90%以上のポジティブなレビューをいただいており、皆さんが私たちのゲームを楽しんでくれているのを見て、本当に嬉しく思っています。それこそが、ゲーム開発を続けるための大きなモチベーションになっています。
それに、プレイヤーの方が私たちのジョークで笑ってくれたと聞くと、その日はもう、最高にハッピーな気分になりますよ。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Anastasiaプレイヤーの皆さんからのフィードバックを通じて、多くの方が「メインストーリーをもっと楽しみたい。少し短く感じる」と思っていることがわかりました。そのため、メインストーリーの続きを開発できることを私たちも嬉しく思っています。
また、本作の世界自体も拡張性を考慮してデザインしているため、ストーリーの続きだけでなく、追加コンテンツを組み込むための「余白」も十分にあります。今年の秋には最初の大型アップデートを予定していますし、将来的にはいくつかの大規模なアップデートや、ストーリーを広げるDLCも検討しています。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Anastasiaはい、もちろんです!私たちのゲームを使ったコンテンツ制作は大歓迎です。配信や動画のアップロードも自由ですし、収益化されたコンテンツについても全く問題ありません。
時間がある時は、私たちも本作の動画や配信をチェックするようにしていますし、存分に楽しんでいます。本作のゲーム体験を共有してもらえるのは心から嬉しいことですね。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Anastasia本作を作ることは、私たちの「夢」でした。決して完璧なものではないかもしれませんが、私たちにとって非常に大切な存在であり、自分たちが作り上げたものを心から愛しています。
たとえその道のりが平坦ではないとしても、これを読んでいるあなたの夢もまた、同じように叶うことを願っています。素晴らしい気分やインスピレーション、そしてたくさんの素敵なゲームに巡り会えることをお祈りしています!
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に900を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








