スギ、ヒノキ、そして5月からはイネなど、日本では1年を通して様々な花粉が飛び交っています。かくいう私も花粉症。せっかく天気の良い日でも花粉の飛散を気にして外に出る気になれないこともしばしば。
そんな花粉症ゲーマーに向けてこの記事では花粉を気にすることなく歩き回れるヴァーチャル陽光を擁する様々なジャンルの作品を5つご紹介。GWは思いっきり引きこもって、バーチャルの空気を胸いっぱいに吸い込みましょう。
A Short Hike

最初にご紹介する『A Short Hike』は鳥の少女「クレア」を操作して「ホークピーク州立公園」を自由に駆け回りながらホークピークの山頂を目指すアドベンチャーゲームです。

山頂を目指す中でクレアは様々な人物に出会います。幼いクレアはどこかナイーブですが、島の人々はのんびりしています。風の音、海の音、情緒的なBGMが流れ、島にはゆったりとした雰囲気が流れています。プレイヤーもつられて、この自然豊かな環境に身をゆだねることになります。

山頂を目指すうえで必要になるのが「黄金の羽根」です。黄金の羽根を手に入れるたびに、多段ジャンプができるようになったり、より長い時間壁を上ることができるようになり、進める場所が徐々に増えていきます。

黄金の羽根を増やし上へ上へと昇っていくと、さっきまで立っていた場所が豆粒のように小さく見える、あの登山の醍醐味も味わえます。豊かな自然、おだやかな人々、そして少しずつ高みへ上っていける確かな達成感ーー作品のすべての要素が、この小さな旅を特別なものにしています。
Lushfoil Photography Sim

次にご紹介するのは個人開発者Matt Newellによる『Lushfoil Photography Sim』です。Unreal Engineで構築されたロケーションを気ままにのんびりと散策し、写真を撮影するウォーキングシミュレーターです。
開発に6年を注ぎ込んだだけあって、3Dモデル、ライティング、音響のすべてがハイクオリティ。ディスプレイの前にいながら、日光を浴びながら散歩をしているような錯覚に陥ります。

カメラの設定も多岐にわたるため、最高の一枚を追い求めたい人にもお勧めしたい作品です。各ステージには「この景色をこの角度で撮影する」というささやかな目標や収集物が散りばめられており、心地よい散歩にちょっとした目的を与えてくれます。


目標を達成すると新たなロケーションがアンロックされたり、ドローンや古いカメラが使えるようになったり、時にはロケーションの天気や時間帯を変えられるようになったりと、プレイヤーの欲しいものをちゃんと用意してくれています。
ちょっとした空き時間にでも世界の絶景へと飛ばしてくれる『Lushfoil Photography Sim』は、まさしくバーチャル散歩の決定版です。
Everybody's Gone to the Rapture

『Everybody's Gone to the Rapture』はイギリスのシュロップシャーにある農村ヨートンを舞台にしたウォーキングシミュレーターです。

農村からは住人全員が消えており、残されたのはさっきまで人がいたような気配だけ。灰皿に置かれたタバコからは煙がくゆり、よく手入れされた庭は主人を待ち続けているようです。

農村は建物や室内、そして小物まで素晴らしいクオリティで作りこまれています。そこに足りないのは生活を営む人間だけ。自分以外が突如として消え失せた空間を歩いているような不思議な感覚になるでしょう。

農村を散策していると光の渦に遭遇することも。光の渦にインタラクトすることで人々の残滓が再生されます。人々の会話は不穏な雰囲気にあふれており、人々が消失した状況をうかがい知ることができます。

時には人々の言葉の残滓を裏付ける不穏な場面に出くわすことも。ロックダウン、農村への爆撃計画、謎の奇病、鼻からの出血……。

それでもヨートンは相も変わらず美しく佇んでいます。不穏で美しいこの終末世界をゆっくりと歩きましょう。
Lucid Blocks

妙にリアルな右手とリミナルスペースを持ち合わせた『マインクラフト』、『Lucid Blocks』を一言で表すとこのようになります。
すべてがブロックで構成され、クラフト要素がある。『Lucid Blocks』のゲームプレイは伝統的なボクセル作品のそれですが、目の前に広がるのは悪夢のような光景です。

右手で破壊して入手したアイテムを掛け合わせて新たなものを生成する、というお馴染みのクラフト要素も、出来上がるものは奇怪で馴染みのないものばかり。従来のボクセル作品をプレイしていればいるほど目の前に広がる奇妙な世界に頭が混乱する作品になっています。


歩けば歩いた分だけ見たことのない景色に出会える『Lucid Blocks』で普段とは一風変わった散歩を楽しむのもよいでしょう。
For the GHOSTs

『For the GHOSTs』は4人のキャラクターと交流を行うビジュアルノベルです。キャラクターたちはあなたがプレイヤーであることを認識しており、自分たちが作られた存在であることも知っています。
序盤からメタ的な認識を隠さない彼らとの交流は普通のビジュアルノベルとは一味違ったものとなります。彼らとの会話のテーマも倫理的・哲学的なものが多く、興味深い話を大量に聞くことができます。

なぜビジュアルノベルであるこの作品がヴァーチャル陽光を浴びられる作品なのでしょうか?それは彼らとの会話が進むごとに、様々な景色を映した写真を背景とした場所へと移動することができるからです。

写真のロケーションは多彩で、キャラクターたちがその場に溶け込んだような画面は芸術的ですらあります。様々な場所でキャラクターたちと語り合う時間はかけがえのないものとなるでしょう。

自分たちの有限性を自覚し、メタ的な存在であるプレイヤーと交流する彼らと語り合いを楽しみながら世界を巡ってみませんか?
以上、花粉フリーでヴァーチャル陽光を浴びられるゲームを5作品ご紹介しました。
花粉症に限らず、外に出られない日や、出たくない日は誰にでもあります。そんな日に、ゲームはただの暇つぶしではなく、本物の「どこかへ行く手段」になりえます。バーチャル陽光は、いつだってあなたを待っています。











