
恋愛ゲームなどキャラクターとの交流を主軸とするアドベンチャーゲームでは、基本的に“1人のキャラクターを選ぶ”ことに重きをおいています。そのキャラクターを選ぶことによって、そのキャラクターのグッドエンドがあり、そのキャラクターのバッドエンドがあります。
しかし、本来は“選ばれなかったキャラクター”にもその後があるわけで……。
今回ご紹介するのは、そんな選ばれなかったキャラクターを描く、感情爆発系エモーショナルADVゲーム『LUNADUN(ルナダン): LUNATIC DUNGEON(以下、ルナダン)』。Team BONAが手掛ける本作は、Steam向けに12月より早期アクセス開始予定です。
舞台となるのは、ファンタジー世界のような雰囲気漂う「メギドアの村」。主人公は、事故により目を覚まさなくなってしまった幼馴染「ママコナ」を救うために、願いを叶える竜がいるという伝説があるダンジョンへ向かいます。

因みに主人公の見た目は人なのではなく風船です。あらゆる属性がそぎ落とされた、仮初めの姿。
ダンジョンへ進むパーティは主人公含め4人。また別の幼馴染「ガルオ」、ダンジョン調査団員の「アルビー」、キャラバンを率いるマモノ「メガリス」。皆、個性豊かなキャラクターですが……3人とも心に影を背負っています。

選ぶだけではない、選ばないことも選択肢
本作では、大きく分けて「昼間パート」と「夕暮れパート」の2パートで構成されています。昼間パートは村で色々な人たちから話を聞き、情報を集めます。


ここではパーティメンバー以外の多くのキャラクターと会話することが可能で、村の噂話やダンジョンの調査内容、パーティメンバーの印象などを聞き出せます。
そして情報を集めた後は、夕暮れパートにてダンジョンの探索へ。ダンジョンでは、パーティメンバー4人による会話や調査を楽しめます。


昼間パートではパーティメンバー4人での会話シーンがないため、このダンジョン内でパーティメンバーの認識を合わせたり、情報を集めたりします。そしてその後、ダンジョンの奥へ。
本作の特徴は、このダンジョンの仕組みです。ダンジョンは最大で3人しか入れません。上述した通り、主人公を囲むパーティは4人のため、全員でダンジョンへ向かうことはできないのです。
そのためダンジョン調査の度に、RPGあるあるのパーティ選出が始まります。しかし本作ではキャラクターの選択が結末に関わってくるため、“まず誰に一番最初に声をかけるか”と“誰を置いていくか”を選ぶことが大きなポイントとなります。


最初に声をかけたキャラクターは、もちろん好感度が上がりますが、反対に置いていくと下がります。

ダンジョン探索は、体験版範囲では全キャラクターとも共通の展開でした。
一般的なゲームでは“選んだキャラクター”にのみ視点がいきますが、『ルナダン』は異なります。ダンジョン探索後に選んだキャラクターと会話できるものの、その後には選ばなかったキャラクターの心情や独白を見ることにもなるのです。

選んだキャラクターは自分を選んでくれたことに感謝し、自らの感情や生い立ちについて明るく話してくれます。キャラクターそれぞれにダンジョンへ参加した理由や思いが異なるため、ここでよりキャラクターへの理解が深まります。

選ばれなかったキャラクターは、「自分が選ばれなかったのか?」と自責の念に駆られることとなり、キャラクター毎の過去がフラッシュバックすることになります。
この選ばなかったキャラクターの心情の描写がすごく丁寧かつ小出しなのが、本作のとても良い点です。いきなり真相を全てさらけ出すわけではなく、少しずつ心の紐を解くように、でも締めつけられる真実……ここに重きを置いているゲームだからこその表現だと思います。
主人公に選ばなかったキャラクターが、その事実をどう受け取ったのか。そして、そこから見える彼らの心の影、激重感情が見えてきます。
それを見てプレイヤーはどうすべきか。そのまま1人を選び続けるのか、それとも八方美人なプレイをするのか……。どちらにせよ、全てを受け入れなくてはいけない。そこがこのゲームの魅力です。

まだデモ版の段階とはいえ、現時点でもどのキャラクターも先が気になるストーリーが展開されていました。
本稿を読み終えた読者の皆さんも、ぜひこの後は『ルナダン』を遊んで、選ばれるか選ばれないかとなる彼らの責任をとっていただきたいと思います。













