気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Next Big Game Studio開発、PC向けに6月10日にリリースされた協力物理演算搬送アドベンチャー『君か、最高の相棒!』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、2人で息を合わせて王様を運ぶ協力型の物理演算搬送アドベンチャーゲーム。慣性や重力などが働く物理演算により、ちょっとした操作のミスでも王様は転落してしまいます。プレイヤー2人は息を合わせて、担架の高さや傾き加減、移動などを細かくコントロールしつつ、目的地を目指さなくてはなりません。日本語にも対応済み。
『君か、最高の相棒!』は、800円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Ardaこんにちは、インディーゲーム開発者のArda Kayacanです。『君か、最高の相棒!』を開発した2人のうちの1人です。ビジネスパートナーであるNurullah Tümenciと共にNext Big Game Studioを設立し、Steamでインディーゲームの開発とパブリッシングを行っています。私たちのデビュー作である『君か、最高の相棒!』は、Next Big Game Studio名義でリリースされ、パブリッシングにおいてはJoygame Select、UGC90、そしてGamersky Gamesと提携しています。
私の一番好きなPCゲームは『Rust』ですね。普段からサバイバル、クラフト、経営・管理、そしてオープンワールドといったジャンルのゲームを好んでプレイしますが、その中でも『Rust』は、自由度の高さ、予測不可能な展開、そしてプレイヤー主導のゲーム体験の素晴らしさから、私にとって常に特別な存在であり続けています。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Arda本作のアイデアは、「もし、自分が運ぼうとしているキャラクターが全力でこちらの邪魔をしてきたらどうなるだろう?」というシンプルな疑問から始まりました。
私たちは、プレイヤー同士の連携、物理演算、そして予測不可能な瞬間を中心に据えた協力ゲームを作りたいと考えていました。ぐにゃぐにゃのラグドール系キャラクターを運ぶこと自体、それだけで十分に難しく、かつ笑えますが、私たちはそのシステムにより強い個性と、より特徴的なゲームとしての魅力が必要だと感じたのです。そこから、「目的地にはどうしても行きたいけれど、本人の怒りっぽい性格や突飛な動きのせいで、その道のりを自分から難しいものにしてしまう不機嫌な王様」というアイデアにたどり着きました。
開発の最初期から、本作はこの「矛盾」を軸に構築されています。王様はプレイヤーたちに目的地まで運んでほしいと願っているにもかかわらず、本人の怒りや不機嫌な振る舞いが、常にその逆の結果を生み出してしまうのです。プレイヤーたちが、王様や王妃のただでさえ予測不能なラグドール物理に苦戦している最中にも、キャラクターたちは苛立ちや突然の動きによって、自ら進捗を妨害してきます。
この組み合わせによって、私たちがまさに目指していた通りの体験である「笑えて、挑戦しがいがあり、予測不可能で、何度でも遊びたくなるようなゲームプレイ」が完成したのです。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Arda開発の初期段階では、プレイヤーキャラクターに顔も表情もありませんでした。しかし、『PEAK』のキャラクターデザインを目にした時、シンプルな表情がキャラクターに豊かな個性をもたらしている点がとても気に入ったのです。これがきっかけとなり、私たちはキャラクターをデザインし直し、より感情豊かな表情を与えることにしました。もちろん、『君か、最高の相棒!』のビジュアルスタイルにしっかりと合うようにしています。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Arda特に印象に残っているのは、王様のラグドールシステムを構築し、物理演算のテストと微調整を始めた時のことです。テスト中、王様があまりにも予測不能でコミカルな動きを連発するため、私たちは終始爆笑していました。あの時のことは、今でも本当に忘れられません。それと同時に、「『君か、最高の相棒!』を遊んでくれるプレイヤーの皆さんも、これと全く同じような、突発的でカオスで、笑いに満ちたシチュエーションを体験することになるんだ」と確信した瞬間でもありました。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Ardaこれまでにいただいたフィードバックから、本作が私たちが目指していた目標を大いに達成できていることが伝わってきています。プレイヤーの皆さんからは、ラグドールを運ぶ難しさと、王様が怒り狂って自ら進捗を妨害してくる要素が組み合わさることで、思わず笑ってしまうような楽しい瞬間が生まれているという声をよくいただいています。もちろん、人によってはイライラしたり、難し過ぎると感じたりすることもあるため、ゲームのコアとなるアイデンティティを損なうことなく、継続的な改善や快適性の調整を行っています。
中でも、特に印象に残っているフィードバックが1つあります。あるプレイヤーの方が、本作をシングルプレイのゲームだと思って購入されたそうです。しかし、協力ゲームだと気づいたため、パブリックロビーを作って誰かが入ってくるのを待つことにしました。すると、見ず知らずのプレイヤーが参加してくれて、最終的に2人でゲームを最後までクリアしたというのです。その方はレビューの中で、「ゲームをクリアできただけでなく、新しい友達までできた」と書いてくださっていました。このエピソードは、私たちにとって本当に嬉しく、心温まるものでした。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Ardaプレイヤーの皆さんからいただいたフィードバックと自分たちのアイデアリストをもとに、ロードマップを作成しました。最も要望が多かった機能は「ローカル協力プレイ」と「LANマルチプレイヤー」だったため、これらを最優先事項として取り組んでいきます。また、多くのプレイヤーが世界ランキングを求めていることにも気づいたため、こちらも追加することが決定しました。
『君か、最高の相棒!』はすでに手強いゲームですが、「もっと難しいモード」を求める声がある一方で、当然ながら「もっと簡単なモード」を望む声もあり、これらも開発計画に入れています。さらに、キャラクターのカスタマイズシステムの拡張も予定しています。追加したい機能のアイデアはまだまだたくさんありますが、それらの多くを導入する前に、まずは新しいマップを1つ追加したいと考えています。
――本作の日本語対応について教えてください。
Arda『君か、最高の相棒!』は、すでに日本語に対応しています。日本語訳は、アジア地域のパブリッシングパートナーであるGamersky Gamesが担当してくれました。私たちに連絡を取りたい、ローカライズの問題を報告したい、あるいはフィードバックを共有したいという日本のプレイヤーの方は、ぜひ私たちのDiscordサーバーにご参加いただくか、メールにてお気軽にお問い合わせください。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Ardaはい、もちろんです。プレイヤーやコンテンツクリエイターの皆さんが『君か、最高の相棒!』を配信したり、動画を公開したり、YouTubeやTwitchなどのプラットフォームでそのコンテンツを収益化したりすることは、全面的に問題ありません。
本作は予測不能なラグドール物理、カオスな協力プレイの掛け合い、そして王様の極端なリアクションによって、突発的に笑える瞬間が頻繁に生まれるため、特にゲーム配信にぴったりです。これらのシチュエーションは、プレイして楽しいだけでなく、観ていても最高にエンターテインメント性が高いでしょう。クリエイターの皆さんが本作の体験を共有し、それを中心に楽しいコンテンツを作り上げてくださるのを、私たちはいつもワクワクしながら拝見しています。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Arda日本のプレイヤーの皆さん、そしてこれから『君か、最高の相棒!』をプレイしてみようと考えてくださっている皆さん、ハラハラするような緊張感、予期せぬカオスな状況、思わず爆笑してしまう瞬間、そして不機嫌極まりない王様を叩いて懲らしめるチャンスがたっぷり詰まった旅へ、皆さんを心から歓迎します。(笑)
この手強い挑戦を楽しみ、友達と一緒に笑い、その過程で忘れられない思い出をたくさん作っていただければ幸いです。私たちのゲームに興味を持っていただき、そして温かいサポートをいただき、本当にありがとうございます!
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に1,000を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








