同じことの繰り返しな社会人の日常…小説家・村上春樹風の文芸テキスト×00年代の美少女ゲームなテキストコマンドADV『駅前のカフカ』第三章はガラリと変わる【東京ゲームダンジョン13】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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同じことの繰り返しな社会人の日常…小説家・村上春樹風の文芸テキスト×00年代の美少女ゲームなテキストコマンドADV『駅前のカフカ』第三章はガラリと変わる【東京ゲームダンジョン13】

郷愁と孤独を感じるADV

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同じことの繰り返しな社会人の日常…小説家・村上春樹風の文芸テキスト×00年代の美少女ゲームなテキストコマンドADV『駅前のカフカ』第三章はガラリと変わる【東京ゲームダンジョン13】
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2026年8月8日、東京都立産業貿易センター浜松町館にて開催された「東京ゲームダンジョン13」にて、『駅前のカフカ』を試遊してきました。

本作は、古き良きテキストアドベンチャーゲーム。選択肢を選ぶ形式ではなく、「look」「work」などのコマンドを直接打ち込み、物語を進行させていくタイプのゲームです。今回は、東京ゲームダンジョン13より初お披露目となる「第三章」をプレイ。

淡々とした会社員の日常が描かれる……

物語の主人公は、どこか孤独を抱えながら日々を過ごしています。画面に表示されるテキストにも喪失感が漂っており、静かでチルなBGMも相まって、穏やかなのにどこか悲しい空気が流れています。

主人公は、オフィスで働いている様子。画面中央には彼のデスクが映し出され、その下には「look」「left」「right」「work」「help」といった単語が羅列されています(もちろん、それ以外にもさまざまなコマンドが隠されています)。

たとえば「look pc」と入力すれば、目の前にあるパソコンを調べることができます。そんな調子で、ひとまず身の回りのものを調べていきましょう。

一通り調べ終えたら「work」と入力して仕事を進め、疲れてきたらコーヒーを飲んでシャキッとする……そして、また「work」……。そんな淡々とした会社員の日常が続いていきます。

設計書を確認してもらい、牛丼屋へ行って食事を済ませ、仮眠を取る。なんてことはない平日の昼下がり。しかし、目を覚ますと職場の様子がおかしくなっていました

パソコンが動きません。しかし、故障や停電が起きている様子でもない。辺りには、なんともいえない不穏な気配が漂っています。

周囲を調べてみると、なんと時計から針が消えていました。もしかすると、主人公は「時間」というものが存在しない世界へ迷い込んでしまったのでしょうか?

そして、右隣の席にいるミシナさんが残した書き置きを発見。そこには、「左隣で超過勤務を続けているマルシマさんを帰らせろ」という指示が書かれていました。

とはいえ、いったいどうやって帰らせればいいのか?

あれこれコマンドを試した末、筆者がたどり着いたのは「彼の椅子を引く」という方法でした。

マルシマさんは椅子から転げ落ちる……かと思いきや、そのままふわりと宙に浮き始めます。そして窓を突き破り、空の彼方へ飛んでいってしまいました。なんだこの展開!?

その後、自分の席へ戻ると、今度は知らない女性から誘惑するような電話がかかってきます。さらに別の声まで聞こえ始め、主人公は妄想めいた世界へと引き込まれていきます。ここで第三章の前半が終わり、試遊も終了となりました。

そんなプレイの中で特に面白いと感じたのは、「正解となるコマンドを自分で探す」という部分でした。

現在のゲームでは、選択肢やインタラクト可能な場所が分かりやすく表示される作品も多いですが、本作では「この状況なら、どんな単語を入力すればいいだろう」と考える必要があります。その試行錯誤そのものが、ゲームプレイとして成立していました。

それに加えて、テキストも魅力的。簡潔でありながら、文芸として充分な読み応えのある文章であり、ADVの骨子の部分もしっかりとしています。

「昔のコマンド入力式ADVのシステムと、2000年代的な美少女ゲームの見た目が組み合わさったゲーム」開発者インタビュー

続いて、開発を担うNeji. Gamesのねじ氏に、本作についてお話を伺いました。

――『駅前のカフカ』のコンセプトについて教えてください。

ねじ氏:本作は、コマンド入力式のアドベンチャーゲームです。大きなリスペクト元として、1980年代にハドソンから発売されていた『デゼニランド』など、当時のコマンド入力型のゲームがあります。プレイヤーが自分で言葉を考えて入力し、正解を探していくような遊びを、現代でも作れないかと考えました。

――ビジュアルについてはいかがでしょうか?

ねじ氏:ドット絵はすべて自分で制作しています。一方で、キャラクターや画面の雰囲気については、2000年代の美少女ゲームに寄せました。昔のコマンド入力式ADVのシステムと、2000年代的な美少女ゲームの見た目を組み合わせている形です。

――独特な文章も印象的でした。テキスト面で影響を受けたものはありますか?

ねじ氏:小説家・村上春樹さんの作品が好きで、その影響がかなりありますね。淡々とした日常の中に、いつの間にか現実ではないものが入り込んでくるような感覚は意識しています。

――製品版はどのくらいのボリュームを予定していますか?

ねじ氏:全5章構成を予定しています。プレイ時間については人によってかなり変わると思います。コマンドをすぐに思いつく方であれば、全体で2時間くらいになるかもしれません。

――発売時期について教えてください。

ねじ氏:来年の春から夏ごろの発売を予定しています。


古き良きコマンド入力式ADVの遊びを現代に蘇らせつつ、文芸的なテキストと2000年代美少女ゲーム風のビジュアルを組み合わせた『駅前のカフカ』。

何気ない日常が少しずつ奇妙な世界へと変貌していく物語は、この先どこへ向かうのでしょうか。製品版を楽しみに待ちたいところです。

駅前のカフカ』は、PC(Steam)で配信予定です。

ライター:各務都心,編集:八羽汰わちは




ライター/ 各務都心

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作しているシナリオライター。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

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編集/ 八羽汰わちは

はちわたわちは(回文)Game*Sparkの共同編集長。特技はヒトカラ12時間。

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