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南フランスのロケーションを存分に生かした華麗なレース体験。『Forza Horizon 5』ディレクター新作『CLUTCH』プレイレポート

圧巻の作り込み、実力者揃いの気鋭レースゲーム

連載・特集 プレイレポート
南フランスのロケーションを存分に生かした華麗なレース体験。『Forza Horizon 5』ディレクター新作『CLUTCH』プレイレポート
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2026年8月26日(水)~30日(日)にかけて、ドイツ・ケルンで世界最大のゲームイベント「gamescom 2026」が開催されました。

会場では、Maverick Gamesが開発を手掛けるレースゲーム『CLUTCH』の試遊の機会をいただきました。

Maverick Gamesは『Forza Horizon 5』でクリエイティブ・ディレクターを務めたMike Brown氏を中心に、2022年に立ち上げられたばかりの独立系スタジオ。「Forza Horizon」シリーズのレース体験を作り上げてきたメンバーが集結した新作として、ファンから注目を集めています。

本稿では、そんな『CLUTCH』のプレイレポートをお届けします。なお、開発陣への単独インタビューも別途実施しているので、そちらもあわせてご覧ください。

本作は、フランスの地中海沿岸のフレンチ・リヴィエラをモデルにしたオープンワールドを舞台に、プロの公式レースサーキットと、夜になると姿を現すアンダーグラウンドのストリートレース集団「ミッドナイト・コレクティヴ」を行き来しながら物語が進む、シネマティック・オープンワールド・ナラティブ・アクションドライビングゲームです。

舞台となるフレンチ・リヴィエラは、活気ある市街地から山あいのスイッチバック、海沿いを走る高速道路まで、華やかさと険しさが同居する広大なオープンワールドとして作り込まれています。

なかでも、実在のモナコを拡張する形で再現されたエリアは、地下トンネルや高架道路が入り組んだ、立体的で密度の高いマップになっているとのことです。

ブース入り口では、本作のロゴが大きくあしらわれた黄色い看板とともに、グレーのポルシェ911カブリオレが展示されており、ナンバープレートにも「CLUTCH」の文字が刻まれるという、細部までこだわった演出で来場者を出迎えていました。

このブースは屋外に設営されており、これまで経験したことのない、開放的な雰囲気での試遊となりました。ちょうど天候にも恵まれ、青空の下で気持ちよく試遊できたのも、本作の爽快なドライビング体験とよくマッチしていたように思います

試遊はまず、作り込まれたオープニングのカットシーンから始まります。夜のストリートの映像に始まり、南フランス名物であるラベンダー畑を疾走するジープのシーン、そして華やかなサーキットレースの場面へと、テンポよく映像が切り替わっていく構成。この短い時間の中で、本作の世界観にある「サーキット」と「ストリート」という2つの顔が端的に示されるつくりになっていました。

面白いのが、この一連のシーンそれぞれで、少しずつ実際に操作できるようになっていたことです。最初のカーチェイスシーンでは、迫り来るパトカーや正面から突っ込んでくるパトカーを避けることに集中する、緊迫感のあるドライビング。続くラベンダー畑のシーンでは一転、高低差のある広大な大地を颯爽と駆け抜けていく、開放的な操作感を味わえました。

そして最後のサーキットシーンでは、アクセルとブレーキを慎重に踏み分けながら着実に順位を上げていく、正統派のレースゲームらしい手応えのある走りが要求されます。同じデモの中で3種類も異なる「運転の質感」を味わえるという、贅沢な導入部でした。

そしてカットシーンの最後は、サーキットレース中に他の車が事故を起こし、車体が炎上するシーンで締めくくられます。ここから物語がシリアスな方向へと転がっていくことを予感させる、掴みの強い導入でした。この演出は『Forza Horizon』シリーズを彷彿とさせる作りに、より物語の重要性を加えた構成になっていると言えるでしょう。

実際に操作できた車としては、ストリートシーンで登場したBMW M3 GTR、そしてラベンダー畑を駆け抜けたジープが印象的でした。BMW M3 GTRは硬派な佇まいの1台で、走り出してエンジンの音を聞けばその存在感が伝わってきましたし、ジープは車高の高さを活かして起伏のある地形を豪快に乗りこなす感覚が新鮮でした。

肝心の操作感は、『Forza Horizon』シリーズ譲りの軽快さを土台にしながらも、しっかりと硬派なレースゲームらしい手応えも併せ持つ絶妙なバランス感覚でした。アクセルを踏みっぱなしにするだけで簡単にクリアできるような緩さはなく、コーナリングやブレーキングのタイミングにきちんと気を配る必要がある一方で、極端にシビアなシミュレーター的操作感でもない。一回でもレースゲームをプレイしたことのある人であれば瞬時に適応できる、そんな操作感でした。

「Forza Horizonの開発者が作った新しいレースゲーム」という前情報から想像する通りの、間口の広さと奥行きを両立させた仕上がりに感じます。

そして何より、映像の美しさには目を見張るものがありました。南フランスという実在のロケーションを存分に活かした、光の入り方や植生の作り込みは非常に説得力があり、これがオープンワールドとして自由に走り回れるようになった時の体験には大いに期待が持てます。

今回はメディア向けのデモを試遊しましたが、一般来場者向けではレースのタイムを競うランキングボードが掲示されており、来場者同士でタイムを競い合う光景も見られました。

展示されていたポルシェとあわせて、この日ばかりは会場の一角がちょっとしたモータースポーツイベントのような賑わいを見せていたのが印象的でした。


『CLUTCH』は、3年半に及ぶ開発期間を経て、2027年春に発売予定。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/XBOXです。

ライター:タナカハルカ,編集:みお

ライター/気さく タナカハルカ

インディーゲームデベロッパー・よんとんトマチンのメンバー(ヤムニャン学園)として『ふりかけ☆スペイシー』を開発。著書『海外ゲーム音楽ガイドブック ビデオゲームからたどる古今東西の音楽』『楽曲派アイドル・ガイドブック ももクロ以降のアイドルソング再考』。寄稿『ユリイカ2025年12月臨時増刊号 総特集=大貫妙子』『DAWN N°2』など。毎週新高円寺で会える。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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