キミは『フリーライター橘真希』を知っているか。あの地図会社“ゼンリン”から発売、しかも『街』のスタッフも参加したまさかのサスペンスADV | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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キミは『フリーライター橘真希』を知っているか。あの地図会社“ゼンリン”から発売、しかも『街』のスタッフも参加したまさかのサスペンスADV

実写アドベンチャーゲームの隠れた名作『DS湯けむりサスペンスシリーズ フリーライター橘真希「洞爺湖・七つの湯・奥湯の郷」取材手帳』の魅力を改めて掘り下げる。

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キミは『フリーライター橘真希』を知っているか。あの地図会社“ゼンリン”から発売、しかも『街』のスタッフも参加したまさかのサスペンスADV
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  • 『428 ~封鎖された渋谷で』
  • 『AKIBA LOST』
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コアなファンが多いテキストアドベンチャーゲームのなかでも、とくに熱狂的な支持者が多い実写取り込みのアドベンチャーゲーム。『かまいたちの夜』から1年後の1995年に発売された『学校であった怖い話』のヒットを皮切りに、その後はメディアがカートリッジからCDに移行した技術の進歩もあり、多くの実写アドベンチャーゲームが生まれました。とくにチュンソフトが制作したセガサターンの『街 ~運命の交差点~』やWiiの『428 ~封鎖された渋谷で~』は名作と名高いです。

しかし、3DCGの発達によって、実写映像を用いるまでもなく実写に迫るリアルな映像を生み出せるようになったこともあり、実写ゲームの価値は減り、タイトルも減っていってしまいました。

ただ、そんな実写ゲームが、ふたたび盛り上がっています! まず9月10日には90年代を代表する和製ホラーアドベンチャーの『学校であった怖い話』『晦-つきこもり』がニンテンドースイッチで復刻したほか、9月17日には北山宏光さんが主演の群像劇マルチアングルサスペンスゲーム『AKIBA LOST』が発売。

さらにイシイジロウ総監督が仕掛ける、渋谷を舞台に繰り広げられる群像劇実写ノベルゲーム『シブヤスクランブルストーリーズ』も開発参加型クラウドファンディングで盛り上がっています。

実写ゲームのファンとしてこの火を絶やすわけにはいかない! と思い、今回は筆者が敬愛するゲーム『DS湯けむりサスペンスシリーズ フリーライター橘真希「洞爺湖・七つの湯・奥湯の郷」取材手帳』(以下、『フリーライター橘真希』)を紹介させていただきます。

『街 ~運命の交差点~』のスタッフが制作するゼンリンのアドベンチャーゲーム! 

『フリーライター橘真希』は日本最大手の地図メーカー・ゼンリンが2008年にニンテンドーDSで発売した実写ゲーム。

ゼンリンは近年『龍が如く』シリーズの地図製作を手がけていることでも知られていますが過去には自社でアドベンチャーゲームも制作していたんですよね。

そして、この『フリーライター橘真希』ですが、じつは『街 ~運命の交差点~』のスタッフが制作に携わっており、とてもクオリティが高かったりします。

シナリオ監修を『街』の総監督で、『弟切草』では原案・脚本、『かまいたちの夜』でも監督を務めている麻野一哉さん。シナリオは『街』の市川文靖と高峰隆士の脚本を長坂秀佳さんとの共作で担当した横山至さんと、『街』の篠田正志、細井美子の脚本を担当岩片烈さんが手掛けています。

B級テイストあふれるタイトルでギャグが中心の作品でありますが、裏を返せばその「軽さ」こそが本作の魅力。

ギャグ中心であるため会話のテンポもよく、とても読みやすい文章に仕上がっていて物語を読み進めるのが心地いいです。役者陣もノリノリで顔芸を披露してくれるので実写ゲームならではの味がありますし、ネタバレになるため深くは書けないものの、物語の後半には実写ならではの驚きの仕掛けがあります。

推理パートは非常に親切な仕様。間違えた場所を選んでもペナルティはありません。ただし、第3話には間違えるとバッドエンドになる選択肢があるので注意が必要です。

プレイすると好きになる愛すべきキャラクターたち

ゲームはライターである橘真希、カメラマンの木村聡美、モデルの青木友梨という女性3人組が雑誌の取材で訪れた温泉街で事件に巻き込まれて、その事件を解決していくという内容です。推理要素はあるものの、メインとなるのはキャラクターの掛け合いや観光の雰囲気。前述の通り、謎解き要素は低めで、ノリとしては2時間サスペンスドラマが近いです。物語の途中に挿入されるアイキャッチもいい味を出しています。

なお、タイトルは『フリーライター橘真希』ですが、真希は出版社勤務。フリーライターでは無いような気もしますが、自分で記事も書く業務委託の編集スタッフなのかもしれません。まぁ、ここは雰囲気ということで!

物語は全3章構成で、第1話は真希、第2話は聡美、第3話は友梨がメインに。個人的にはかわいい顔をして平気で「ウンコ」と口にしちゃう気さくな聡美もいいのですが、笑ったのは友梨。彼女の主観になることで腹黒い人物であったことが明らかになる作りになっていてよかったですね。

メイン3人を支える脇役陣も個性的。真希のストーカーでサブカルライターのハンニバルや、ゼンリンの社員を名乗る善隣太郎……勤める先々でことごとく事件に巻き込まれる仲居さんの九十九里など忘れられないキャラクターばかりです。

ゼンリンの本気! マップのこだわりがすごい

また、本作の特徴として作り込まれたマップがあります。日本最大手の地図メーカーであるゼンリンが制作しているだけあり、マップへのこだわりがハンパないです。

さらに、劇中に訪れたスポットが取材手帳に書き込まれていき、観光名所ガイドとして機能するようになっていく仕掛けも。本作が2008年の作品なので現在とは建物やお店などが異なると思いますが、だからこそ資料としての価値も高いのかなと。『フリーライター橘真希』を片手に実際にゲームの舞台となった場所へ行き、どのように変わっているのか確認してみるのも楽しそうですね。

個人的にはエンディングにメイキング写真も使われていたのが『街』を彷彿とさせてくれてうれしいポイントでした。

本作はタイトルに「シリーズ」と付いていますが、残念ながら続きは発売されませんでした……。実写ゲームは盛り上がっていますし、ぜひゼンリンさんには続編を検討してもらいたいです!

ライター:カワチ,編集:みお

ライター/スーパーファミコン時代のRPGやゼロ年代の美少女ゲームを愛するライター カワチ

1981年生まれ。東京都出身。2000年よりゲーム雑誌のアルバイトを経て、フリーライターとしての活動を開始する。 アドベンチャーゲームやRPGなどのジャンルを好み、オールタイムベストは『東京魔人學園剣風帖』。ほかに思い入れのあるゲームは『かまいたちの夜』『月姫』『CROSS†CHANNEL』など。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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