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Game*Sparkレビュー:『ENDLESS Legend 2』 「この1ターンにすべてを賭ける」劇的展開が目白押し、ファンタジー・ストラテジーの傑作

「エンドレス・ユニバース」シリーズ最高品質

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Game*Sparkレビュー:『ENDLESS Legend 2』 「この1ターンにすべてを賭ける」劇的展開が目白押し、ファンタジー・ストラテジーの傑作
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ファンタジー調SFストラテジー『ENDLESS Legend 2』が2026年9月17日に発売します。地が裂け、海が退く、激動の惑星サイアダを舞台に、異質な6種族が覇道を競い合う、ターン制の「4Xゲーム」です。約1年前にリリースした早期アクセス版の時点で評判がよく、Game*Sparkのインプレッション記事でも「ファンタジー・ストラテジーの傑作になりうる」と期待を述べました。

4Xゲームは日本で聞き慣れないジャンルですが、ざっくり言うと『シドマイヤーズ シヴィライゼーション』フォロワーになります。未知の世界を開拓し、自分の国家を育て、ライバル国を滅ぼす、国家興亡がテーマのストラテジーです。本作はそこにヒーローが活躍するタクティカルコンバットと、種族の生い立ちや世界の謎に迫るストーリーを加え、シミュレーションRPG風に仕立てました。

本稿はメーカー提供のバーション1.0プレビュー版(PC)を用いたレビューです。執筆にあたりプレビュー版を50時間プレイしました。そこで得た所感をもって、先に「ジャンル初心者から上級者まで夢中になれるゲームだ」と寸評を記します。

本作はPC版(Steam、Epic Games Store、Microsoft Store)に加え、シリーズ初のコンソール版(PlayStation 5、XBOX Series X|S)も発売します。コンソールがメインでPCゲームに触れたことがないゲーマーは、是非本作からシリーズを知ってください。最新作ゆえに最良のエンドレス・ユニバースだと請け合いましょう。

最初から最後までセンスオブワンダー

『ENDLESS Legend 2』の特徴は、卓逸したアートワークとプレイ動機をかき立てるストーリーです。前作で高い評価を得たストーリー主導のゲーム展開を本作も継承しています。その上で、物語体験を彩るビデオ体験が大きく進歩しました。新規プレイヤー用のチュートリアルはイントロダクションにふさわしい品質です。惑星サイアダに津波を引き起こす「落星」のカットシーンで幕を開けます。地表すべての街が波にさらわれ、生き残りたちがサバイバルを決意し、第1ターンが始まる。という説得力があるシーンでした。

ゲーム序盤は勢力(国家)固有ストーリーの「勢力クエスト」がプレイ目標です。キャラクターの会話付きで当面の目標を指し示しつつ、どこから来てどこへ行くのかという伝承を語ります。惑星に不時着した宇宙帝国民、サンゴと機械の混合生物、サイアダが砂の惑星だった頃を知る鉱物生命といった人類史から離れた種族でも、キャラクターのおかげで感情移入しやすいです。クエストはイラスト付きで状況のイメージに役立ちます。会話も縦に連なるチャットログ状で、話を読み返すときに助かります。

センスオブワンダーなストーリーの続きを追いたくてクエストをこなそうとする。その冒険が4Xゲームの第1工程「探索」になり、続く行程の「入植」「拡張」「殲滅(ここでは近隣の危険排除)」が次の冒険の土台となります。冒険の先にあるセンスオブワンダーを生み出すしかけが、惑星変動「タイドフォール」です。海が退いて新たな大地が表れます。そこは露出した海底ではなく、危険な火山や奇妙な植生といった惑星サイアダの過去が広がっています。手付かずの新天地が出現するゲームイベントを、謎に満ちた惑星の景色と伝承で彩りました。プレイヤーをさらなる冒険に駆り出します。

景色と伝承を追って冒険に出たプレイヤーを待ち受けるのは戦闘です。好戦的な少数部族、クエスト目標、覇道を競うライバル勢力など、戦いには事欠きません。戦闘は手番交代制のタクティカルコンバットです。歩兵・騎兵・弓兵といった中世風の兵種を主軸に、多彩なファンタジー種族の一芸が加わり、ステータスとアビリティのぶつけ合いを楽しめます。戦闘の主役はヒーローユニットです。レベルアップのアビリティ獲得と装備品でどんどん強くなるRPG要素で、クエスト以外の報酬を引き立てました。

本作は『シドマイヤーズ シヴィライゼーション』でおなじみの労働者や開拓者といった内政ユニットがなく、都市管理を簡略化しています。操作系とルールは4Xゲームですが、ジャンル初心者は拠点強化パート付きのシミュレーションRPGだと思えばよいでしょう。未開の地を冒険して国土を切り開いたヒーローが、やがて軍の主力となり、ライバル勢力との戦争で敵軍ヒーローと衝突します。この王道展開でファンタジー・ストラテジーとして親しみやすくなっています。

「神の一手」を生み出す仕組み

“One More Turn”にマンネリを感じつつあるジャンル上級者でも、本作は時間を忘れて夢中になれるゲームです。伝統的なジャンル観から外れますが、本作はゲーム勝利まで見据えた遠大な計画ではなく、今の1ターンを乗り切る即興プレイを奨励します。その即興プレイが本作に強烈な中毒性をもたらしました。

本作はゲームルールのほとんどが前作と同じです。そして前作同様、今作もゲーム中盤で都市のリソース産出が爆発的に増えます。よって逼迫した財政を管理し続けるゲームではありません。潤沢なリソースをふんだんに使い都市拡張するゲームです。パズルゲーム的な施設隣接ボーナスを思いついたときに完成までもっていけます。無計画で非効率なプレイングに聞こえますが、タクティカルコンバットで1ターンが長くなる本作と相性がよいです。戦闘に没頭しすぎて次ターン以降の都市拡張手順を忘れてしまう、というイージーミスを防げます。

都市施設だけでなく、ユニットも気兼ねなく即時生産できます。時代(技術研究数)が進むとユニットのコストは増えますが、初期経験点も大きく増えるので、序盤から大事に育てたユニットとレベルがさほど変わらなくなります。あとでまとめて生産しても経験点獲得の機会損失は少ないです。また、高レベルユニットの補充が容易なおかげで、損害が大きい戦術を選択しやすいです。

ゲーム展開の区切りとなるタイドフォールが上記の即時生産を奨励します。タイドフォールはどのような土地が出現するか予想しづらく、また、出現した新たな土地は過去の土地よりリソース産出量が高くなっています。領土拡張競争を挽回できるタイドフォールで、長期計画を立てる利点が少なくなりました。だからクエストや技術研究、ライバル勢力との戦争に注力できるわけです。

補注: 最高難度エンドレスのゲーム終了画面。水色のタイムラインは筆者。ライバルAIがスコアでやや上回る。

ライバルAIの品質もここで述べておきます。早期アクセス版から領土拡張と都市拡張のルーチンを大きく改善しました。難度エンドレスでは(大きなハンディキャップボーナスとなりますが)熟練プレイヤーと対等の国力を有します。ゲーム中盤から始まる勝利条件レースで最後まで競り合うことになるでしょう。今の1ターンで競り勝たねばならない、というシチュエーションで即興プレイが活躍します。

世界のかたちが変わらないなら、ゲーム開始時点で勝ち方を定めて遠大な計画を立てることができます。しかし、本作はゲーム進展に応じて世界のかたちが変わるため、もっと優れた別案が後でみつかります。長期計画を立てづらい、と言えば底が浅いゲームに聞こえるかもしれません。それを、短期~中期計画を複数同時に扱う腕前を競うゲームだと受け止めれば、ジャンルの見方が広がるでしょう。即興プレイの最中に次のターンを見据えた「神の一手」をひらめく。この喜びが本作ならではの中毒性、“One More Turn”の醍醐味です。

物語が終わってくれない

『ENDLESS Legend 2』は前作に近いルールを用いつつ、ルールの追加、バランスの調整、ライバルAIの練磨でプレイ体験を大きく改善しました。しかしながら、わずかながら根深い欠点を含みます。それはゲーム開始からプレイヤーを導き続けた物語体験です。本作はストーリーが終わる前にゲームが決着してしまいます。

メインストーリーの勢力クエストは難度が運に左右されます。遠く離れた目的地が好戦的な勢力の向こう側にあるとき、大規模戦争は避けられません。これは勢力同士の戦争という4Xゲームのメインコンテンツを促す仕組みですが、高難度ゲームでは当然、クエスト達成が難しくなります。

ゲームは主に勝利条件レースで決まります。本作唯一の長期計画となりますが、この勝利条件レースは勢力クエストに連なったものではなく、物語体験が連続していません。また、勝利条件レースの進展に応じたクエストもなく、漠然とした印象のまま条件達成を目指すことになります。

惑星の激変を描くタイドフォールは、プレイ面の影響だけを見ると肥沃な土地を生み出す恵みとなります。起きるたびに豊かさが増していく、歓迎すべきイベントです。終わらない冬を迎える惑星オーリガでのサバイバルを描く前作と比べ、惑星の激変がプレイヤーへの重圧とならず、重圧がなければカタルシスも生まれません。ストーリーの盛り上がりどころがありません。

ゲーム難度を下げれば勢力クエストを容易に完遂できます。勝利条件レースやタイドフォールも、4Xゲームの中盤~終盤にドラマを加えるデザインです。しかし、本作をストーリー主導のゲームとするなら、ストーリーとゲームのクライマックスが一致していません。勢力クエストの完遂でゲーム勝利した前作と比べ、印象に残らないエピローグです。これを本作の欠点とします。

総評

『ENDLESS Legend 2』は手放しでおすすめできるストラテジーゲームです。4Xゲームの未経験者は壮大なシミュレーションRPGとして楽しめるでしょう。ジャンルの熟練者は本作で“One More Turn”の初心を思い出すでしょう。

今の1ターンにすべてをつぎ込む即興プレイから、次の1ターンを見据えた神の一手を打つ、この愉悦を幾度も得られる仕組みは見事です。近年の大作志向ターン制4Xゲームがロングゲーム路線の中で、200ターンあれば決着がつく濃厚なプレイ体験も称賛に値します。

プレビュー版ではゲームの決着にまつわるストーリーが乏しいです。本稿は欠点としましたが、今後のアップデートでよくなるでしょう。これは希望的観測を含みますが、早期アクセス版からの改善を知っているからこその信頼です。約1年前の弊誌インプレッションで懸念した、早期アクセス版のゲームバランスは飛躍的な進歩を遂げました。そしてファンタジー・ストラテジーの傑作という期待はそのとおりになりました。

Game*Spark レビュー 『ENDLESS Legend 2』 PC/PS5/XBOX Series X|S 2026年9月17日

ハードコアゲーマー向けの4Xゲームを初心者向けに作る、という不可能を実現したファンタジー・ストラテジーの傑作

GOOD

  • 印象強いビジュアルと情緒のあるBGM
  • アートワークとルールが一致したUI
  • 伝承をちりばめたクエスト群
  • 兵種と種族が織りなすフレーバー豊かなタクティカルコンバット
  • 簡潔にまとめた都市管理とシナジーが奥深い都市設計
  • 1ターンへの注力を奨励するタイドフォールと勝利条件レース

BAD

  • ゲーム展開と物語体験のクライマックスが一致しない
《ライター:野村光,編集:みお》

ライター/宇宙とSFとストラテジーと格ゲーが好きです。 野村光

ゲームレビュアー。2014年に商業誌デビューし、11年かけてレビュー・インプレッションを200本執筆。オールタイムインベストは『New Space Order』。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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