【クトゥルー神話ゲームブック】「このゲームブックを読む者に永遠の呪いあれ」(2) 23ページ目 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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【クトゥルー神話ゲームブック】「このゲームブックを読む者に永遠の呪いあれ」(2)

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しかし、ストロングゼロというのも味気ない。あなたはせっかくの機会なので、藤田を新宿の街に誘った。藤田は了承し、あなたの手取りが16万しかないことを知ってか知らずか、安くてそこそこうまい店に案内してくれ、しかも払いは自分が持つと言った。「おまえには迷惑をかけた。せめてこのセクションにおいてくらいは、気持ちよく飲んでほしい」それであなたは藤田にすすめられるまま日本酒を飲んだが、不思議なことに、いくらやっても陶然としたいい気持ちが続くのだった。いい酒というのは、こんなにすてきな酔いかたをするのだ。酔いがまわると藤田もなかなか陽気な人間だった。

時計の針が二時を指したころ、藤田のスマートフォンに着信があった。スパくんだった。「遅くなった。おまえら今どこにいるんだ。会社に入ったが誰もいない、もうはけたのか?」藤田は答えた、「いや、こいつと飲んでる。おれも反省してさ。なんだったらおまえも来るか? どうせ女の子は醒めてどっか行ったろ?」「うむ。そうするか」それであなたは藤田とスパくんの三人で朝までじつに楽しく飲んだ。空が白みはじめるころ、あなたはふたりと別れ、タクシーに乗り込んだ。イード持ちのタク券をスパくんが分けてくれたのである。あなたは久方ぶりに晴れ晴れとした気分で、車窓を流れていく朝方の東京の街を眺めた。アパートが近くなったころ、あなたは車を止め、ポプラに入り、ストロングゼロを買った。もうちょっと飲みたいなと思ったのである。あなたはレジの店員が「ありがとうございました」と言い終わるか終わらないかのうちにプルタブを引き、ごくごくと飲んだ。


触手だらけの10tトラックがポプラに突っ込んできて、あなたは死んだ。

ゲームオーバー

《Game*Spark》
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