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オフィスの入り口には受付ブースと電話があったが、ブースは無人だったし、それどころかビル自体も無人であるようだった。あなたは刺身のかけらにまみれた手で受話器を取り、透明なプレートのなかの紙片に記された内線番号を指で追い、「Game*Spark編集部」のオフィスの番号をプッシュした。
あなたは十秒ほど待った。
がちゃりと音がして繋がった。
「やっと来たか。迎えに行くから、待っていてくれ」
あなたは数分待った。
髭面の男があらわれた。
「やあ」
「どうも」
「とりあえずこっちに」
髭面の男はあなたを導いて、応接室のうちのひとつの扉を開けた。壁は一面ガラス張りで、新宿の夜景がよく見えた。
「座ってくれ」
あなたは適当な椅子を引いて腰掛けた。
「藤田だ」髭面の男は名刺を差し出した。「よろしく」
「よろしく」とあなたは答えた。
「さて、どこから話したものかな? そうだな。おまえから質問してもらったほうがいいか? なにについて聞きたい?」藤田もべつの椅子に座り、ポケットから煙草を取り出して火をつけた。あなたは猛烈な嫌煙者だったので、顔をしかめて、つぎのように言った。
「非常識だ! 非国民だ! ここは室内だぞ!」
「黙れ」と藤田は答え、煙を吹き、灰をフロアに落とした。なんだかものすごく疲れているようだった。
「さっさと質問しろ」
24.この話の流れはあまりにも杜撰じゃないか?
25.そもそもゲムスパって何なんだ?
26.どうして無人なんだ?