【クトゥルー神話ゲームブック】「このゲームブックを読む者に永遠の呪いあれ」(2) 22ページ目 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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【クトゥルー神話ゲームブック】「このゲームブックを読む者に永遠の呪いあれ」(2)

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あなたはナイフを握りしめ、株式会社イードのゲーム事業部部長、宮崎K輔に飛びかかり、彼の心臓に刃を突きたてた。

「どうして……」と宮崎は言い、血を吐いて倒れた。
「大きい物語にばかり飛びつくメディアはもう飽き飽きだ」と藤田は言った。
「こんなもんスラップスティックじゃないですか」とあなたは言った。
「スラップスティックではない状況がこの地獄に残っていると思うのか?」
「あると思いますよ」とあなたは答えた。「純文学の文芸誌とか」

藤田は爆笑した。

「あー。笑った。いいや。おれもそろそろ死ぬか」藤田はポケットからiPhone 7を取り出した。Lightningケーブルとイヤホンジャックを統合してしまった、稀代の駄作である。デザイナーは反省しろ。

藤田はiPhoneで電話をかけ、スピーカー・モードに切り替えた。

「おい、スパくん、見てるか?」
iPhoneのスピーカーから甲高い声がした。「見てるスパ~」
「いまは千葉か? まだ電車はあるのか?」
「あるスパ~。というかもう新宿にいるスパ。呼ばれるかなと思って、こじゃれた割烹で飲みながら待ってたスパ」
「いいな。アテは何だ?」
「うるかと、筍の土佐煮と、平目の刺身スパ~。シメは鶏雑炊にするつもりスパ」
「春らしくていいねえ。酒は?」
「魔王スパ~。あま~いスパ~」
「羨ましい。ただ、悪い、それ飲んだらでいいんだが、ちょっと来てくれないか? もうそろそろ死のうと思うんだ」
「え、もう逝っちゃうスパ? まいったスパ~。せっかくお尻に『あなた』って書いてある女の子ひっかけたのにスパ~」
「ゲムスパ読んでるようなの拾って何が楽しいんだ。正気に戻れ」
「せやな」低い声になった。「行くわ。東新宿だったか?」
「都庁のそばだ」
「オーケー。十五分後だ」

それで電話が切れた。

藤田は胡乱な目であなたを見た。「一杯やるか? ストロングゼロが編集部の冷蔵庫に入ってたはずだ」

32.一杯やる

33.やめとく

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