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テーマは”バスケと共に歩む人生”?『NBA 2K19』シニアプロデューサー エリック・ベニッシュ氏が想いを語る

編集部では、『NBA 2K19』国内での発売記念イベント直後に同作のシニアプロデューサーであるエリック・ベニッシュ氏へのインタビューを敢行しました。

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テーマは”バスケと共に歩む人生”?『NBA 2K19』シニアプロデューサー エリック・ベニッシュ氏が想いを語る
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8月29日にニューヨークでメディア向けロンチイベントが開催され、9月6日に日本でも発売記念イベントが開催された2KのNBA公認バスケゲームシリーズ最新作『NBA 2K19』。編集部では、国内での発売記念イベント直後に同作のシニアプロデューサーであるエリック・ベニッシュ氏へのインタビューを敢行しました。本作のキャッチコピーに込められた想いや、最大の魅力はどこなのかなど、多岐にわたるインタビューの模様をお届けします。



――本作のキャッチコピーは「そして世界はその名を知る――」となっています。これにはどのような意図が込められているのでしょうか。

ベニッシュ氏:このキャッチコピーには、二つの意味が込められています。一つは「MyCAREER」のストーリーと絡めてのものです。今回の「MyCAREER」のテーマは"自分探し"です。自分は何者なのかを模索しながら、強固な意志でNBAを目指していく……そういう物語が展開します。その中で主人公は、自分の名を世界中にとどろかせたいという思いを抱いています。

もう一つの意味は「ネイバーフッド」に絡めてのものですね。このモードでさまざまなイベントや試合を渡り歩いて勝利を収め、そうすることで、みなさんご自身の名前をとどろかせてもらえればと思います。

――本作の体験版「NBA 2K19 PRELUDE」をプレイさせていただきましたが、AIにより磨きがかかっているように感じました。チームメイトが賢くて、不慣れなうちからボールに近い選手をその都度操作するより、主人公以外の操作はAI任せにした方が試合に勝利しやすそうなくらいです。

ベニッシュ氏:AIについてまず言えることは、とてもウリにしづらい要素だということです(笑)。グラフィックのように、パッと見て伝わるものではありませんからね。オフェンスにおいてさまざまな要素が追加されているのは本日のイベントでもお話させていただきましたが、実は、作中でNBAの各チームが行うプレイは、実際にそのチームが行っているプレイそのままなんです。元NBAのスカウトの方にご協力いただいて全試合の映像を見て、どういうプレイをさせればそのチームらしくなるのか、というのを徹底的に研究しました。

たとえば、ラッセル・ウェストブルック選手を要するサンダーは特殊なアイソレーションプレイを行うことが多いのですが、ゲームの中でもサンダーはそういうプレイを再現するようにしています。あと、プロシージャルなAIにも注目してみてください。CPUの敵チームは、さまざまな戦法を試してこちらの弱点を執拗に探してきます。そして、プレイヤーに対して有効な戦法を見つけたら、プレイヤーがその戦法を止められるようになるまで繰り返します。そして止められたら、また別の戦法を模索しはじめます。そういうスマートなふるまいをするAIに仕上げられました。

――本作では、試合中に条件を満たすと選手が個々の特性に応じてより優れたプレイを見せる「テイクオーバー」が実装されていますが、どういった狙いによるものでしょうか。

ベニッシュ氏:コービー・ブライアント選手やマイケル・ジョーダン選手、レブロン・ジェームズ選手らのような本当に一流の選手が絶好調時に見せるパフォーマンスは、次元が違うとしか表現できないほどすばらしいものです。ですが、ゲームにするうえでそうしたプレイを常時再現できてしまったら、それはリアルとは言えないし、おもしろみもありません。それでも、彼らがここぞというときに見せる超一流のプレイをなんとか表現したい……「テイクオーバー」はそうした思いから生まれたシステムです。


――「MyCAREER」についてもおうかがいします。今回はNBAの下位リーグであるGリーグからのしあがっていくサクセスストーリーになっているのが印象的です。

ベニッシュ氏:私たちはこれまでのシリーズの「MyCAREER」でさまざまな物語を紡いできました。だから今回は、コーチとの会話、ロッカールームでの会話、ロッカールームからコートまでの通路でのやりとり……そういう定番のドラマチックなシーンとはひと味異なる、ユニークな物語を描きたいと考えました。

主人公の実力はGリーグよりは上ですが、NBAでやっていくにはちょっと心もとないという、中途半端なポジションです。そんな彼が、バスでの移動風景や恋人と過ごすひと時という現実に根ざした人生を送る姿をかいま見ながら、成長していく姿を見守ってもらえればと思います。私としては、今回の「MyCAREER」を非常に気に入っています。

――お話をうかがっていると、本作には「バスケットボールと共に歩む人生」というようなテーマが込められているように感じられます。

ベニッシュ氏:そういう風に汲み取っていただけるとうれしいですね。人生にはバスケ以外の一面もある、というような切り口が加えられたかなと感じています。

――バスケ以外にもさまざまなことができる「ネイバーフッド」にもそういうテーマが感じられます。

ベニッシュ氏:前作で初めて実装した「ネイバーフッド」は、非常に多くの方に気に入っていただけました。ご批判やご要望も一部いただきましたので、それを真摯に受け止め、本作のネイバーフッドに反映しています。私たちは今回の「ネイバーフッド」を誇りに思っていますし、きっと気に入っていただけるだろうと確信しています。Under Armourのコートにあるトランポリンで大ジャンプをしてハデなダンクを決めたり、ときにはバスケボールではなくアメフトのボールを投げることだってできますよ。


『NBA 2K』シリーズが20周年をむかえられたのは、ファンのみなさんの声に応え続けてきたからだと思っています。今回の「ネイバーフッド」も受け入れていただけるなら、今後もよりよいものをお届けできるでしょう。

――25万ドルの賞金をかけた大会「MyTEAMアンリミテッド$250,000トーナメント」が開催される「MyTEAM」もハンズオンで少し触らせていただきましたが、「カードを2000枚集める」というような実績もあり、これだけでも単体のゲームになりそうなボリューム感を抱きました。

ベニッシュ氏:「MyTEAM」は開発のかなり早い段階で私に引き受けてほしいとの話が上からあり、長い時間をかけて取り組みました。メニューにいたるまで、すべてが新しく作り直されています。ぜひ大勢の人に遊んでほしいですね。チーム作りひとつとってもさまざまな戦略がありますし、大会を開催する際にも、「身長が6フィート6インチ以下の選手のみ」とか、「特定のチームのメンバーのみ」などというような条件も課しやすく。そうすることで独自の戦略性が出て楽しめるのではと考えています。まずは「MyTEAMアンリミテッド$250,000トーナメント」がどれくらい受け入れられるかを見ながら、来年以降の展開に希望を膨らませていければと思います。

――弊誌Game*Sparkはニューヨークでのメディア向けローンチイベントにも参加させていただきましたが、そちらもポートランド・トレイルブレイザーズのダミアン・リラード選手が会場に駆け付けるなど、盛り上がりを見せていたようです。

ベニッシュ氏:オフィスでゲームの最後の仕上げを見届けるため、残念ながら私はそのローンチイベントは参加できなかったのですが、大変ポジティブな反応が多かったと聞いています。体験版の『PRELUDE』で楽しめる「MyCAREER」をはじめ、グラフィックやAIの改善を大勢の方に気に入っていただけたようです。

また、この数年で日本のファンベースも非常に大きく成長しており、とても感謝しています。おかげさまで、世界的なローンチのタイミングで日本のみなさんにもお届けできるようになりました。ファンのみなさんにベストなものをお届けできるよう今後も努力を続けていきますので、これからもよろしくお願いします。

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《蚩尤》

汎用性あるザク系ライター(が目標) 蚩尤

1979年生まれのファミコン直撃世代。スマホゲームもインディーズも大型タイトルも遊びますが、自分と組ませてしまって申し訳ないという気持ちやエイミングのドヘタさなどからチーム制のPvPやFPS、バトロワが不得手です。寄る年波…! ゲームの紹介記事に企画記事・ビジネス寄りの記事のほか、アニメなど他業種の記事もやれそうだと判断した案件はなんでも請けています。任天堂『ガールズモード』シリーズの新作待機勢。

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