自動生成やパーマデス(一度死ぬとすべてを失う)など、さまざまな要素が絡み合い、何度遊んでも楽しむことのできるゲームジャンル「ローグライク/ローグライト」。今回の「げむすぱローグライク/ローグライト部」第45回では、Nihohe Softが開発・販売を手がける詰将棋系デッキ構築型ローグライト『リーサルダンジョン』をご紹介します。
『リーサルダンジョン』とは

ゲームタイトルに含まれる「Lethal」は「致命的な」といった意味合いを持つ英単語で、ゲーム用語としては格闘ゲームやTCGにおいて「相手のライフを削り切った」といった意味合いで使われます。使用例として「このラウンドはしっかりゲージを使ってリーサル取りに行った」「このターン後攻はリーサルを取ろうとしたが、先手の手札妨害に阻まれた」といった感じです。

そんな単語をゲームタイトルに含むこのゲーム、ダンジョンを横から見た視点でカードを使って敵を倒す……という点は他のデッキ構築型ローグライトと共通していますが、本作の最大の特徴は「プレイヤー第1ターンしか存在しないこと」です。敵からの攻撃や、防御カードは一切存在しません。「配られた手札だけで、1ターンで敵を全滅させること」がプレイヤーの目的です。

もちろん手札の使用順の間違いやプレイミスもあるでしょう。本作では1回の戦闘につき最大10回まで、画面右上の砂時計アイコンをクリックすることで戦闘を最初からやり直すことができます。また、ゴールドを支払うことで初期手札の引き直しや、デッキから任意のカードを直接手札に加えることもできます。あらゆる手段を駆使して、1ターンキルを目指しましょう。なお、「どうしても敵を倒せない……」と感じたときは、右上の歯車アイコンのオプションからいつでもギブアップが可能です。

第2階層のボスを倒せばダンジョンクリアで、新たなデッキや次の難易度、新規カードやレリックなどがアンロックされていきます。すべてのデッキで難易度5のダンジョンをクリアすることが当面の目標となるでしょう。
「最善手」を目指す、トライ&エラーの詰将棋的な面白さ


本作には、以下の6つのデッキが用意されています。
5ダメージ以上の高攻撃力カードを叩き込むことで真価を発揮する「パワーデッキ」
4枚カードを使うごとに「ひっかく」が手札に加わる手数重視の「アサシンデッキ」
「マナ」リソースを活用してテクニカルに動く「マナデッキ」
カード同士の合成を利用してオリジナルカードを使って戦う「合成デッキ」
ゲーム画面上のあらゆるオブジェクトをカードにできる「プリンター」を使用する「プリントデッキ」
すべての手札が毎回ランダム。プレイヤーの真の戦術眼と運が要求される「ランダムデッキ」
各デッキは10枚構成で、毎回のランを通してデッキ枚数に変更はありません。新たなカードを入手した際は、デッキ内のカードいずれかと差し替えます。ランダムデッキを除く各デッキにはいずれにも「キック」「アタック」といった性能の低いカードがあるので、主にこれらの初期カードを差し替えていくことになるでしょう。

6つのデッキの中でも、異例ともいえる個性を放つのが「合成デッキ」と「プリントデッキ」。前者は「毎回合成カードが手札に出現する」というもので、手札の2枚のカードを合成して両方の攻撃力・特殊効果を併せ持ったオリジナルカードを作り出せます。合成は多段ヒット効果を持ったカードや再利用ができるカードと相性がよく、特に初期デッキにも含まれている敵にとどめを刺すと再利用ができる「キルコンボ」を絡めた合成はこのデッキの主軸となっていくことでしょう。

更に異彩を放つのが「プリントデッキ」です。本デッキは他のデッキに比べて1枚ドロー枚数が少ないのですが、その代わりに「プリンター」というレリックを所持しています。これは1階の戦闘中につき1度だけ「画面上のあらゆる箇所を右クリックすると、それに対応したカードが手に入る」というもので、例えば敵を右クリックすればその種類の敵に2ダメージを与えることができるカードを、背景の燭台を右クリックすれば「ファイア」カードが手に入る……といった具合のカードです。クリックできる対象はUI部分にも及び、なんとオプション画面内の項目を右クリックすることでのみ入手できるカードというものも……いろいろと探してみると新しい発見があるかもしれません。

本作には多彩なカードが用意されており、中にはビンゴカードや某OCGにしか見えないカードなど、カードの基本デザインを逸脱したものも……。

カードの効果にも他のデッキ構築型ローグライトでは見ないようなものも数多く含まれています。相手のHPの1桁目の数字を1にするという「ワンナール」は超強力じゃん!と思うかもしれませんが、あくまで「HPの1桁目を1にする」効果であり、浮かれてHPが2桁以上の敵に使うとあんまり効果がないのでご注意を(筆者は経験した)。


本作の限られた手札で、1ターンで敵を全滅させるゲーム性は「詰将棋」に通じるものがありますが、それを意識したかどうかはわからないものの本作には「詰将棋」そのものである「パズルモード」も全24問用意されています。難易度はそれなりに高いですが各問題それぞれにヒントはありますし、使いどころの難しそうなカードの思いもよらぬ活用法を見いだせたりするので、挑んでみる価値は充分にアリです。

あえて「1ターンでの攻め」に特化したことで、デッキ構築型ローグライトの美味しい・楽しい部分をテンポよくスピーディに味わえる本作。デッキと相性の良いカードやレリックを集めていく部分はまさにデッキ構築型ローグライトの魅力ですし、1ターンの戦術を熟慮する部分は詰将棋にも通じる、考えることの楽しさが詰め込まれたゲームです。1回のランも10分~15分前後とスピーディーなので、速いテンポのローグライトや、じっくり考える思考型ゲームを求めている人にとって本作は充分おススメできるものとなるでしょう。
『リーサルダンジョン』は、PC(Steam)にて580円で配信中です。












