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ギャルゲー百人百景:第八景『Screen』柊麻由美

季節は巡り、春、夏、秋、冬。季節の数だけ景色がある。そして景色の数だけ、ギャルゲーもまた存在する……この連載はギャルゲーのヒロインを百人攻略するという妄念に取り憑かれた男の飽くなき挑戦の記録である。

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季節はめぐり春、夏、秋、冬。季節の数だけ景色がある。そして景色の数だけ、ギャルゲーもまた存在するのだ。ギャルゲーの主役といえばなんと言っても多種多様なヒロイン達……。この連載はギャルゲーのヒロインを百人攻略するという妄念に取り憑かれた男の飽くなき挑戦の記録である。


いよいよと言うべきか、本作『Screen』も後半だ。今回攻略するのは彼女、柊麻由美である。ちょっとボーイッシュな見た目かつサバサバ系な腐れ縁キャラなので、ギャルゲー強者(新概念)なら『To Heart』の志保を思い出したりするかもしれない。

と、いうか、発売時期からみてもおそらくその影響下にあるキャラクターだと思われる。『To Heart』はそれだけ影響力が大きいゲームなのだ。まあ全然関係ないかもわかんないけどね、知りません!


麻由美と主人公、もとい書く彦の付き合いは長く、幼稚園まで遡るらしい。男性友人キャラの省吾とあわせて、幼馴染三人衆という感じだ。知り合っている期間で言えば、義妹の舞子(第五景参照)を上回っている。すっかり気心の知れた仲なのでお互いに異性としての意識は低いっぽく、顔を合わせれば悪態を交わしあっているっぽい。そんな二人が恋愛だなんて、どうなっちゃうの~~?

ともかく、そんな関係性なので、序盤から中盤にかけて麻由美とのイベントはほとんどが無内容なバカ話シーンだ。大体の場合、大学の構内でぼーっとしている書く彦が麻由美と出会い、売り言葉に買い言葉でちょっとした小競り合いが起こる、というのがパターン。そんなわけでストーリーを追いづらいので、これからしばらくは麻由美との会話内容の中で筆者が気にかかったものをピックアップして紹介していく。



まず最初(たぶん)の学内での会話シーンの象徴的なくだりです。この二枚の画像を見たGame*Spark読者諸君はきっと「あっこいつ嫌い」って思ったことだろうが、オレもそう思いました。ゲームなのにゲームをやめろ的なことを言ってくるあたり『moon』を彷彿とさせる。

できればこの後『moon』が如何に素晴らしいゲームなのかということを延々語りたいところだが、残念ながら『moon』はギャルゲーではないんだ。『moon』ならぬ『MOON.』っていうタイトルの有名アダルトゲームもあるのでややこしいですね。あっ、内容と関係ないことを書いているぞ!!


ちなみにもうひとりの幼馴染である省吾は、我々としては非常に感情移入しやすいキャラクターのようだ。私から彼にアドバイスさせてもらうと、ギャルゲーの選択肢を選ぶのに10分かけたところでなんら状況はよくならないので、素直に攻略を見たりセーブロードを駆使したほうがいい。特に百人攻略しなきゃいけないとか、そういう状況なら尚のことだ。



こちらは、書く彦も麻由美も占いが好きという衝撃の事実が明かされるシーンだ。このゲームをやっていて始めてこの主人公に共感した瞬間かもしれない。

ここでの会話では麻由美の占いに対する「精神が融合する神秘な世界」だという貴重な知見を聞くこともできるので必見である。なんかそれっぽいがよく考えると占いと精神の融合ってあんまり関係ないような気がする。



前述の通り、序盤中盤と麻由美とのシーンはほとんどが無内容だ。後の展開のささやかな伏線もあるにはあるが、本当にささやかなので取り上げるかどうか迷うぐらいだ。

とにかく一連の会話シーンの目的はおそらく、主人公と麻由美が幼馴染であり、会えばこんなふうに馬鹿話か悪態ばっかなんですよ、という関係性の表現であろう。それにしたって「冬が好きかどうか」や「焼き魚が好き」みたいな話を延々読まされる側の身にもなってほしかったりはするが、まあそこも「腐れ縁感」の表現なのだと思われる。


そんなある日、書く彦と省吾は街中で異彩を放っていた彼女、立花智里と出会うことになる。彼女が占い雑誌を読んでいるところをプレイボーイである省吾がナンパしたのだ。私服がこういう感じの女性をナンパしていけるのはなかなかの胆力だと思う。その場ではうまく会話が噛み合わない三人であったが……。


偶然にも、彼女がコンタクトレンズを探しているところに出くわす。コンタクトレンズ探しを手伝うことで、ちょっとだけ親しくなる書く彦と智里なのであった。彼女についての詳しい話は次回だが、麻由美の攻略は彼女と非常に密接に関係しているのでさらっと紹介させてもらった。このあたり、このゲームの難しいところだ。


麻由美は書く彦の隣の家に住んでいる系の幼馴染キャラなので、ベランダを飛び移って書く彦の部屋に遊びにくることがある。こういう設定はよくある気がするが、実際本当にそんなことができるのか、そんな幼馴染なんて本当にいるのか、気になるところだ。

さて、書く彦は10万円近く入れた財布を紛失してしまったらしい。特にバイトなどをしている様子もないのに10万も財布に入れているところを見ると、両親の遺産は莫大だったらしい。



すっかり諦めていた書く彦であったが、なんと奇跡的に智里が財布を拾って麻由美に届けてくれたらしい。中身も無事ですっかり満足した書く彦であった。なぜ智里が(書く彦と知り合いだということを知らないはずなのに)麻由美に届けたのかにも、それらしい理由がついていたが……。


いろいろ気にかかることはあるが、財布を拾ってくれたお礼に智里の用事に付き合うことになった書く彦。智里は「占い通り」で占いをしてもらいたいとのことだった。二人きりのお出かけにワンチャンあるのか?とテンションの上がる書く彦であったが……。



智里は実は片思い中で、その相手は幼馴染の同級生だったようだ。ワンチャンなかったことに失望を隠しきれない書く彦であったが、「頼りになるお兄さんキャラ」にスムースに移行することで彼女との距離を保ちながら、あわよくば……的な待ちに切り替えることにしたのであった。あいかわらずやり口が卑劣だ。


別の日、麻由美にコンパに誘われた書く彦だったが、新たな出会いもうまくいかず、酩酊した麻由美と一緒に帰ることに。麻由美のことをなんとなく女として意識しはじめた書く彦は、酔った麻由美に自分のことをどう思っているのか尋ねて様子を伺うが、麻由美ははぐらかすばかりであった。


お互いになんとなく恋愛関係になれない幼馴染がいるということもあって、智里の相談相手になっていた書く彦は、やがてこんなことを尋ねられることになる。そこで自分の気持ちを正直に伝えると……。


智里はこのあと、物語に登場しなくなってしまう。不思議ですね。なんとなく察した読者の方もおられるかと思うが、この真相は次回、智里編で紹介しようと思う。



その後も、会えばくだらないバカ話を繰り返す書く彦と麻由美。書く彦は、そんな関係が歯がゆくなる。一歩踏み出し男女の関係になるべきなのか、それとも仲のいい幼馴染でいるべきなのか……。スタンダードなラブコメっぽい展開なので飲み込みやすい話だ。




そんなこんなで悶々としていたある日、省吾から衝撃の事実を聞かされる。麻由美の父親の会社が不渡りを出し危機的状況で、麻由美の生活も今までのようにはいかなくなってしまうかもしれないとのことらしい。これはもうちょっとでダジャレになりそうで危ないぞ!!




麻由美の父さんの会社がアレしそうで危ないことで、なんか異常に思いつめ、いろいろあって、麻由美への恋愛感情に気付いて告白することにした書く彦。いったいどういう感情回路なんだ。あんなに飲み込みやすい話だったのに、唐突な急展開でまるで飲み込めなくなってきてしまったぞ……?



いてもたってもいられなくなり、麻由美のもとに駆けつける書く彦。ダジャレになってしまう危険な一線を踏み越えることも厭わず、麻由美に確認を急ぐ。すごくシリアスな状況っぽいが、余計なことが気になって全然真剣になれない。麻由美もこんなときに限ってわざわざ自分の父のことを「父さん」と言う始末だ。



しかしそこに急遽現れた救世主。麻由美がかつてパーティーで知り合った金持ちが、父の会社を助けてくれるらしい。しかも麻由美に求愛しているとのことだ。ここへ来て一気に話がややこしくなってきた。っていうか盛りすぎだろ、あきらかにトゥーマッチですよ。麻由美のピンチだったはずが一転、書く彦大ピンチだ。




まあでもそこで更に話がこじれたりはせず、泣き出す麻由美。麻由美も実は(と言っても分かっていたが)書く彦のことを必要としていたのだった。ほんと盛りすぎかつ唐突な展開だが、父さんの会社も倒産しなかったみたいだし、恋愛も成就するし、よかったですね。と、いうことでエピローグ。


何故か英語で三年経過すると……



すっかりバカップルと化した麻由美と書く彦は、今日もデートをするのでした……ってなんだよその後日談。三年経った意味もねえし、まったく納得いかないんだが?しかも(他のヒロインにはいくつもエンディングがあるが)麻由美のエンディングはこのトゥルーエンド一種類しかない。でも急に英語なのはちょっとおもしろかった。ちょっとおもしろいよね?

といっても麻由美が不遇ヒロインというわけではない。エンディングが取ってつけたような感じなのにも、れっきとした理由があるのだ。その理由が明かされるのは次回、第九景になる。このゲームでも最も衝撃的な事実が明らかになる第九景を、読者諸君はできればネタバレ検索などせず、心待ちにしていてくれたまえ!ではさらばだ!ハッハッハッハッ!(怪盗風の幕切れ)
《文章書く彦》
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