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中華ゲーム見聞録:実写ドラマ化もされた人気RPGシリーズ最新作『古剣奇譚三』中国古代神話を基にした壮大で濃厚な世界観

「中華ゲーム見聞録」第26回目は、中国古代神話の世界観をもとにしたオープンワールドの大作アクションRPG『古剣奇譚三(GuJian3)』をお届けします。

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中華ゲーム見聞録:実写ドラマ化もされた人気RPGシリーズ最新作『古剣奇譚三』中国古代神話を基にした壮大で濃厚な世界観
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「中華ゲーム見聞録」第26回目は、中国古代神話の世界観をもとにしたオープンワールドの大作アクションRPG『古剣奇譚三(GuJian3)』をお届けします。

本作は上海燭龍信息科技有限公司が開発、2018年12月15日に北京網元聖唐娯楽科技有限公司によってSteamで配信されました。また中国国内では自社サイトでの配信やパッケージ版の販売なども行われ、人気を博しています。Steamの「年間ベスト2018」の「12月新作売り上げ」にもラインナップされていました。

「古剣奇譚~久遠の愛」トレイラー

『古剣奇譚』シリーズは中国ではAAAゲーム扱いで、中華RPGの代表的作品と言えます。1作目は2010年に発売され、中華圏内の様々なゲーム賞を受賞。人気が出たことから2014年にはテレビドラマ化され、視聴者数1億人越えの大ヒット作になりました。日本にも上陸し、「古剣奇譚 ~久遠の愛~」のタイトルでアスミック・エースから配信されています。

『古剣奇譚』1作目。このころはターン制バトル

1作目『古剣奇譚』の戦闘はターン制でしたが、2013年に発売された2作目『古剣奇譚二』からはターン制を廃止したアクションバトルを採用。3作目においてもそれが引き継がれています(1作目・2作目のSteam配信は2017年)。また2014年からMMORPG『古剣奇譚網絡版』ベータ版も展開しており、2018年には本格的なサービスを開始しました。


本作の内容ですが、タイトル通り「古剣」にまつわるものです。太古、龍淵という地に住む部族が禁断の術を使い、大いなる力を持つ七本の凶剣を造りました。これを知った伏羲(ふっき。中国神話の神。三皇の一人)は怒って人間を滅ぼそうとしましたが、女カ(じょか。カは「鍋」を女へんに。三皇の一人)はそれを良く思わず、七凶剣を封印し、龍渊の人々を地界(天界・人界・地界の3つの世界がある)に住まわせます。しかし時とともに七凶剣の封印は弱まっていき……といったストーリーです。

種族や地理、人物などかなり細かい設定が用意されており、仙人や妖魔も登場し、『スカイリム』などのような濃厚なオープンワールド的世界観が展開されていきます。インストール容量も30Gを超える大容量で、壮大な冒険が待ち受けていると思われます。さっそくプレイしていきましょう。

大作RPGの貫禄を見せつけてくるオープニング


オープニングムービー

ゲームを開始すると、長々とした世界観の説明などは一切なくムービーが始まります。祈っている人たちは何なのか、登場する女性は誰なのか、この時点ではまだわかりません。映像の見せ方など、映画やドラマを意識した作りになっています。


その後、どこかの暗い世界で目を覚ました主人公らしき男が登場。近くにある水場をのぞきこむと、別の男の顔が映ります。それから場面が変わり、水に映った男のほうの世界で魔族との戦闘が流れるように始まります。こういう映像の見せ方が本当に上手いです。

アクションバトル

戦闘はターン制を廃したアクションバトルです。戦闘しながらチュートリアルが入る親切さや、長々とした説明がないあたりは、さすが大作RPGといったところ。作り慣れている感があります。

プレイヤーが操作する白い服の男は玄戈(げんか)と言い、破邪の力を持つ妖族「辟邪(へきじゃ)」の王です。弱攻撃、強攻撃、回避、必殺技(4種類)など、一般的なアクションRPGの操作で戦います。4人いる部下たちも、それぞれの意思で敵を攻撃してくれます。一気に敵を蹴散らしてしまいましょう。

シームレスなフィールドと巨大なボス敵



戦闘が終わると、部下4人を引き連れてフィールドを自由に動けるようになります。フィールドではシームレスにそのままバトルが始まります。次にどこへ行くかはミニマップに表示されるので、それを頼りに進んでいきましょう。

玄戈たちの目的ですが、天鹿城の周辺に下等魔族が現れたので、調査兼退治に来たようです。この世界には「神・魔・霊・人・獣・仙・妖・鬼」の8つの種族がいて、玄戈は先ほど説明したとおり妖族です。人を超越した種族のようですね。


目的地に向かってフィールドを進んでいくと、やがて辺りが暗くなりました。そしてボスらしき巨大な敵が登場。下等魔族しか出現していないはずなのに、なぜこのような大型までもが……。玄戈は部下たちをその場に残し、単身ボス敵に挑んでいきます。


巨大ボス敵の体を駆け上りながら、急所に攻撃を加えていく玄戈。ザコ戦ではほとんど減らなかった玄戈の体力も、ボス相手では結構ダメージをもらいます。回避しながら戦わないとゲームオーバーになりそうですね。長い戦いの末、なんとか撃破しました。

王の帰還


天鹿城への帰還

ボスを倒して天鹿城へと戻った玄戈。ここでキャスト入りのムービーが流れますが、すごくファンタジーしている感じの城ですね。妖族は美形が多いですし、雰囲気的にエルフ族っぽい気がします。


玄戈と別れた後、部下たちは心配をします。天鹿城周辺の魔族は数が増え、しかも下等魔族だけでなく今回のような大型まで現れました。さらには玄戈はケガが治らず、先が長くないのではとの噂も。今後城や民を守れるのか、不安は尽きない様子です。


玄戈に視点が切り替わり、操作ができるようになりました。しばらく城の中を探索します。城内の民に近づくと挨拶をしてくれたりします。


目的地の宮殿前にたどり着くと、この城の治癒師である風晴雪(ふうせいせつ)が現れます。人界から来て、ここに住み着いた者のようです。晴雪はケガを治そうとしますが、玄戈は自分の死期を悟っており、「あとどれぐらい生きられるのか」を問います。「無理をしなければあと2日」との答え。玄戈は礼を言い、宮殿の中にいる後継者候補の元へと走ります。

そして主人公の登場



宮殿の中へ入り、長い廊下を走っていく玄戈。この奥に後継者候補がいるようです。ステンドグラスの窓から差しこむ光や床のテカリ具合が綺麗ですね。


奥の部屋に幽閉されていたのは、本作の主人公・北洛(ほくらく)。人界で育てられた玄戈の弟です。わけもわからずいきなりさらわれ、ここに閉じ込められたことを怒っています。「俺は妖族じゃない。さっさとここから出せ」の一点張り。まあそりゃそうですよね。


しかし玄戈も退くわけにはいかず、「戦って勝ったら逃がしてやるが、負けたら従え」という条件でバトル開始。このあたりの戦闘シーンはさすが中国だけあって、なかなか見ごたえがあります。


結果は玄戈の勝利。北洛は、玄戈がケガで力を出し切れていなかったため、自分も本気を出せなかったとのこと。「ケガを治してもう一度戦え」と文句を言います。しかし玄戈は「勝負は勝負だ」と剣を収めます。北洛は床に座りこみました。


ここで北洛が人界にいたときの回想シーンが入るのですが、ムービーからプレイアブル状態になるまでの入り方がすごく自然で上手いと思いました。人界で北洛は、老いた師匠に代わって弟子たちの訓練を見てあげています。ここで戦闘チュートリアルが入る流れも素晴らしいですね。

強きをくじき、弱きを守る主人公



訓練の後、役人が村人をいじめているので助けてほしいと言われました。何でも村人の飼っている犬が役人に小便をひっかけ、それで怒って犬を殺そうとしているとのこと。すぐに現場に向かいます。しかし背景が作りこまれていて、中国の雰囲気がよく出ています。


村にたどり着くと、いかにも悪代官なやつと2人の手下がいました。村人が我が子のように大切にしている犬を捕まえ、殺そうとしています。さっそく助けてやりましょう。


屋根にのぼって上から強襲し、役人を人質にとって犬を解放させます。その後、役人たち3人相手に戦闘が始まりますが、主人公の敵ではありません。軽く懲らしめてやり、「うちの道場に来て性根を直せば許してやる」と言います。これ、あとで仲間になる展開でしょうか。


自宅に戻ると、言葉を話す謎の生物がいました。北洛を「主人」と呼び、ご飯の用意など家事をしてくれています。この生物は「黄金飛天鼠」で、恩返しでここに住んでいるようです。北洛は「さっさと出ていけ」と言っています。


その日の夜、空から赤毛の剣士が降ってきて、家を破壊。玄戈の部下にいた男ですね。このあと戦闘になりますが、結局勝てず、北洛は気絶させられます。剣士は空間に穴を開け、北洛を天鹿城へと連れ去ってしまいます。あとを追う黄金飛天鼠。ここで回想シーンが終わります。北洛の運命はいかに。王の継承者となるのか、それとも……。続きはあなた自身で確かめてみてください。

先の展開が気になる大作オープンワールドRPG


さすが人気大作の3作目だけあって、ストーリーもゲームシステムもよくできています。チュートリアルの入り方や映像の見せ方も上手いですし、作り慣れている感がありますね。とくにどんどんと展開していくストーリーは「次はどうなるのか」と気になってしまい、先を知りたいがためにプレイ時間がついつい長くなってしまいます。いずれこの作品も実写映像化するかもしれませんね。


メインクエスト以外にも、サブクエストやミニゲームなども豊富です。釣りをしたり、カードゲームをしたり、自分の拠点を設計したりなど、長く楽しめる要素がたくさん盛りこまれています。マップも作りこまれており、30GBオーバーの大容量は伊達ではありませんでした。今のところ中国語(簡体字)のみですが、世界に十分通用する内容なので、今後多言語版が出ることを期待したいと思います(中国神話などの固有名詞が多いので翻訳は難しそうですが)。

製品情報


    『古剣奇譚三(Gujian3)』


    開発・販売:上海燭龍信息科技有限公司、北京網元聖唐娯楽科技有限公司
    対象OS:Windows
    通常価格:3,090円
    サポート言語:中国語(簡体字)
    Steamストアページ:https://store.steampowered.com/app/994280/Gujian3/

※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字を日本の漢字に置き換えています。
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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