ゲーム購入が戦争支援に、開発者「まぎれもなくプロパガンダとして作っている」―ウクライナ戦争ドローンシム『Death From Above』【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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ゲーム購入が戦争支援に、開発者「まぎれもなくプロパガンダとして作っている」―ウクライナ戦争ドローンシム『Death From Above』【開発者インタビュー】

本作の純収益の30%がウクライナの2つの慈善団体に寄付されます。

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ゲーム購入が戦争支援に、開発者「まぎれもなくプロパガンダとして作っている」―ウクライナ戦争ドローンシム『Death From Above』【開発者インタビュー】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Rockodile開発、PC向けに5月25日に早期アクセスが開始されたウクライナ戦争ドローンシミュレーション『Death From Above』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、サンドボックス型軍用ドローンシミュレーション。プレイヤーはウクライナ兵士としてドローンを操縦し、戦車や歩兵といった敵を無力化しつつ任務を達成していくこととなります。記事執筆時点では日本語未対応。より詳しいゲーム内容についてはプレイレポをご覧ください

『Death From Above』は、1,200円で早期アクセス配信中


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

Hendrik Lesser氏(以下Hendrik)反権威主義、反人種主義、そして民主主義を標榜するゲームに特化したパブリッシングレーベル「Lesser Evil」のCEO、Hendrik Lesserです。ミュンヘンのゲーム制作会社rcpのCEOでもあり、欧州ゲーム開発者連盟(EGDF)の会長でもあります。

私はストラテジー、サバイバル、FPSなど、ほとんど何でもプレイしますが、PCの電源が入っている時は、少なくとも1つのクリッカーゲームが常に起動していますね。もし、世界で一番好きなゲームを挙げなくてはいけないとしたら、『シド・マイヤーズ・アルファ・ケンタウリ』か『ウルティマ』シリーズでしょう。

――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?

Hendrik本作はいくつかの点で特徴的です。まず、私たちはこの作品を政治的な主張として捉えています。私たちのこの作品をプロパガンダゲームであり、それについて謝罪するつもりはありません。私たちは、プーチンとロシア軍をウクライナから追い出したいと思っています。現在進行中のこの戦争にこれほど強い姿勢で臨んだゲームは、他にないでしょう。また、本作の純収益の30%をウクライナの2つの慈善団体に寄付しています。「Army of Drones」と「Come Back Alive」です。開発費を回収した後は、それを70%に引き上げる予定です。つまり、本作はウクライナの人々が侵略に抵抗するのを助けるために、特別に作られた作品なのです。

――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?

Hendrikゲームからはありませんが、「Lesser Evil」の理念は、第二次世界大戦中に前線に赴いて映画を制作した撮影監督たちを描いた「伝説の映画監督 -ハリウッドと第二次世界大戦-」というドキュメンタリーシリーズから着想を得ています。彼らはアーティストであり、エンターテイナーであり、自分たちの生活を脅かす戦争と戦うために、自分たちの力を発揮したのです。本作では、ウクライナのアーティストたちにその機会を与えたいと思いました。サウンドトラックはすべてウクライナ製で、ゲーム内にもウクライナのアーティストの作品が使われていますし、ウクライナの開発者たちによって作られています。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。

Hendrik本作はかなりの短期間で作ることができたことを誇りに思っています。しかし早期アクセス中に改善を行っていきますので、本作はこれから最高のものになっていきますよ。個人的なハイライトはイントロ部分で、とても満足しています。早期アクセスが開始される48時間ほど前に完成したのですよ。

開発中にはたくさんのハイライトがありました。RockodileとOctobear Knightsは素晴らしかったですし、彼らのようなウクライナのアーティストたちとの仕事は、戦時中において特別なものでした。コンテキストがいかに重要か、そして、私が安全なミュンヘンの快適な椅子に座っているのだということを改めて教えてくれました。

――早期アクセス開始後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。

Hendrik現在、Steamでは99%のポジティブなフィードバックが得られており、これは信じられないことです。プレイヤーの皆さんから届く愛に圧倒されましたが、中でもウクライナのゲーマーたちからの評価は、本当に心に響くものがあります。

――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。

Hendrikたくさんの計画がありますが、どれだけの売り上げが出せるかによります。プレイヤーの数が増えれば、新しいコンテンツも増えるのです。しかし何より、チャリティのパートナーたちをできる限り長くサポートし続けたいと思っています。

――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?

Hendrikぜひ、日本語にも対応させたいですね!

――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?

Hendrikもちろん、どんなものでも大歓迎です。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Hendrikこのようなインパクトを与え、遠く日本からウクライナの人々への愛を感じることができるのは素晴らしいことです。本作を楽しんでいただければ幸いです!

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。


《Chandler》
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