ポップなモンスターとRPGテイストで「初めて遊ぶデッキ構築型ゲーム」に! 『シリアルワールド』プレイレポ&開発者インタビュー【BitSummit the 13th】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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ポップなモンスターとRPGテイストで「初めて遊ぶデッキ構築型ゲーム」に! 『シリアルワールド』プレイレポ&開発者インタビュー【BitSummit the 13th】

BitSummit the 13th会場から架け橋ゲームズの新作タイトル『Serial World』のプレイレポ&ミニインタビューをお届け

連載・特集 プレイレポート

2025年7月18日から7月20日にかけて京都市勧業館「みやこめっせ」で開催され、数多くのタイトルが出展されている日本最大級のインディーゲームイベント「BitSummit 13th」。

今回は架け橋ゲームズからのパブリッシングも決定している「デッキ構築型ローグライク×ファンタジーRPG」作品『シリアルワールド』のプレイレポート&開発者インタビューをお届けいたします。

3体の「アニマ」の特徴を駆使してバトル! 

『シリアルワールド』は奇妙なダンジョンに迷い込んだ主人公の少年「マイロ」が、不思議な生き物「アニマ」の力を借りて戦うRPG。会場では本作のメインとなるダンジョン探索&バトルが体験できるデモ版が出展されました。

導入ではRPGパートも。細かく描かれた3Dグラフィックにも注目。

本作ではバトルに臨むアニマの行動を、それぞれに対応したスキルカードで構成されたデッキからドローした手札をターン中のコスト(AP)に収まるよう選択して決定。アニマは常に3体バトルに登場するため、基本的に3タイプのカードを上手く組み合わせた手札さばきが求められます。

手札は「ひきなおす」こともできる

デモ版では単体火力に長けた「ハリビー」と、シールド付与能力で防御力が高い「タニボー」。そして手札に来る度に効果が高まっていく”成長”システムで長期戦向きの「フキトカゲ」の3体で構成。

3体のアニマとカードによって構成されることで、特徴の異なる敵にも対応できるのが面白いポイント。もちろんカードの集まりがバラバラになっていく難しさに繋がる可能性もありますが、中には「他のアニマが行動するたびにコストダウン」という効果を持ったカードもあり、完全に3体が独立するのではなく上手く連携していく奥深さもあります。

バトルでの勝利や宝箱から新スキルを習得可能

探索するダンジョンはいくつものエリアが繋がって構成されており、バトルだけでなくショップや宝箱などによってデッキの強化・育成が可能。段々と階層を潜っていく方式にもなっており、プレイするたびに体験が変化するオーソドックスなローグライクシステムを採用しています。同ジャンルのプレイヤーならすんなりプレイできるでしょう。

BitSummitの試遊では専用ダンジョンのボスに挑むまでの道のりが体験可能で、難易度も3段階用意されています。筆者は真ん中の難易度でチャレンジしましたが、序盤であまりにもなんとなくカードを選び過ぎたこともあり、残念ながらボス戦で敗北……。

バトルシステムに注目すると、間違いなく奥深いシステムのデッキ構築型ローグライクではあるものの、キャラクターのポップさとノリノリな気分にさせてくれるBGMも魅力で、ターン制のシミュレーションRPGのような気分でも楽しめるプレイ感が印象的な作品でした。

「色んな人に届けたい」「最初に」

ここからは開発を担当する「Serial Project」チームのおふたり、前田貴志氏と川崎祥氏へのインタビューの模様をお届けします。

――簡単な自己紹介をお願いします。

前田『シリアルワールド』を開発している「Serial Project」の前田です。ディレクションとプログラミング周りを担当しています。

川崎同じくグラフィックを担当している川崎です。よろしくお願いします。

――『シリアルワールド』というゲームの狙いや企画の背景はどのようなものでしょうか。

前田デッキ構築型カードバトルというジャンルは、馴染みがない人にとって「何が起きているのか分からない」と難しく感じられる部分があると思います。そこに魅力的なキャラクターや分かりやすいUIなどを組み合わせることで、“誰でも最初に手に取ってもらえるデッキ構築型”のゲームが作りたいなと思い、このゲームを開発しています。

――前田さんは『Slay the Spire』のようなデッキ構築型のタイトルがお好きなのですね。

前田そうですね! 『Slay the Spire』だと全クラスでやり込み要素を最後までクリアするくらいプレイしています(笑)。

――このゲームもデッキ構築型カードバトルではありますが、やはり「アニマ」の存在が大きな特徴です。

前田アニマはこのゲームで一番とも言える大事な要素ですね。アニマは途中で進化させられるので、進化によって状況をひっくり返すことも可能で、他にない成長要素ですし、最も見せたい部分だと思っています。

――今回クリアしたアニマ以外の組み合わせになるとプレイ感も変わりますよね。

前田色々な組み合わせを楽しんでもらいたいですね!

川崎8体登場するので、そこから3体を選んでバトルに臨むシステムになっています。

前田あとゲームの特徴としてはRPGの部分もですね。コミカルなキャラクターたちによる会話も楽しんでいただきたいです。

――デモ版の会話シーンからもかなりポップで手に取りやすい印象を受けました。ただ、そう思って気軽にチャレンジすると意外と難しくて、ボスに負けてしまいました。やり応えもありますね。

前田ありがとうございます。ただ、流石にちょっと難しかったかなという感覚で、初めてプレイする人にも楽しんでいただけるレベルに調整が必要かなと思っています。

川崎そこはぜひ、何度も挑戦していただきたいです。

前田「次やるならこうする!」という考えを持ち帰って何度もプレイしてほしいですよね。でも、(筆者のボス戦は)かなり惜しかったので「もう一押し!」と思いながら見ていました(笑)。もちろんデモ版のボスも上手くプレイすれば倒せるようになっているので、ぜひ挑戦してみてください。

――ボスも手ごわいですがギャグっぽい要素も持っていて、味方となりアニマだけでなく敵キャラクターも含めて全体的に可愛らしい印象ですよね。

川崎グラフィックでは自分が好きなものを表現しているという側面も大きいのですが、やはり「いろんな人に届けたい」と意識して作っています。

――アートはポップなのですが、BGMはかなり軽快で心地よかったです。

前田本当ですか!BGMは友人にお願いしているのですが、喜ぶと思います!実は音楽も、見た目が可愛いのでBGMは大人な感じのジャズっぽい感じにして、バランスが取れるように意識しました。

川崎音楽にも「いろんな人に届けたい」という狙いを込めています。

――今後の予定などを教えてください。

前田今後もイベントには積極的に出展していきたいと思っています。初めてのタイトルなどで、インフルエンサーさんとのコラボなどタイトルを知ってもらうための草の根活動もやりつつ、2人だけの開発チームなので完成もさせないと……という感じです(笑)。

川崎これもバランスを意識しながらですね(笑)。実は来月はgamescomへの出展も決まっています。

前田架け橋ゲームズさんにパブリッシングしていただけることが決まって、より多くの人に届けるチャンスがあるので本当にありがたいです。

――アートもゲーム性も幅広い地域で受け入れられそうなので、海外からの反響も楽しみですね。ちなみにゲームバランスについては前田さんの感覚での調整なのでしょうか。

前田そうですね。繰り返しになりますが、初めてデッキ構築を遊ぶ方を想定すると、もう少し易しくしても良いかなと感じています。今は同ジャンルが好きなユーザー目線での調整になってしまっているかなと。

川崎今回BitSummitに出展してたくさんの人にプレイしていただいているので、皆さんのプレイを見ながらどれくらいの調整にするか悩んでいます。

前田こういう機会は貴重ですね。

――最後に「こういう方に遊んで欲しい」というアピールをお願いします。

前田「デッキ構築を遊んだことがない人」……そもそも「デッキ構築」って言葉が分からないですかね?「新しいRPGを遊びたい人」に、プレイしていただきたいです。

川崎デッキ構築ってなんだろう? と思っている方に遊んでもらえたら嬉しいです!

「大きなイベントも取材も初めてで緊張しています」と話した川崎氏(写真左)と前田氏(同右)

――最近は配信などでデッキ構築型ローグライクを見て「やってみたい」という方も多いかもしれませんね。

前田ぜひリリースを楽しみにお待ちください!


アニマの成長要素やRPGテイストも加わったデッキ構築型ローグライク『シリアルワールド』は、Steamにて2026年発売予定。パブリッシングを架け橋ゲームズが担当しています。

「BitSummit the 13th」では会場1F架け橋ゲームズブースと、「3F-D07」ブースにも出展。どちらのブースでもプレイアブルデモが体験可能です。


ライター:ハル飯田,編集:宮崎 紘輔

ライター/よく遊び、よく喋る関西人 ハル飯田

1993年、大阪府生まれ。一旦は地元で公務員になったものの、ゲームが好きすぎて気付いたらフリーライターに。他メディアではeスポーツ選手や競技シーンの魅力を発信することに注力したり大会でキャスターを務めたりもするのだが、インサイド&ゲムスパではもっぱら好きなゲームについて語ることで安らかな気持ちになっている。

編集/タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

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