会場では、出展タイトルの缶バッジやクリアファイルが「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT 2025（OIGS 2025）」公式グッズとして販売されていました。クリアファイルは柄を選べましたが、缶バッジはなんとランダム！
僕のお目当ては『電気街の喫茶店』で、全70種の中から引き当てるのは至難の業……と思いきや、まさかの一発ゲット！それで運を使い果たしたのか、その後6回引いたうち3つがOIGSロゴの缶バッジでした。
さて、OIGS絵日記・中編では、飲食をテーマにしたタイトルをご紹介します！
◆沸騰のタイミングや抽出時間を見極めて、最高の一杯を淹れる紅茶シミュレーション『紅茶カルテ』
最初に紹介するのは、みやこ出版が手掛ける『紅茶カルテ』！本作は、余命宣告を受けた青年「ヨル」と高校生「チヒロ」の2人の日常を描いたシミュレーションゲームだ。
テキストを読み進めていくノベルと、紅茶を淹れるキッチンの2つのパートに分かれて進行していく。
キッチンパートでは、お湯を沸かし、茶葉をパックに入れ、ヤカンに投入して、タイマーで抽出時間を管理するという細かな工程を経て紅茶を淹れる。
といっても複雑な操作はなく、マウスクリックやドラッグ&ドロップでササッと行える。難しいのはタイミングだ。沸かしたお湯の火をいつ止めるのか、茶葉をヤカンに入れて抽出を何秒間行うのかが重要になる。
紅茶を淹れ終わると味の評価が行われる。「抽出時間が長すぎたかも」「沸騰したらすぐ火を止めた方が良さそうだ」など、試行錯誤を重ねながらベストなタイミングを探っていく。ただしキッチンパートは無制限に遊べるわけではないため、限られた回数の中で「このくらいかも」と見当をつけて正解に近づけていく必要がある。
最初は180秒ほど抽出していたのを30秒に減らしたり、お湯をグツグツに沸かしていたのを低温にしたりと、紅茶のことは全くわからないながら試行錯誤が楽しい。毎回まずい紅茶を飲まされるチヒロくんは、たまったもんじゃないだろうけど……！
体験版が配信されているので、君もベストな紅茶を淹れてみよう！
◆I LOVEラーメン、座敷わらしな彼氏とラーメン作り『座敷童カレシILOVEラーメン』
次に紹介するのは、荒川ぬぬ氏が手掛ける『座敷童カレシILOVEラーメン』！本作は、ラーメン作りパートのある恋愛ノベルゲームだ。
来週にオープンを控えた「ささみウママ亭」。店主のささみは、伝説級のスーパーラーメン職人に憧れて一年の修行を積み、ようやくオープンにこぎつけたのだ。そんなとき、開店前の店に一人の男がやってくる……。
「ラーメンを舐めるんじゃねぇ！！！」怒声とともに現れたのは、おかっぱ頭のイケメン、毬鈴（マリリン）だ。ラーメンのスペシャリストを自称する彼は、ささみを舐め腐った素人と断じ、店の味噌ラーメンを食わせろと言い放つのだった。
マリリンは激辛好きなんだけど、胃と肌が弱いので普段は辛いものを控えているようだ。今回彼が注文したのは「麺は普通、スープも普通の味わいのもの」「トッピングのネギは少なくも多くもない丁度いい量」だ。
ラーメン作りの前に、ちょっとした会話も可能だ。オシャレさを褒めたり化粧の濃さを突っ込んだり、なんとナデナデしたりも出来ちゃうぞ！
辛さやネギの量は、タイミングよくゲージを止めるミニゲームになっている。速度はゆっくりなので狙った場所で止めるのは容易いんだけど、今回はマリリンが怒っている顔が見てみたいので、麺硬め＋スープは激辛、トッピングは全部乗せでネギは超大盛りだ！
注文無視にはご立腹だったけど、キムチの味についてはしっかり評価してくれていた。マリリンの優しさにちょっとキュンとなる……！
ちなみにラーメンを作っているときは、クセになるテーマ曲「座敷童カレシマリリン！！」が流れているぞ！
その後、会場を練り歩きながらも、頭の中では「座敷童カレシマリリン！！」が止まることなく鳴り響き続けた……！
『座敷童カレシILOVEラーメン』はノベルゲームコレクションで配信中！
◆何を注文しても「合言葉」になっちゃう謎喫茶店ADV『アイアイ喫茶』
最後に紹介するのは、麺屋すぱいす 東京支店が手掛ける『アイアイ喫茶』！本作は、何を注文しても「合言葉」になってしまう謎の喫茶店が舞台のマルチエンド型アドベンチャーゲームだ。
この喫茶店では、アイスコーヒーを頼んでもメロンソーダを頼んでも、何を注文しても「奥の部屋に通される裏メニュー的な合言葉」として物語が進行していく。
主人公は、喫茶店で合言葉を使うような裏の世界の住人ではない。定食屋でたまたま「ステーキ定食を弱火でじっくり」と注文したらハンター試験会場に連れて来られたようなもんだ。
普通にハムチーズサンドを注文してるだけなのに、店員のお姉さんが真顔で注文を復唱している。何も知らない主人公（とプレイヤー）との温度差が面白い。
通された奥の部屋で再び合言葉を言うんだけど、偶然は二度も続かなかったのか、そのまま帰されてエンディングを迎えた。
あのとき別のものを頼んでいたら、違う展開になったのかも。1周にかかる時間はわずか5分ほど。周回プレイ前提のテンポのよい作りなので、サクッと楽しめる作りになっている。
本作は既に発売中なので、奥の部屋が気になる方はプレイしてみよう！
今回は飲食をテーマにした3タイトルをご紹介しました。どれも三者三様、全く違った方向に尖りまくった飲食ゲームでした。OIGS絵日記は次回がラストになります。次は獣っ子特集でお送りします！
