いよいよ本日4月24日に発売した、VRゲーム『リトルナイトメア VR Altered Echoes(リトルナイトメア VR オルタード・エコーズ)』。
本作はホラーゲーム『リトルナイトメア』シリーズ初のVRゲームで、バンダイナムコエンターテインメントがパブリッシャーを、ICONIKが開発を担うサスペンスアドベンチャーゲームです。『リトルナイトメア』の恐怖の世界を子供の視点で体験できる、シリーズファン待望のスピンオフとなっています。
今回、Game*Sparkではそんな『リトルナイトメア VR Altered Echoes(以下、リトルナイトメア VR)』の発売に先駆け行われた、メディア向け体験会に参加してきました。本稿ではそのレポートをお届けします。
そもそも『リトルナイトメア』とは
まずは、サスペンスアドベンチャーゲーム『リトルナイトメア』のシリーズについて軽く振り返りましょう。シリーズ1作目となる『LITTLE NIGHTMARES-リトルナイトメア-』は、2017年に発売されました。
大きな恐ろしい敵が巣食う、巨大船舶に閉じ込められた少女「シックス」が船からの脱出を目指して、ステルスやパズル、ジャンプアクションの逃走劇を織り成します。

やや奥行きのある横スクロールのシステムとなっているため、基本的に左右のどちらかに進むことによってゲームが進行するシンプルな構成で、初心者でもプレイしやすくなっています。
また子供視点で感じる大きな敵という構図によって“追いかけてくる巨大な敵と、逃げる小さいプレイヤー”という構図が横スクロールの画面で決まりやすいことから、ゲームクオリティの高さだけでなく、実況プレイやSNSでの切り抜きなどでも大いに話題となり、ホラーゲーム界の確固たる地位を確立しました。

2021年には続編『リトルナイトメア2』が発売。実際は1人プレイではあるものの、2の主人公「モノ」と前作主人公「シックス」が協力する疑似的な協力プレイが大きな特徴となりつつ、前作を正当進化させたゲームプレイが高い評価を得ています。
そして2025年には『リトルナイトメア3』が発売され、正式に2人プレイに対応したゲームプレイになりました。
主観でリトルナイトメアの世界に浸ろう
このたび発売した『リトルナイトメア VR』は、そんなシリーズ作の中でも『リトルナイトメア2』を基にしており、『2』の世界を本編とは別の視点での冒険と、本作オリジナルのロケーションで構成された舞台で起こる逃走劇が楽しめます。
今回の体験会では、『2』のステージ「放送局」をアレンジしたものと、本作オリジナルのステージ「駅」をPlayStation VR2版でプレイできました。
まず、何より最初に抱いた印象は「『リトルナイトメア』の世界とキャラクターがはっきりと見える!」ということ。
『リトルナイトメア』シリーズは横スクロールなので遠くから俯瞰する視点が中心であり、そうした視点でも主人公たちはとても小さく至近距離で見られる機会はまずないことから、筆者はこれまでキャラクターたちをレインコートや紙袋などのコスチュームとシルエットだけでぼんやりと認識していました。

しかし『リトルナイトメア VR』では、カットシーンでキャラクターたちと同じ子供の視点で主人公たちをこれまでにない近い距離で見ることができ、「モノとシックスの顔が見える!」という驚きがあります。
そして同様に、プレイヤーを追いかけてくる敵たちも、子供の視点で見れるので、「これは子供からすれば、たまったものではないな」と命の危機を感じながら、子供である主人公たちの境遇の苛烈さと勇敢さをしみじみと実感できるのです。

懐かしさを覚える『リトルナイトメア2』の再現
また『リトルナイトメア VR』に収録されている『2』のアレンジ場面は、原作をそっくりそのまま再現しているわけではなく、オリジナルのギミックも登場しています。
虚空に浮かぶ階段の景色や、数多く並んでプレイヤーを惑わせる扉は、『2』をプレイしたときの記憶を蘇らせてくれました。


一方、本作では『2』の放送局にはなかった仕掛けも出てきます。光に当てられた人間が石化してしまう光線を放ってくる目玉や、複数の電源ケーブルを繋ぐことで開く扉、プレイヤーを切り裂かんとするプロペラなどです。
ステルス系の仕掛けは移動としゃがみで対処できますが、排気口を塞ぐ木の板をハンマーで壊したり、遠くにあるスイッチに向かってモノを投げて作動させたり、といった体感アクションもあります。プレイヤーが非力な子供であることと、モノが浮上している重力が特殊な空間であるためか動作が少しふらつきますが、これも特殊な環境と、プレイヤーそのものを表現しているのかもしれません。
列車で隠れて追いかけられて
そして、本作オリジナルの舞台である「駅」も見ていきましょう。
しかし考えてみると、本編の横スクロールの視点と、舞台が横一直線になる列車の相性が良さそうにも関わらず、これまでの『リトルナイトメア』に駅モチーフの舞台がなかったことが不思議でもありますね(部分的に電車が出てくる舞台は『2』にありますが)。

先述のように、『リトルナイトメア VR』は主観視点です。そのため『リトルナイトメア』の本編の「右か左のどちらかに行けばいい」で実現されていた、シンプルな“行先の提示”をそのまま実現することはできません。
VRで立体的な空間と進行をつくるとなると、相応に空間設計や誘導の問題が生じます。そこでこの「駅」では、「“列車”という1本道を舞台にしてしまえば、どちらに進むかで迷うことはない」という単純かつ強力な解決策を提示しています。

駅のホームでは巨人たちの人波に潰されないよう列車に乗り込んでいき、その後は天井や壁を這いずり回って列車を監視している巨大な車掌が出てきます。
車掌に気を付けながら客室に入り込み、巨人のために作られた電話のケーブルを辿って天井の排気口に忍び込むなど、縦の空間の広さを生かした目立つ仕掛けも導入されており、「プレイヤーは子供の視点である」ということを身をもって体感させてくれました。

また、この列車はレストランが併設されており、そのための厨房を通らないと先に進めません。しかし、厨房前に腹を空かせたゲストが邪魔をしており、どうやら料理を作って陽動せねばならない様子。
厨房にはレシピ本に鍋、奇妙で毒々しい食材などがたくさんあり、プリプリとして薄暗い生肉や虚ろな目をする魚の頭など、食欲をそそらないような食材を鍋に放り込むことで腹を空かせた客を陽動します。その隙に、ソーセージの束を登って、天井裏に進んでしまいましょう。
これらは筆者が本体験会で一番印象に残ったパートであり、『リトルナイトメア』の世界をVRで表現する主人公の等身の低さがよく現れていると感じました。


そしてこの後、事態の異常さを察した車掌とのステルスが開幕。一般論として、主観視点のステルスだとプレイヤーは「追いかけてくる脅威」の姿が見えた瞬間に、さっさと退散して別方向に走らなくてはいけないため、何かとプレイヤーが“追いかけてくる脅威”をはっきりと視認するのが難しいものです。

そこで、この列車ではプレイヤーは身長の低さを活かし、座席の下に隠れながら、列車の中央を往復する車掌に見つからないよう前に進む必要があります。車掌は床を奇妙に這いつくばるので見つからないとわかっていても、すぐ側をうろつく変な車掌が通り過ぎるのを横目に見て待つのは、VRで一人称のステルスとしてかなり上手くやっていると感じました。
続けて車掌に追いかけられながら汽車の屋根の上を走り抜けるアクションシーンがあり、こういったシーンが本作がホラー一辺倒だけではないことを教えてくれます。
原作ファンならプレイしたい『リトルナイトメア VR Altered Echoes』
『リトルナイトメア VR』は、全体として「リトルナイトメアのあの場面が一人称視点で見れる!」というニーズと、「また新しいリトルナイトメアの舞台がプレイできる!」という新作へのニーズ、その両方叶えるスピンオフであり、そしてそれをVRゲームとして実現できていると感じられました。
もし『リトルナイトメア』本編をプレイしたことがない場合は先に『リトルナイトメア2』をプレイするか、もしくは本作のクリア後に遊んでみることをオススメします。原作再現の様子をVRで見るのと同様に、VRで見た光景が本編のゲームプレイからどのように再解釈されたのかを見届けるのも、満足のいく体験となることでしょう。
『リトルナイトメア VR Altered Echoes』は、PS5 (PS VR2)/ Meta Quest (2, 3, 3S)/Steam VR向けに、本日4月24日より2,700円(税抜)で発売中です。
Little Nightmares (TM) VR: Altered Echoes & ©Bandai Namco Entertainment Europe S.A.S.













