気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Undercoders開発、PC/PS5/Xbox Series X|S/スイッチ2向けに7月15日にリリースされたハチャメチャ電車アクション『電車アタック』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、日本の電車をテーマにしたアクションゲーム。色とりどりの日本のディストピア世界を舞台に邪悪な企業「未来道」を倒すべく、重力をモノともしない電車に個性豊かなはみ出し者たちと一緒に乗り込み、ハチャメチャな冒険に出発します。60以上のステージ、8つの地方、46都道府県が登場。オーリーやキックフリップ、スライディングなどを駆使しつつ、日本の大都市、草地、火山や海を駆け巡ります。日本語にも対応済み。
『電車アタック』は、2,420円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
DavidUndercodersのスタジオディレクターであり、『電車アタック』のディレクターを務めるDavid Jaumandreuです。私たちはバルセロナを拠点とするインディーゲームスタジオで、『電車アタック』以前には『Conga Master』や『Mail Mole』、そして『Koa and the Five Pirates of Mara』といったタイトルを手掛けてきました。
私が一番好きなゲームは、スーパーファミコンの『クロノ・トリガー』です!
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
David私たちがいつもしている本作の簡潔な説明は「日本の電車でやるスケボー」です。『電車アタック』では、プレイヤーが電車でジャンプやグラインド、ドリフト、そしてトリックのコンボを決めながら、ハイスピードで日本全国を駆け巡ります。レースや探索ステージ、サブチャレンジ、収集要素、さらにはライバルギャングのリーダーたちとのボス戦まで用意されていますよ。
当初のアイデアは本当に偶然生まれたものです。私は日本の電車のおもちゃ(タカラトミーの「プラレール」です!)をまるでスケートボードのようにジャンプさせたりグラインドさせたり、フリップさせたりして遊んでいたのです。それがかなり面白い光景だったため、「もしこれをゲームにしたら、操作感や物理演算、ルール、ステージデザインはどうなるだろう?」と考え始めました。
開発チームのメンバーは当初半信半疑だったのですが、簡単なプロトタイプを作ってみたところ、驚くほど楽しく、ひとつのゲームとして完成させられる可能性が十分にあると気づいたのです。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Davidインスピレーションを受けた作品はたくさんあります。トリックやコンボのシステムをデザインする上では『Tony Hawk’s Pro Skater』が欠かせない存在でしたし、ビジュアルや音楽、全体のノリ、セルシェーディングの表現には『ジェットセットラジオ』の影響が色濃く現れています。また、『クレイジータクシー』や『デイトナUSA』、『アウトラン2』といったセガのクラシックなアーケードゲームからも、スピード感やド派手な演出、直感的な楽しさといった面でインスピレーションを得ました。
さらに、『オリオリワールド』や『ローラードローム』、『Thumper』、『Hi-Fi RUSH』、『Bomb Rush Cyberfunk』、そして『ペルソナ5』といった近年のタイトルも参考にしています。日本の鉄道文化をアーケードスタイルに落とし込んだ『電車でGO!』は、言うまでもなく大切な参考資料となりました。キャラクターやストーリーに関しては、「ドラゴンボール」、「ONE PIECE」、「ジョジョの奇妙な冒険」、「頭文字D」、「エア・ギア」など、私たちが大好きなマンガやアニメ作品からそのエネルギーを吸収しています。
私たちの目的は、特定の作品をただ模倣することではありません。これらの作品の何が自分たちをワクワクさせたのかをしっかりと理解した上で、それらのアイデアを「ハイスピードで跳び回る電車」の世界へと落とし込むことを意識しました。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
David最も印象に残っている瞬間のひとつは、2025年のGamescomで『電車アタック』を初公開した時です。私たちは2年以上も極秘で本作の開発を続けていたため、「バカバカしいと思われるんじゃないか」「無反応なんじゃないか」と、ものすごく緊張していました。しかし、本作のトレイラーが流れて会場から歓声が上がった時、チーム全員が安堵と興奮、そして言葉にできない感動を同時に味わったのですいました。
その翌日には、会場で本作のデモ版をプレイするために来場者の方々が2時間以上も並んで待ってくれました。これほど奇抜なコンセプトを人々が即座に理解し、操作感を楽しみ、好意的な反応を示してくれたことは、私たちに絶大なエネルギーを与えてくれました。「こういうゲームが好きな人がちゃんといるんです」とパブリッシャーを説得し続けるのに長い時間を費やしてきたからこそ、あの反響は特に意味のあるものだったのです。たくさんの人が、日本の電車を大好きなんです!
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
David『電車アタック』のリリース以来いただいている反響には、本当に嬉しく思っています。メディアのレビューも非常に好意的で(この回答時点でMetacriticのスコアは88点)、Steamでのユーザーレビューも高評価ばかり(98%が好評)なので、これ以上の喜びはありません。プレイしてくださったすべての方に、心から感謝申し上げます!
日本の電車が大好きで、アクション&アーケードスタイルで操作することを楽しんでくださる方がこれほど多いことにも深く感動しています。一見すると奇妙かもしれない私たちのゲームプレイのアイデアが、多くの方にとって非常に魅力的に映り、楽しんでいただけているようです。また、本作のオリジナルキャラクターやストーリーをとても気に入ってくれている方々の声にも、本当に感銘を受けています。たくさんのファンアートも届いており、マンガやアニメのファンである私たちにとって、これほど嬉しいファンからの反応は他にありません。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Davidリリース後も『電車アタック』の改善、拡張を続けていきたいと思っています。開発期間中には、様々な理由で見送らざるを得なかったシステムやモード、ステージ、ストーリーなどのアイデアがたくさんありました。機会さえあれば、ぜひそれらのうちいくつかを再検討してみたいですね。また、チャレンジの追加や、プレイヤー向けの「コース作成機能」といった可能性についても議論したことがあります。ただ、私たちが使っている複雑な内部ツールをプレイヤー向けに調整するのは、かなり大きなタスクになりそうです。
――本作の日本語対応状況について教えてください。
David日本は本作の舞台であり、キャラクターや物語においても中心となる存在ですから、日本語対応は私たちにとってもちろん非常に重要なものでした!テキストが完全に日本語化されているだけでなく、ボイスも英語に加えて日本語で全編収録されています。
カットシーンにはオリジナルの日本語ボイスが収録されており、武田華さん、新井笙子さん、佐久間元輝さん、岡井カツノリさん、ニケライ・ファラナーゼさんといった、非常に豪華な声優陣に参加していただけたのは本当に幸運でした。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Davidもちろんです!プレイヤーの皆さんの配信を見ること、そして皆さんの『電車アタック』での体験を共有していただけるのを心から楽しみにしています!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
David『電車アタック』に関心を寄せていただき、本当にありがとうございます!私たちが初めて日本を訪れたのは1998年のことでした。ありがたいことに、それ以来長年にわたって何度も日本を訪れることができ、様々な都道府県を巡りながら、言語や文化、鉄道、食事、そして人々について知り、旅の中ではたくさんの友人を作ることもできました。
日本は私たちを温かく迎え入れてくれて、素晴らしいインスピレーションを与えてくれた場所です。だからこそ、日本全国を巡るこの冒険を描くことは、私たちにとって非常に意味深い体験となりました。
日本のプレイヤーの皆さんには、実在する電車や風景、音、そして文化的な元ネタを発見して楽しんでいただきつつ、全国の鉄道路線網をひとつの巨大なスケートパークに変えてしまうような、私たちが用意したハチャメチャで驚きに満ちたシチュエーションの数々も楽しんでいただけたら嬉しいです。
プレイしてくださり本当にありがとうございます。それでは、最高の電車の旅をお楽しみください!
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に1,000を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








