
先日、『アーマード・コア』シリーズへの独自の視点からの言及をきっかけに、多くの日本人から「ロボゲー・ロボアニメ詳しすぎな外国人」として知られるようになったオリー・バーダー氏。実は、氏はゲームやアニメを中心として日本サブカルを海外に長年伝えてきた記者であり、様々なタイトルにかかわってきたゲームクリエイターでした。
弊誌の取材に対して、そんな氏がこぼした最近の悩みと言えば「ロボゲーを作らせてくれるスタジオが見つからない!」ということなのだそう。そこで、本稿では、氏の文章を通じて、氏のもつ「ロボゲー・ロボアニメ」への視点や美学の一端をお伝えしていきたいと思います。
『スーパーロボット大戦Y』で愛しのヴェルビンが帰ってきた! そして素晴らしいDLC
先週は『スーパーロボット大戦Z』シリーズについて詳しく取り上げましたが、今回は大規模な最新アップデートとDLCが配信されたことを受けて、シリーズ最新作の『スーパーロボット大戦Y』について取り上げる価値があると思いました。
『スーパーロボット大戦』シリーズは、2017年の『スーパーロボット大戦V』以降、正式に英語でプレイできるようになりましたが、実は、大規模な海外プロモーションを伴う本格的な多言語展開が行われた最初の作品は直近の『スーパーロボット大戦Y』からでした。
2019年の『スーパーロボット大戦T』の時点ですでに、『スーパーロボット大戦』シリーズは日本国内よりも海外で多く売れるようになっており、その傾向は『スーパーロボット大戦Y』でも続いています。
より初心者向けに作られたゲーム

昨年『スーパーロボット大戦Y』をレビューした際、私が最も強く感じたのは、ゲームのUIや導入部分の多くが簡略化され、新規プレイヤーがより簡単にシリーズへ入れるようになっていたことでした。
これは『スーパーロボット大戦Y』に複雑さがないという意味ではなく、ゲームを始めたばかりの段階で、より遊びやすくしたのは賢明な判断だったと思います。
日本ではあまり知られていないかもしれませんが、『スーパーロボット大戦30』のような作品は、海外のゲーマーから、UIが過剰に作り込まれていて非常に複雑だという不満が出ていました。
個人的には、こうした評価に同意したことはありません。むしろ、以前の『スーパーロボット大戦』シリーズのUIのほうが、よりスタイリッシュだったと感じていますが、残念ながら海外では私は少数派です。
それに対して、『スーパーロボット大戦Y』のUIは非常にシンプルで、その結果、新規プレイヤーにとって格段に分かりやすくなっています。また、簡略化されたのはUIだけではなく、変形可能なユニットは一定の距離を移動すると自動的に変形するようになっています。
以前の作品では、メカをどの形態にするかを手動で選択する必要があり、移動を終えた時点でメカがどの形態になっているかによって、使用できる攻撃の種類も変わっていました。
こうした変更が行われた理由は理解できますが、以前の作品をプレイしてきた私にとっては、ゲームの戦略を組み立てる際の新しい考え方を受け入れるまでに、しばらく時間がかかりました。
ヴェルビンの帰還

以前のコラムでもお話ししましたが、「AURA FHANTASM」版のヴェルビンのデザインには、私が育ったイギリスの村と独特なつながりがあります。
今回のヴェルビンは『スーパーロボット大戦T』に登場したものと同じで、「聖戦士ダンバイン」の終盤でビルバインが使用していた、より落ち着いた青と緑のカラーリングになっています。
『スーパーロボット大戦Y』においては残念ながら、ビルバイン側にはこの別カラーが用意されていませんでした。ゲームマップ上で各ユニットをより明確に見分けられるようにするためだったのではないかと推測しています。
いずれにせよ、「聖戦士ダンバイン」のメカには非常に多くの愛情が注がれており、それはいつも私を嬉しい気持ちにさせてくれます。
しかし、私にとって『スーパーロボット大戦Y』を本当に際立たせていたのは、数多くの無料アップデートと有料DLCパックでした。
Hi-νガンダムとナイチンゲールの帰還

おそらくご想像の通り、私は出渕裕さんのメカデザインが大好きです。Hi-νガンダムは、私が歴代のガンダムの中でも特に好きなデザインの一つです。サザビーも大好きですが、私はナイチンゲールのほうがずっと好みです。見た目のインパクトがはるかに強く、シャアというキャラクターにも非常によく合っているからです。
これらの機体もゲームのDLCの一環として追加され、アメリカで非常に人気の高い「THE ビッグオー」のような作品も復帰しました。
『スーパーロボット大戦Z』シリーズで「THE ビッグオー」が常連作品だったこともあり、再び登場したのは本当に嬉しかったです。残念ながら、イギリスのアニメファン仲間の間では、しばらくの間、私のあだ名が「ビッグオー」になっていました。メカアニメのタイトルというだけでなく、私の名前がオリーで、当時の私はかなり……大きかったからです。その後、かなり体重を落としました。
DLCの展開方法やミッション構成は、すでに『スーパーロボット大戦30』で先駆けて導入されていましたが、『スーパーロボット大戦Y』ではそれをさらに大きく発展させ、海外でもゲームの新鮮さを維持していました。
例えば、最新かつ最後のDLCパックには、「機動戦士ガンダム 水星の魔女」のガンダム・キャリバーンが登場します。個人的に「水星の魔女」は本当に大好きでしたし、アメリカなどでも非常に人気がありました。
また、「水星の魔女」に関しては、ストーリーの多くにウィリアム・シェイクスピアの戯曲「テンペスト」の要素が取り入れられていたことも、その人気を後押ししたと思います。ガンダム・キャリバーンは、まさにその好例です。
いずれにしてもここで重要なのは、『スーパーロボット大戦Y』が定期的なアップデートによって間違いなく恩恵を受けていたということです。海外ではメカアニメのファン層が徐々に拡大しており、こうしたゲームをもっとプレイしたいという需要があるからです。
いつものことながら、次の『スーパーロボット大戦』が待ちきれない
私自身、もう何十年にもわたって『スーパーロボット大戦』シリーズをプレイしてきましたが、『スーパーロボット大戦Y』は、シリーズが今後海外で展開していくうえで、非常にしっかりとした基盤を築いたと感じています。
『スーパーロボット大戦』シリーズが海外プレイヤーに合わせることを気にする必要はないと思いますが、ゲームを簡略化し、より遊びやすくすることに重点を置いたのは、間違いなく賢明な判断だったと思います。
個人的には、今後の作品でもっと「蒼き流星SPTレイズナー」や「超獣機神ダンクーガ」を見たいですし、ビルバインも終盤の正式な青と緑のカラーリングで登場してほしいです。また、オンラインマルチプレイを現代的な形で取り入れ、プレイヤー同士がそれぞれお気に入りの強化したメカを編成して戦うような仕組みが登場する可能性にも注目しています。
さらに、地形やマップの構成が戦略にもっと大きな影響を与える作品も見てみたいです。これは近年の『スーパーロボット大戦』シリーズが簡略化しすぎている部分だと思いますし、海外のゲーマーも間違いなく、より変化に富んだ地形を歓迎するでしょう。
とはいえ、私はただ次の大きな新作『スーパーロボット大戦』を楽しみにしています。過去の『スーパーロボット大戦Z』作品のリマスターも控えていますが、それでもこのシリーズには新作を作り続けられるだけの勢いが十分にあると思います。特に今では、海外にも成長を続ける非常に熱心なファン層がいるのです。
オリー氏とともに「ロボゲー」を作ることに興味のあるスタジオや団体は、この記事の末尾にある氏のプロフィールから個別に問い合わせていただけますと幸いです。








