8月14日に発売された『Low-Budget Repairs』は、1990年代のポーランドでリフォーム業を営む一人称視点のシミュレーションゲームです。
プレイヤーに求められるのは、完璧な仕事ではありません。客にバレない範囲で手を抜きつつ、さまざまな現場のリフォームを進めていくことです。
依頼先は一般住宅にとどまらず、刑務所や火事になった消防署まで登場。本稿では、そんな本作のプレイレポをお届けします。なお、執筆にあたってはパブリッシャーよりゲームの提供を受けています。
部屋中を散らかして雑にリフォーム
本作の基本的な流れは、依頼を受けて現場へ向かい、指定された作業を終えて報酬を受け取るというもの。
現場では、壁の塗装や古い家具の撤去、掃除など、依頼に応じた仕事をしていきます。塗料や家具が必要になったら、ホームセンターで購入して車に積み込み、現場まで運んでいきましょう。


リフォームゲームと言っても、部屋全体を完璧に整える必要はありません。家具が雑に置かれ、室内がめちゃくちゃな状態でも、指定された条件さえ満たせばリフォーム成功となります。
基本的には画面に表示された目標に沿って作業し、その中で丁寧に仕上げるか、材料費をケチって雑に仕事を終わらせるかを考えていきます。悪徳業者として何でも好き勝手にできる作品を想像していると、少し方向性が異なるでしょう。

ピッキングで金品を物色、無資格の電気工事で感電!
本作最大の魅力は、一般的なリフォームシミュレーションでは考えられない依頼や体験が待っていることです。
依頼先で鍵のかかった扉を見つけたら、ピッキングで解錠。室内に金があれば、そのまま懐へ入れられます。依頼人の家を修理するどころか、金品まで物色する、職人らしからぬ行動が可能です。
電気工事も専門業者には任せません。資格を持たない主人公が自ら作業を行い、ヒューズの抜き忘れなど手順を間違えれば容赦なく感電します。プレイヤーの相棒となるのも、電気工事中に感電死した幽霊でした。


仕事場も一般家庭だけではありません。刑務所のリフォームを任されたり、火事になった消防署へ出向いて消火と後片付けを行ったりと、依頼先は多岐にわたります。
本来なら火災現場へ駆けつける側の消防署が燃えており、なぜかリフォーム業者が消火を担当。そんな常識外れの展開が次々と飛び出す点は、素直に楽しめました。

リフォームの途中で、邪魔なソファを窓から放り投げるよう指示されることも。大きな家具を丁寧に運び出すのではなく、そのまま窓から屋外へ投棄する豪快さは、本作を象徴する場面のひとつでした。

単調な作業と分かりにくい日本語翻訳
本作をプレイしていて気になったのは、家具の組み立てをはじめとした作業の単調さと、日本語翻訳の品質です。
家具を組み立てる際は、画面に示された箇所を順番にクリックしていきます。部品の向きや位置を自分で調整することはなく、ネジなどの指定された場所を、完成するまでクリックし続けるだけです。
掃除や塗装についても、依頼先が変わっても作業内容は大きく変わりません。依頼は一定数収録されており、ボリューム不足とは感じませんでした。ただ、一部の依頼の設定がユニークなだけに、一般家庭でのリフォーム作業にも、もう少し変化がほしいところです。

また、日本語翻訳にも不自然な文章が目立ちます。会話だけなら意味を推測できますが、表示されるミッションの目標まで理解しづらくなっている場面がありました。
何をすれば仕事が進むのか分からず、周囲のオブジェクトから目的を推測し、手探りで作業を進める場面も少なくありません。
ゲームを進めるために必要な情報まで読み取りにくくなっているため、日本語翻訳には改善の余地があると感じました。
『Low-Budget Repairs』は、自由な施工よりも、珍妙な依頼とユーモアのある悪ノリを楽しむリフォームシミュレーションです。作業は繰り返しとなるものが目立ち、日本語翻訳にも分かりにくい部分があります。
それでも、依頼人の金品を盗み、無資格で電気工事を行い、火事になった消防署を消火するような展開には、本作ならではの面白さがありました。
アップデートで作業などの自由度が増せば化ける可能性を秘めているとも感じさせてくれるので、今後に期待したいタイトルです。
『Low-Budget Repairs』は、PC(Steam)向けに2,500円で発売中です。













