アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。
ゲーマーのみなさんに古今東西の素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。
今回取り上げるのは、1996年9月27日にセガサターンで発売され、2026年9月27日に30周年を迎える『サクラ大戦』です。

今年でシリーズ30周年!
『サクラ大戦』は、セガ(当時はセガ・エンタープライゼス)が手がけるドラマチックアドベンチャー。原作・総合プロデューサーに広井王子氏、キャラクターデザインに藤島康介氏、構成・脚本にあかほりさとる氏、そして作曲・音楽監督に田中公平氏と、超豪華な制作スタッフが勢揃いした作品です。
ゲームの舞台となるのは、蒸気機関が発達した架空の【太正】時代。
帝都・東京の平和を守るべく結成された秘密組織「帝国華撃団」が活躍する作品で、昼間は大帝国劇場のスタァとして舞台に立つ「歌劇団」、有事には霊力を武器にして戦う「華撃団」として、さまざまな物語や戦いを描いています。



主人公となるのは、帝国海軍の大神一郎少尉。士官学校を首席で卒業した大神は、その才能を見込まれ20歳という若さで帝国華撃団の隊長として抜擢されることになります。プレイヤーは、大神を操作しながら、華撃団のメンバーと交流し、帝都を脅かす異形の魔物や恐るべき組織などの脅威に立ち向かわなければなりません。
華撃団は戦闘で、蒸気を動力とする「霊子甲冑」に乗るのですが、動かすためには霊力が必要です。この世界で高い霊力を持つのは女性が多いため、華撃団の団員は若い女性が選ばれています。
その中で、男でありながら霊子甲冑を動かせるほど高い霊力の才能に恵まれた、大神が隊長として赴任する場面から物語は始まっていきます。



『サクラ大戦』はその後もシリーズが続き、さまざまな舞台で新たな戦いが描かれました。また、ゲームだけでなくアニメやラジオ、舞台など多彩なメディアミックスもあり、多くのファンを生み出した作品です。
シリーズ30周年を記念して、公式サイトの特設コンテンツや記念展の開催といったイベントも行われます。
太正桜に浪漫の嵐!
『サクラ大戦』は章仕立てでストーリーが展開し、それぞれの章はアドベンチャーパートと戦闘パートに分かれています。
第1話は、突如として上野公園に現れた機械兵器を、謎の少女が一刀両断する導入で幕開け。その後、物語は大神が帝国華撃団の隊長として上野公園で迎えを待つ場面へと移ります。
上野公園で待っていたのは、帝国華撃団・花組の新人隊員である真宮寺さくら。彼女に案内された「大帝国劇場」では神崎すみれ、マリア・タチバナ、アイリス(イリス・シャトーブリアン)と出会います。その後、上官である米田一基中将からは、劇場のモギリとしての任務が与えられます。





米田によれば、彼女たちは「帝国華撃団」ではなく「帝国歌劇団」とのこと。想像していた仕事とまったく違うことに落胆しつつも、持ち前の真面目さでモギリや雑用の役割をこなす大神。
舞台の練習をする隊員たちと交流していく中で、突如として劇場に警報が鳴り響き、今度こそ大神はここに配属された本当の理由を知ることになります。
劇場の地下は、巨大な設備が整った作戦本部となっていました。普段は「歌劇団」として活躍する隊員は、帝都を脅かす魔の脅威が現れた際に戦う「華撃団」でもあったのです。大神は秘密組織の隊長にふさわしいかをテストされており、あらためて隊長としての任務に就くことになります。





大神と隊員たちは、霊子甲冑・光武に乗り込み、帝都の転覆を目論む「黒之巣会」へと立ち向かうことに。こうして、大神一郎の長い戦いの歴史が幕を開けるのです。




プレイヤーの瞬時の判断が大切な「LIPS」
本作の特徴的なシステムとして、キャラクターとの会話中に現れる「LIPS(Live & Interactive Picture System)」があります。これは、会話中の選択肢を制限時間内に選ぶというもの。選択肢によっては1秒くらいの短い時間で判断しなければならない場合もあり、もちろん選択によって結果は変化します。
『サクラ大戦』ではメイン隊員に信頼度が設定されており、アドベンチャーパートなどで交流していく中で、その数値は大きく変化。
キャラクターごとに性格が違うので、求める答えの方向性は異なります。その多くはLIPSで選択することになるのです。ときには制限時間切れ(無言)が正しい場合も……。





アドベンチャーパートでは、自由に劇場内などを探索する時間もあります。劇場では隊員の部屋や舞台袖、サロン、食堂などに隊員がいればイベントが発生。
ただし、メインストーリーに関わるものは場所がわかりますが、基本的には誰がどこにいるかわかりません。もし狙いのヒロインがいる場合は、直前のセーブからやり直す必要があるかも?
本作で注目してほしいのは、その映像やアニメーションのクオリティの高さ。特にアドベンチャーパートでは、イベントごとのスチルも多く、選択肢によって変わるものもあります。
セリフも豪華声優陣によるボイスが堪能できますし、なにより背景で流れる田中公平氏の音楽が最高です。




途中からは李紅蘭、桐島カンナも隊員として合流し、ストーリーでは、帝都の危機とともに隊員たちの素顔が見えるような物語も展開していきます。大神は、隊長として彼女たちを支えていかなければならないのです。もちろん、信頼度を上げていくことで恋愛にも発展していきますよ!






『サクラ大戦』といえば「かばう」ですよね
戦闘パートでは、最大7人のキャラクターを操作して敵と戦うことになります。戦闘はいわゆるターン制の戦略シミュレーションで、各ユニットは自分の手番で移動・攻撃・防御などのアクションを2回選択可能です。
また、戦闘ではゲージを貯めることで、各隊員の持つ「必殺攻撃」が発動できます。必殺攻撃は範囲攻撃や強力な単体攻撃、回復などの効果を持ち、いずれも効果は絶大。ゲージは専用のためるコマンドを使うか、敵の攻撃を受けることで上昇していきます。





本作の戦闘には、レベルの概念はありません。そこで重要なのが「信頼度」で、そのシナリオで稼いだ信頼度が、そのまま隊員のステータスボーナスに繋がるのです。シナリオで主役となるキャラクターは、自然とその話の戦闘で大活躍できますね。
さらに、特定の条件を達成することで、大神とその隊員は「合体攻撃」を繰り出せます。



戦闘は決して難しくありませんが、敵の集中しているエリアや罠では大ダメージを受ける可能性もあります。
大神は特別なコマンドとして「かばう」を持っていて、これは指定した隊員が受けるダメージを防ぎ、信頼度もアップするという超優秀な能力です。回数制限はありますが、本作を象徴するといっても良いスキルですね。





『サクラ大戦』の世界を堪能してほしい
『サクラ大戦』の物語は『サクラ大戦2』に続き、さらに舞台を巴里に移した『サクラ大戦3』、全メンバーの集結する『サクラ大戦4』へと展開していきます。
さらに主人公を変更した『サクラ大戦V』、10年以上ぶりにシリーズを復活させた『新サクラ大戦』が登場し、長い30年の歴史を彩ります。
もちろんゲーム本編以外の要素も欠かせません。外伝として非常に多くのファンディスクやパズルゲームも発売され、作品の世界をさらに膨らませました。当時はニッポン放送でラジオ番組を放送していたり、OVAを含むアニメがあったり、さまざまなメディアで『サクラ大戦』が活躍しています。
そんな中で、やはり欠かせないのが「歌謡ショウ」でしょう。担当声優たちがそのままキャラクターの役として登場し、花組の日常や、歌劇団としての劇を実際に行うこの舞台は、多くのファンを魅了しました。他にもライブやコンサートなども行われていて、2026年7月にも、第1話の上野公園でライブが実施されました。
筆者は当時、すでに地方住まいだったこともあり、残念ながら歌謡ショウには実際に行くことができませんでした。そんな中でいくつかの舞台はブロードバンド配信されたので、オンラインで見ることができました。
当時は決してネット環境が良くなかったのですが、それでも憧れた歌謡ショウを見られたのは思い出深いですね。


現在は「dアニメストア」などのアニメ配信サイトで過去の舞台を見ることができますし、多くの音楽配信サイトでは楽曲を聴けます。素晴らしい時代です。あとは過去作を含めたゲーム本編を現行機で気軽に遊べる時代が来たら嬉しいですね!
今回は第1作『サクラ大戦』を紹介するとともに、30周年を迎えたシリーズ展開のほんのごく一部を紹介しました。筆者はシリーズのファン(そして広井王子氏の大ファン)なので、この連載でも後のシリーズも紹介していければ嬉しいな、と思います!













