9月11日より早期アクセスを開始し、11月現在はシーズン2が展開中であるBULKHEAD開発のTeam17パブリッシュによるミリタリーサンドボックス型大規模戦闘FPS『WARDOGS』。今回、本作のゲームキーを提供いただいたため、実際にプレイした感想を交えながら、そのレポートをお届けします。
『WARDOGS』とは?
本作は、256平方キロメートルのマップが戦場となり最大100人対戦ができるミリタリーサンドボックス型FPSです。プレイヤーは「Lonestar」や「Valkyra」、そして「Manticore」の3陣営のうちの1つに所属し、4平方キロメートルのコントロールゾーン内でポイントを稼ぎながら戦闘や輸送、建築、治療、偵察など様々なロールを行いチームの勝利を目指します。

最大100人が参加する大規模戦闘という点から、『Battlefield』シリーズのようなカジュアルな対戦FPSを想像するかもしれません。しかし、実際にはシビアなバトルバランスによって成り立つ、ミリシム要素の色濃いタイトルです。
敵との交戦距離は100m以上になることも多く、遠方にいる敵の姿は豆粒のように小さく見えます。加えて、銃器は使用する弾薬と弾倉を組み合わせなければ銃を撃つことができず、装備を収納するバックパックも、弾倉が占有するスペースを考慮して管理しなければなりません。敵から銃撃を受ければ瞬く間に倒されてしまいますし、スコープ付きの銃器でないと視認性の点で有利が取れないほどです。

プレイヤーには、行動内容に応じた6種類のロールレベルが用意されています。前線で戦うアサルト、味方を治療するメディック、双眼鏡などで敵を発見するリーコン、拠点を建築するサポート、味方や物資を車両で運ぶドライバー、味方の輸送や敵の撃破を担うパイロットです。プレイヤーが各ロールに応じた行動を取ることで、それぞれの技能に経験値が加算されます。そして、各技能のレベルを合計したものがWARDOGレベルとなり、一定のレベルに達すると新たな武器や弾薬などが解放できるようになります。

もう一つの重要な要素が拠点構築です。コントロールゾーン内に前線基地となるFOBを建設し、防御陣地を整えることで、攻撃や防衛の拠点として機能させられます。また、リスポーン可能な車両を配置すれば、本部から戦場へ迅速に移動して攻勢を継続することも可能です。さらに、防御陣地を建築するには資材が必要となるため、資材を運ぶ輸送役も重要になります。
このように、本作では戦闘だけでなく、輸送と建築も重要な役割を担っており、この3つの要素が連携することで試合が進行していきます。

1試合1~2時間にも及ぶ長時間対戦
本作ではサーバーブラウザから参加する試合を選びます。空いているサーバーを見つけて入ればゲームプレイ開始です。プレイ開始前に所属する陣営を1つ選びますが、人数の偏りを防ぐため、最もプレイヤー数が多い陣営には参加できず、比較的少ない陣営を選ぶ形式となっています。
試合は一定数のプレイヤーが集まると開始されるため、すでに進行している試合に途中参加するケースは少なく、どのサーバーを選んでも試合序盤から参加できることが多い印象でした。
装備はレベルに応じたアンロックだけでなくアンロック資金を投じることで初めて購入可能になります。プレイヤーのレベルに応じて徐々に強力な装備が開放され、一度開放した装備類は次から低価格で購入できます。また、無料で入手できるライフルやポーチ類も用意されています。そのため、資金が底をついた場合やプレイを始めたばかりの段階でも、最低限の装備を整えて戦場に参加できます(レベルが低い状態だと新兵特典として装備の割引もある)。


リスポーン地点となる車両や、味方が操縦する輸送ヘリなどに同乗してコントロールゾーンへたどり着くと、その後の行動は比較的自由です。味方のFOB周辺を歩き回った後、ホットゾーンへと向かいます。しかし、敵との交戦では相手の姿が豆粒ほどにしか見えず、まともに反撃できないまま倒されてしまいました。その後、本拠地へリスポーンしてから再び戦場へ向かうことになります。
復活してから各陣営のポイントの変化を確認してみると、ほとんどポイント数が変わっていませんでした。このポイント数が変わっていなかったのを見た時に、ゲームの進行が予想以上に長くなることに気づいた瞬間でした。
これまでのゲームプレイを思い返してみれば、ゲームプレイの大半は移動時間でした。しかし、スプリント可能時間は比較的長く、移動そのものに不自由さを感じることは多くありません。ゆったりと時間が流れるものの、敵から狙われ攻撃される緊張感は持続しているために、我に返るような瞬間が少ない、他では代えがたい体験でした。

プレイヤーは4平方キロメートルの広大にも感じるコントロールゾーン内を移動して戦いますが、敵陣営のプレイヤーが一か所に密集して攻めてくるわけではありません。各々隠れながら移動し、高所に陣取ってスナイプを繰り返しているプレイヤーもいます。FOBに対して迫撃砲や攻撃ヘリによる攻撃が断続的に行われたり、敵が拠点を構築して攻め込みにくくなったりすることもあります。


こうした状況が続くため、試合終盤までほとんど戦況が動かないことも珍しくありません。加えて、長時間にわたって戦闘を繰り返すなかで、敵の銃撃や攻撃ヘリによる襲撃、迫撃砲の砲撃などで何度も倒されていると、当然ながら装備の購入などで資金面も厳しくなっていきます。そうなると、戦闘でキルを重ねるだけでなく、輸送や建築、味方の蘇生などの行動にも目を向けるようになり、役割分担や行動の変更を自然と意識するようになりました。





特に試合の長さを実感したのは、各陣営が勝利を目指してドリルタワーやドリルリグを起動し、ホットゾーンが北や南へと移動していく場面です。実際に、自陣営が勝利まであと10ポイントという状況から、敵陣営がドリルリグを起動して試合に勝利するまで、30分以上かかった試合もありました。こうした試合展開から1プレイ1~2時間かかることを考えると、本作は短時間で気軽に遊ぶというよりも、まとまった時間を確保してじっくり取り組む必要があるタイトルだと感じました。
RPG的なリソース管理にも感じる『WARDOGS』のレベルや収支システム
本作のレベルシステムは、単にプレイヤーの成長や装備の強化を促すだけのものではありません。ゲームプレイを重ねるに従って、戦闘以外の行動も評価される仕組みになっていることが分かりました。
その理由は、FPSの対戦がそれほど得意ではない筆者でも、戦闘以外の行動を通じて着実にWARDOGSレベルが上昇することを実感したからです。戦闘した場面は多くなく、他のプレイヤーをヘリで何度も輸送したり、ホットゾーンへ移動して陣取りを繰り返したり、味方を蘇生したりといった行動がプレイの大半を占めていました。こうした行動の一つひとつが経験値として評価され、着実にレベルアップにつながる仕組みには感心しました。戦闘のみ参加するのでなく、輸送や建築も合わせて遊んでほしいような導線にもなっています。

さらに、プレイヤーの行動はレベルアップだけでなく、ゲーム内の収支にも影響を及ぼします。コントロールゾーン内に滞在していると、一定時間ごとに資金を獲得できます。そのため、ポイント獲得だけでなく、資金面でもゾーン内に留まるメリットがあります(常に移動するホットゾーン内にいると収入アップ)。
画面右上には収支状況が表示されており、装備や物資を購入した際の支出などを確認できます。高額な装備や兵器を購入すると、1万~2万以上の資金が必要になることもあります。そのため、高価な装備を揃えても早々に倒されてしまえば、支出に見合った活躍ができず、収支がマイナスになることもあります。意外にも、こうした収支の状況がプレイヤーの駆け引きの一つとなっています。
高価な装備を購入した直後は、失うことを恐れて慎重に行動してしまいます。しかし、戦場で活動を続け、獲得した資金によって購入費用を回収できれば、装備を失うリスクも受け入れやすくなります。
そうなると、危険を承知で前線に飛び込んだり、車両を使って味方を守ったりと、より大胆な行動にも踏み切れるようになるのです。こうした収支の駆け引きが、戦闘とはまた違った面白さを生み出しています。


このように、特定の行動だけでなく、あらゆるロールでの行動が評価され、収支のリソースを管理して、プレイヤーの成長に繋がっていく仕組みは、RPG的な面白さを感じさせてくれました。
面白いゲームであるのは間違いないが、継続的にプレイする時間と機会が必要であり人を選ぶタイトル
本作は、各ロールのレベルアップを筆頭に様々な内容から自陣営に貢献できるため、ゲームシステムは非常に面白いと感じたものの、1試合にかかる時間の長さを筆頭に万人向けとは言いにくい部分もあります。
1試合に1~2時間かかることに加え、各ロールのレベルを上げるには継続的なプレイが必要です。毎日少しずつプレイするにもまとまった時間が必要ですし、プレイ頻度が少なければ、知識や装備、レベルの面で継続的に遊んでいるプレイヤーとの差が広がってしまいます。

しかし、輸送や建築、味方の蘇生といった様々な行動が評価されるゲームシステムは、とても魅力的です。また、ロールごとに異なる役割が用意されているため、その日の気分に合わせて普段とは違う役割に挑戦できる自由度の高さも魅力です。
早期アクセス段階とはいえ、シーズン1は10月15日までと約1か月で終了し、それに伴ってプレイヤーの進行状況がリセットされるワイプも行われました。そのため、まとまった時間を確保して継続的にプレイすることが難しい人にとっては、せっかく育てたキャラクターや装備がリセットされることもあり、プレイを続けるうえでのハードルになっていると感じます。
シーズンの切り替え自体は仕方ないとしても、ワイプの頻度は2~3か月に1度程度であれば、カジュアルに遊んでいるプレイヤーも進行状況を維持しながら、継続的に楽しめるのではないかと感じました。なお、開発元は11月6日に、11月12日からシーズン3を開始すると発表しています。新マップ「Sabatulo」の追加に加え、今後はシーズン期間を長期化する方針も示されており、継続的なプレイの負担がどう変わるのか注目したいところです。
プレイヤーがどれだけ本作に費やせる時間を確保できるかによって評価が分かれるタイトルですが、ゲームシステムなど好みが合ってしまう人にとっては、抜け出せなくなるほどの魔力を持った作品です。
『WARDOGS』はSteamにて早期アクセスを実施中。価格は4,980円(税込み)です。











