今やPC/コンソール/モバイルそれぞれのプラットフォームでサバイバルジャンルの作品は定着していて、多くのプレイヤーがさまざまな世界を舞台にサバイバルを楽しんでいます。
Game*Sparkでは【クラフトサバイバル名鑑】として、同ジャンルが好きな筆者が、定番作品を中心にクラフトサバイバルジャンルの作品の魅力を紹介・解説しています。今回紹介するのは、2026年10月23日にSteam早期アクセスを開始した『アンダー・キャノピーズ(Under Canopies)』です。
自然の中でコージーなサバイバル体験
『アンダー・キャノピーズ』は、メキシコを拠点とする個人ゲーム開発者Roberto Ortiz氏が設立したNovemtailsの手がける作品。パブリッシングはAssemble Entertainmentが手がけています。Ortiz氏は、これまでAmber Studioなど多くのスタジオと協力してゲーム開発に携わっています。
ゲームは2024年1月に正式発表されitch.ioにて体験版をリリース、その後同年6月にSteamでも配信されました。Ortiz氏はクラフトサバイバルの“穏やかな側面”を探求したいというコンセプトでプロジェクトをスタートし、およそ4年間の開発期間を経てSteam早期アクセスでゲームをリリースしています。
本作の舞台となるのは、外の世界から護られた野生生物が生活する「保護区」です。新たに足を踏み入れたプレイヤーは、自然を守りながらこの土地に住む動物たちの調査を行うことが目的です。保護区に住む生物は人間の怖さを知らず、好奇心で近寄ったり警戒するものもいますが、熊やオオカミでも決して襲ってきません。
早期アクセス初期のリリース段階では地域の探索や動物との交流、拠点建築を含むクラフトなどのゲームの基本的なコンテンツを体験できます。早期アクセス期間はおよそ3ヶ月を予定していて、正式版に向けてはアイテムや施設、動物の種類などのコンテンツ拡充や伝承要素の追加などを計画しています。


また、正式版では保護区に生息している“偉大なる守護者”のグレート・アホロートルの探索要素も登場します。現在はゲームのシステム改善やバランス調整、不具合修正などのアップデートを中心に行い、遊びやすさも向上しています。

穏やかで優しい世界へようこそ
ゲーム内では最初に、保護区を訪れたプレイヤーへのチュートリアルとして基本操作やクラフト、物資の集め方などがクエストとして提示されます。地面に落ちている石や木を拾ったり、斧を作って木を切ったり、食材を集めて料理をしたり、クラフトサバイバルとしてのシステムはかなりオーソドックスな内容です。
最初の目的地である古い農場では、初期の建築レシピやカメラを入手できます。カメラは保護区の美しい風景を自由に撮れるだけでなく、動物の調査を進めるためにも重要なアイテムです。キャンプファイアや寝袋を設置して、最低限の拠点を確保したら、さっそく周辺の探索へと出かけましょう。





保護区はいくつかのエリアに分かれていて、多彩な資源や動物たちが待ち受けています。また、かつて保護区に住んでいた人々の痕跡も多く、見張り台などの施設からはレシピを獲得できます。中には壊れている施設や橋などもあって、修理することで移動を便利にしたり、残されたアイテムを入手することもできます。
本作の動物たちはニワトリ、キツネ、アライグマ、といった小型生物からエルク、クマなどの大型生物まで存在しています。保護区のクマやオオカミは人間を襲うことがなく、むしろ最初は警戒して近づくこともほとんどありません。プレイヤーは、彼らを観察・交流しながら信頼を得ていくことが重要な役割です。



『アンダー・キャノピーズ』では、プレイヤーがダウンするということはありません。そもそも体力という概念がなく、高所から落下してもダメージはありません。ただし、飢えや渇き、寒さなどの管理はあり、ダッシュやジャンプに使うスタミナゲージの回復に大きく関与します。




動物を知り、与え、与えられる
ゲームの大きな目的となる動物の調査は、いくつかの段階をこなして進める必要があります。まずは保護区の各エリアにいる動物を見つけて、最初は警戒されないようにしゃがんで近付いてカメラで撮影しましょう。近付くことで動物のデータが表示され、さらに撮影した写真からは生息地域なども記録されます。
次に動物たちが好む野菜や料理などの餌を与えることで、プレイヤーを怖がらなくなります。そこから動物の種類ごとに異なる要求に応えることで絆を結ぶことになり、さまざまなお返しを貰えるようになります。例えばニワトリなら鶏小屋で卵を生産するようになります。





餌となる野菜は各地を探索して自然に成っているものを見つけ出す必要があります。収穫時に確率で種を入手すれば拠点で栽培できるようになりますが、種を入手できる確率は低めなので、各地を巡って集める方が簡単かもしれません。もちろん料理にする場合はレシピも必要です。
注意点としては、ニワトリや羊などの拠点で飼える動物以外は、常にエリア内を移動するという点。ある程度移動する距離は限られているのですが、もし一度拠点に帰って準備する場合には、マップを見てどの辺りにいるのかを覚えておく必要もあります。マップにポイントを打つアイテムもあるので活用しましょう。




一度気を許してくれた動物は近付いても逃げなくなるので、ゆっくり観察もできますし、写真も落ち着いて撮影できます。絆を結べば資材や食べ物をくれたりもしてくれますよ。




探索・収集・調査それぞれが忙しい
保護区でのプレイヤーの目的は動物の調査ですが、施設の修復で得られる料理レシピの多くが動物の好みの餌となっているので、進めるためには各地の探索と修復は必須です。修復の資材を集めるためには、ツールを石から鉄にアップグレードしたり、専用のクラフト施設を作り上げる必要もあります。
最初はニワトリを飼って卵を入手して、卵を使った料理をアライグマに与えたりと、一部の動物の調査は進行がリンクしています。ゲーム内の基本的な要素がすべて噛み合っているゲームで、クラフトサバイバルとしての収集やクラフトもわかりやすいので、保護区での生活には困らないでしょう。





動物と絆を結んだり、施設の復旧で得られるレシピの中には建築用の家具や建材などもあり、ゲームを進めていくことで拠点建築の幅は大きく拡がっていきます。ほとんどは装飾品ですが、ベッドなどはスタミナボーナスなどのバフも得られます。何よりも家には彩りも欲しいですよね!
本作はオブジェクトの復活も早く、初期ツールでも時間をかければ上位素材を入手できる仕様なので、少し頑張ればいきなり鉄などの強力なツールも入手できます。上位ツールの入手で明確に遊びやすさが変わるゲームで、一部の素材はいくらあっても足りないので、いきなり狙ってみるのもいいかもしれませんね。




保護区での生活は厳しくはないですが、常に忙しいものです。移動速度アップの料理などを作れるようになれば行動範囲も一気に広がるので、自身の生活クオリティの向上も忘れないようにしましょう。



『アンダー・キャノピーズ』は、開発者のクラフトサバイバルの“穏やかな側面”を探求したいというコンセプト通りに、自然豊かな世界でコージーなゲーム体験をしっかりと味わえます。探索やクエストの進行などでゲームとしての遊びごたえもあり、優しくも簡単すぎないゲームとして、独自のスタイルを持っている作品として評価できます。
卵以外の動物性食材がなかったり、木材を入手するために伐採できるのが枯れ木だけだったり、自然を大切にするスタイルも一貫しています(決して押し付けがましいものでもありません)。唐辛子入りや複雑な料理を好む動物が多かったりなども、ゲームとしてのやりごたえや面白さや割り切っているかなとも思います。


現時点のビルドでは動物の調査までが目的で、すべて終わらせた後も特に表示などはありません。そういったクエスト進行を含むUIは少し不親切に感じることも多いので、今後コンテンツが増える中で改善されることを望みたいところです。なお、日本語の翻訳精度は良いので、遊んでいて困ることはないと思います。











