平成ゲームメモリアル第5回「2010年代の大変化って?ーSteam・インディーゲーム・基本無料」 4ページ目 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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平成ゲームメモリアル第5回「2010年代の大変化って?ーSteam・インディーゲーム・基本無料」

平成のビデオゲームを振り返る連載の第5回。いよいよ現代に近づいてきた今回は、ダウンロード販売プラットフォームの登場や、インディーゲームの台頭による個人作家の活躍、そして基本無料でゲームが楽しめるようになった時代を振り返ります。

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“Game as a Service”—終わらないゲームの時代へ


葛西祝今では、ゲームの実況配信によってハードコアだったはずのバトルロイヤルゲームがカジュアルになっていったのも面白い流れですよね。本田翼さんが『Apex Legends』の配信をしているのを見ていると変な話ですが「自分は未来に生きてんな」と思います。


SHINJI-coo-Kハードコアゲーマーがプレイするものだった対戦型シューターを文字通り“塗り替えた”『スプラトゥーン』が2015年に登場してヒットしたように、コアなものがカジュアル化していく流れは他にもありましたね。

Arkbladeただハードコアなものが消えてしまうのが良いというわけではなくて、主流でなくなったほうがインディーゲームとして維持され、多様性が残っていく流れが理想的ですね。

G.Suzuki欧米で2013年に、国内で2014年に発売されたPS4/Xbox Oneでゲームのスクリーンショットや動画を積極的にSNSなどで配信できるようになったことも大きな変化ですよね。

かつてスクリーンショットはPCゲーマーか、キャプチャーデバイスを持っていた一部のユーザーしか撮れませんでした。今では誰でもスクリーンショットが撮れるようになり、ゲームの画像/動画をシェアする流れが生まれましたよね。それがプレイヤー同士の交流を大きく変化させたようにも思えます。

葛西祝そういう交流も活発になり、ゲーマーのコミュニティが長く一つのタイトルを遊び続けてもらう風に変わりましたよね。


葛西祝長く遊び続けられるゲームといえば「Game as a Service」という言葉を思い出しました。リリース後もプレイヤーのレスポンスを見ながら、ゲームのアップデートを続けていく。この言葉は近年のビデオゲームにまつわる環境の変化を示しているなあと思いましたよ。

SHINJI-coo-Kアップデートが約束されていて、ゲームを所有し続けることに価値を与える流れですよね。まだまだこのゲームは終わらない、というタイトルが増えました。

Arkblade一昔前ではModやコミュニティが担っていた部分を、ゲームメーカー自らが行うようになりましたね。マルチプラットフォーム展開が一般化した事もこの流れが起きた要因のひとつだと思います。

2010年代の変化とは何だったのか?



葛西祝昔の「ゲームの進化」というとグラフィックやハードの性能が向上していくのでわかりやすかったですけど、10年代になるとネットやモバイルの進歩に伴い、SNSや実況配信などがゲームと絡んできて、「ゲームの捉え方」自体が変化している印象を受けます。未来にはどうなっていくのか……

SHINJI-coo-K10年代は「ゲームリリース後は持続したサービスへ移行」や「個人でゲーム制作をして手軽く商業マーケットに出せる」という変化のほかにも、プレイヤーによる「ゲームプレイ」のあり方も大きく変化したと思います。

主にゲームプレイが共有できるものになったりと。改めて個人的なゲームプレイというものを捉えたくなりました。

Arkblade『VRChat』などにハマってる人を見ていると、ゲームありきではなく、コミュニケーション主体のサービスの上で展開するゲームなども、今後再注目されていきそうな予感があります。まだまだゲームのあり方は変わっていくのかも知れません。

G.Suzuki00年代の混沌によってゲーム業界に変化が生まれたものが、10年代で形になったように思いますね。特にアジア圏で主流だったF2Pは、10年代前後から欧米の大手パブリッシャーのゲームにも積極的に採用されていったように思えます。

『Battlefield Heroes』など当初は軌道に乗れなかったタイトルが多かったものの、後年にはWargaming.netの『World of Tanks』やDigital Extremesの『Warframe』といったリッチなグラフィックを持つタイトルをPC/コンソールでヒットさせたことで、運営のノウハウを獲得できたのかなと思います。

加えて、フィーチャーフォン/スマートフォンでもF2Pは大きく花開き、日本国内でも大ヒットタイトルが、様々な問題がありながらも多数リリースされた事が10年代前半の大きな特徴かなと思えてきます。

葛西祝この10年で、こんなにビデオゲームの捉え方自体が変わっていくとは思わなかったですからね。

いよいよ次回は最終回です。この座談会を続けながら思うことは、ずっと大激変が続いていたんだなってことです。平成のあいだ、ビデオゲームって天下太平だった時期ってひとつもないなと痛感させられましたね

G.Suzukiそうですね、1つのプラットフォームが栄光を甘受している一方で、別のプラットフォームでは大きな危機などが起こっていたということを痛感させられますね。

SHINJI-coo-Kなにしろ直近のPCゲーム市場ですら混沌とする時代に……というところで平成が終わろうとしています。読者の皆様、最終回もお見逃しなくお付き合いくださると幸いです!

Arkblade今回もお付き合い下さりありがとうございました。……ついに平成も最後。果たして最終回ではどのようなゲーム談義が展開していくのでしょうか。次回は今まで以上に「未来」を見据えた話が繰り広げられるかも知れません。
《葛西 祝》

ジャンル複合ライティング 葛西 祝

ビデオゲームを中核に、映画やアニメーション、現代美術や格闘技などなどを横断したテキストをさまざまなメディアで企画・執筆。Game*SparkやInsideでは、シリアスなインタビューからIQを捨てたようなバカ企画まで横断した記事を制作している。

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