平成ゲームメモリアル第6回(後編)「平成終盤に輝いたゲームシーンとは?国内e-Sportsやバトロワゲームなど振り返る」 3ページ目 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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平成ゲームメモリアル第6回(後編)「平成終盤に輝いたゲームシーンとは?国内e-Sportsやバトロワゲームなど振り返る」

大ボリュームの「平成ゲームメモリアル」もいよいよラスト!第6回後編は、ニンテンドースイッチやバトルロイヤルゲームブーム、そして平成最後の4ヶ月間の出来事について触れています。最後までフルボリューム、総収録時間は……わかりませんがお楽しみください。

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■2019年国産タイトルの活発化と課題―平成の終わりと次の時代への胎動


G.Suzukiでは2019年のここ4ヶ月間の出来事を振り返りましょう。2019年は1月からタイトルラッシュが凄かったですね。1月には『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』と『バイオハザードRE:2』、『キングダム ハーツ3』がリリースされましたし、2月には『Anthem』や『Apex Legends』が登場し話題となりました。

さらに3月にはNSW版『FF7』が、PS4/Xbox One/PCで『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』がリリースされていましたね。他にも、発表されたタイトルで言えば、3月30日のセガフェスで『新サクラ大戦』が、そして4月1日には『R-TYPE FINAL2』も告知され、00年代に窮地に立たされてしまった国産タイトルが段々と息を吹き返してきているようにも感じます。

葛西祝 平成の終わりに、平成を彩ったシリーズがどんどんリリースされてますよね。2000年代初頭って、シリーズものが続く停滞感がつらかった時期だったんですけど、いまだってシリーズもので推している。でも、現在のそれはそれほど悪くないんですよ。むしろ良い。リメイク作品の『バイオハザード RE:2』なんてどこか新しい印象があります。


SHINJI-coo-K 一時期、日本のゲームはIPをあまり上手く活かせていなかったと思うんですよ。それゆえに途絶えているタイトルもありますし。しかし、平成の中で苦境にも立たされていたIPが、ワールドワイドで展開され受け入れられて、この平成の終わりに途絶えていたものが繋がって……平成という時代はビデオゲームにとって激動の時代でしたが、その終焉には虚無ではなく新たな光があると思います。とある方が「21世紀はゲームの世紀」だとおっしゃっていたのですが自分もそう思います。そしてそれは、つまり「令和」もまたゲームの時代になると思っています。

G.Suzuki 「21世紀はゲームの世紀」いい言葉ですね!20世紀が「戦争の世紀」とも呼ばれることもあるので、発表された令和も「ゲームの時代」として新しく楽しいものになってくれればと思いますね。

個人的には、STGの『R-TYPE』シリーズが結構好きでプレイしていたので、『R-TYPE FINAL 2』が発表された事がとても衝撃的で、今回の新元号発表とエイプリルフールネタの驚きが全て吹き飛んでしまいました!あとシリーズ未プレイですが『新サクラ大戦』も気になって仕方がありません!「人間生きてみるもんだな」と感じました!


キーボード打海 無理やり平成を振り返る方向に持っていっちゃいますが、4月1日の『R-TYPE FINAL 2』発表は気持ちよかったです。エイプリルフールと言ったら、2004年の「アイレムバーガー」が一番記憶に残ってます。同シリーズの敵「バイド」をハンバーガーで挟むやつ。

G.Suzuki 00年代後半から10年代中盤まではゲームメーカーも積極的にエイプリルフールネタを投入していましたよね。特にアイレムは強烈で、2001年にエイプリルフールネタとして発表された『どきどきすいこでん』が2011年にADV+SLGタイトルとして実際にリリースされたことから「嘘が誠になる」という流れが生まれ始めたようにも感じますね。今のエイプリルフールネタの先駆けにある意味思えます。

振り返ってみると、2016年には『FF15』、2017年には1人称視点がメインとなる『バイオハザード7』、2018年には『モンスターハンター:ワールド』、2019年には『エースコンバット7』や『キングダムハーツ3』、『バイオハザードRE:2』などのタイトルがリリースされています。特に『バイオ7』は今までのシリーズからジャンルを1人称のアイソレートビューに切り替え従来のホラー路線に戻したことも話題となりました。

『バイオハザード7』は最近海外版を買ってVRでプレイしているのですけれど、ホラー感が半端なく強くて怖がりながらプレイしていますね。また『エースコンバット7』は高難易度ですが、久々のナンバリングということでもストーリーは面白かったですし、VRモードはもう一つの進む方向性を感じました。


キーボード打海 『バイオ7』『エスコン7』で言うと、「VR元年」はちゃんと年越しできた感じがありますね……。ヘッドマウントディスプレイ自体もだいぶハードルが低くなりました。

SHINJI-coo-K アトラクションとしてのVRか、家で気軽に遊べるものとしてのVRと分かれてきた印象がありますね。

葛西祝 『バイオハザード7 レジデント イービル』ではお化け屋敷の中を歩くような体験できたり、『エースコンバット7』では目の前に戦闘機が存在するリアリティと爽快なドッグファイトが体験できたり、ある意味ではVRによって原点の体験に戻したとも言えますよね。

G.Suzuki 「原点の体験に戻す」確かに原点回帰感は強かったですね。確かに『バイオ7』と『エース7』のリリース当初の評価も「あの○○がちゃんと帰ってきた!」というものが多かったようにも思えてきます。


葛西祝 日本のゲームがちょっと元気がないころでも、ここ10年以上に渡って世界的に評価された『ソウル』シリーズも触れておきたいですね。

ゲームのジャンルに一つの流れを作ったことって大きいのでしょう。英語圏で「GTA like」みたいに、特定タイトルを追いかける言い方があるなかで、日本のゲームで「Soul like」って言われるほど、後の影響が大きかったのは『ソウル』シリーズぐらいなんですよ。


G.Suzuki 確かに、2011年前後は色々と国産タイトルが厳しい評価を受けていた時期でしたが、『ソウル』シリーズは国内外の共に人気だったのを覚えています。

SHINJI-coo-K 国産のゲームがアイデンティティをある意味取り戻した感覚があります。メトロイドヴァニアだってそうですし。

G.Suzuki アイデンティティーを取り戻したというのはとても言い得ていると思います。自分は『ブラッドボーン』でこのソウル系に入りましたが、プレイ開始直後にあっけなく倒されてしまって時は何が悪かったのか理解できませんでした。本当に何度も死にまくって、大きな緊張感を伴いながらやっとガスコイン神父を倒した時に少しコツを掴んだようにも感じましたね。


でも、高い緊張感と高難易度によって途中で諦めるプレイヤーがいるのも納得できます。ただ、この「難しすぎる」という感覚は00年代前後に弾幕シューティングが誕生してコア層から人気を獲得したものの、それでもプレイ人口が下降してしまった縦/横STG界隈の再現を見ているようで、ジャンル問わない高難易度化は慎重になるべきなんじゃないかと思うのです……。

葛西祝 そういえばソウル系が浸透してから、コンソールでもゲームが全体的に難しくなった気がしませんか?リブート版の『ゴッド・オブ・ウォー』もかなりゲームオーバーになった回数が多かったんです。

G.Suzuki 『エースコンバット7』もそうでしたが、難易度が高いタイトルが10年代後半は多くなったようにも感じます。

葛西祝 この座談会の第2回で、「コンソールのゲームは、プレイヤーをゲームクリアまで保証してくれる」ということを言ったんですけども、どうやらソウル系以降、そうではなくなっているのが驚きでしたね。

ソウル系はストーリーもプレイヤーが自発的に見つけていく形なんですよね。すべてのゲーム体験をプレイヤー自身で切り開いていく方向性だなと。

SHINJI-coo-K 難易度という概念を再定義していますよね。プレイヤーへの挑戦だったり、プレイヤーによる挑戦だったのが、ゲームプレイを拡張する要素として機能している。世界のシリアスさを表現するのには高い難易度が向いていますし。

G.Suzuki でも、その難易度の再定義がゲームプレイヤー人口増加、もしくは現状維持に繋がるかは疑問なんですよ。本当に弾幕STGは、次々プレイヤーに襲いかかる弾を避けて戦うのが楽しい一方で、見た目的にも難易度が高かったから、新規プレイヤー参入になかなか結びつかなかったのですよね。


加えて、ゲーム雑誌にも「なぜSTG人口が減るのか?」という記事が掲載されたこともあるので、このアクションゲームなどでの高難易度化の流れは、リッチなグラフィックやストーリーを持つハイエンドなゲームへのプレイヤー流入を結果的に阻害してしまうのではないかという懸念もあります。

葛西祝 ただ今は動画や実況でゲームプレイをシェアすることが、難しいゲームであったとしても参入障壁を下げている効果も大きいと思うんですよ。SNSや動画サイトでゲームプレイを見て、参考にしたり、「同じ場所で苦しんでるんだな」って共感したりできますからね。

キーボード打海 むしろ先鋭的になり過ぎて新規参入しにくいゲームって、e-Sports系のほうが多い印象です。アップデートを重ねてルールや攻略、メタがどんどん複雑化していったり。

SHINJI-coo-K 競技性は高ければ高いほど心理的なハードルは上がるとは思います。それをどこまでカジュアルに広めるかが、おそらくe-Sports選手が担わされているタレントや芸能人のような役柄、性質なのではないでしょうか。

キーボード打海 e-Sportsに類するゲームって、「チュートリアル」はあるけど、だいたいがゲームの基本ルールと操作方法のみで、移り変わっていくゲームの常識(≒メタ)は教えてくれないですよね。ていうか、そもそも教えられないと思うんですけど。

それに比べたら非e-Sports的と言えるゲームって、シリーズ作品でも新しくリリースするたびにチュートリアルを設けられるじゃないですか。自分はソウル系は正直得意でないんですけど、『SEKIRO』はホント親切なゲームだと思って遊んでます。チュートリアルみたいなものもあるし、「○○をすれば勝てる」という中ボスも配置されてるし、そうして得たノウハウものちの攻略に活かしていけたり。


ソウル系の門が狭いのはたしかなんですけど、理不尽なほどエクストリームで誰も追いつけなくなるジャンルではないと思いますよ。難易度調整のためのアプローチは、STGよりも幅が広いんじゃないでしょうか。

G.Suzuki お話を聞いている限りでは、「自分の心配は杞憂で、ゲームの未来に関しては思っている以上は悪くはならない……」と思えてきます。ただ簡単には納得できなくて、今現状は良くてもいずれはユーザーが高難易度に伴う緊張などで疲弊してしまう時が来るのでは、という不安を捨てきれません。

SHINJI-coo-K 万が一滅ぶとしてもソウル系が滅ぶだけで、他のジャンルを巻き込んで滅ぶことはないかなと思います。実際にセールスも好調ですし。アーケードゲームと家庭用ゲームとでは用意されているゲームプレイとスパンがまるで違うので、比べられないのではないでしょうか。

G.Suzukiわかりました、今現在は「簡単には比べられない」というところで一旦納得しようと思います。ジャンル自体が異なれば、学習曲線も大きく違う形を描けることは確かですし。


《G.Suzuki》

ミリタリーゲームファンです G.Suzuki

ミリタリー系ゲームが好きなフリーランスのライター。『エースコンバット』を中心にFPS/シムなどミリタリーを主軸に据えた作品が好みだが、『R-TYPE』シリーズや『トリガーハート エグゼリカ』などのSTGも好き。近年ではこれまで遊べてなかった話題作(クラシックタイトルを含む)に取り組んでいる。ゲーム以外では模型作り(ガンプラやスケモ等を問わない)を趣味の一つとしている。

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