Team NINJAの三国志高難度アクション『Wo Long: Fallen Dynasty』は駆け引きの楽しさと爽快さを兼ね備えた「死にゲー」だ!【プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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Team NINJAの三国志高難度アクション『Wo Long: Fallen Dynasty』は駆け引きの楽しさと爽快さを兼ね備えた「死にゲー」だ!【プレイレポ】

『Bloodborn』と『仁王』のプロデューサーがタッグを組んだらどんな“死にゲー”が生まれた?

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Team NINJAの三国志高難度アクション『Wo Long: Fallen Dynasty』は駆け引きの楽しさと爽快さを兼ね備えた「死にゲー」だ!【プレイレポ】
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2022年6月に発表されたコーエーテクモゲームスのTeam NINJAが手掛ける『Wo Long: Fallen Dynasty(ウォーロン フォールン ダイナスティ)』は、三国志を題材にしつつもダークファンタジーのテイストで描かれるアクションゲームです。これまで『仁王』シリーズをヒットさせたTeam NINJAらしく、よりアクションを重視した「死にゲー」として、それでいて『仁王』とはまた異なる魅力を備えたタイトルとなっています。

近年は「死にゲー」も様々な名作が登場し、その定義も一筋縄では語れなくなっているからこそ、プレイヤーとしてはその妙味はどこにあるのかが気になるところではないでしょうか。

本作の発売は2023年とされていますが、16日20時より配信された体験版を一足先にプレイする機会を得ました。体験版では、キャラクタークリエイトからはじまり、基本的な操作を一気に学べるチュートリアルを経由して、高低差の強い岩山のようなステージに挑み、そのボスを倒すまでが収録されています。

体験できる要素はステージ構成と戦闘アクションに絞られており、ストーリーやその他のシステムについてはまだまだこれからのお楽しみといったところ……ですが、そうは言っても「死にゲー」からアクションは切り離せません!面白さに直結する核心部分を紐解いていきましょう。

なお、本作のプレイレポート掲載にあわせ、プロデューサーである安田文彦氏と山際眞晃氏にインタビューを敢行しました。Game*Sparkの取材もきっかけに合流することになったお二人の関係や、本作のゲームシステムについて詳しくお話をうかがっていますのであわせてご覧ください。

インタビューはこちら!

リアルさとゲームらしさの同居はさらにレベル高く

デフォルトモデルは完成度が高いが、個性を出せる余地はかなりある

『仁王』シリーズでも際立っていたキャラクタークリエイトの質の高さは健在です。デフォルトプリセットはそのままでも十分に映える魅力を持っています。各部位の設定項目はかなり細かく用意されていて、短時間では使いこなすのが難しいかも…… と思ってしまうほどです。

とはいえ「そんな細かいとこまで?」と思うような項目であっても、モデルへの影響はとても素直なものとなっています。どの部位を変形させるのかさえ把握してしまえば、プレイヤーは自分のイメージをかなり反映しやすいだろうと感じました。

よくあることとして、細かい設定が行えるキャラクタークリエイトはそのかわりに「別の部位にも影響してしまう」といった難しさを持つものも珍しくありません。また、モデル変形の自由度とは違った意味ですぐに破綻してしまうのもお約束といった面があります。

しかしながら、本作のキャラクタークリエイトは細かい設定項目を多数実装しているにも関わらず、常にバランスを維持しています。美男美女を作るのに四苦八苦することも少なくありませんが、ここはさすがの技術力といったところです。
※ちなみに本作では性別の設定はなく、容姿や声はプレイヤーが自由に設定できる。

更に、全体を一括して設定できる項目もあります。年齢の幅を持たせたければ、ひとまず「渋さ」の一括設定スライダーを動かしてしまいましょう。そこから微調整を行えば、より自分のイメージに近いところからスタートできるはずです。

コーエーテクモゲームス全体の雰囲気……と言ってしまうと雑になりますが、リアルさの強いモデルであるにも関わらず、ゲームらしさのある美男美女を手軽に構築できるのは凄みすら感じます。

「渋さ」の項目を使わずに大人びさせてみる

いつもならばスパくんを作ってネタ的に勢い付けてしまうところなのですが……どんどん美男美女に磨きをかけていけるので、今回は敢えてデフォルトの2パターンを作り込んでみることにしました。試遊できる時間が限られていたものの、画像の男女は合わせても30分程度で実現できています。

個人的に嬉しかったのはアイシャドーなどの化粧パターンを選ぶ際に、どの位置に反映されるのかのアイコンがとてもわかりやすかったことが挙げられます。素直に作成時間短縮に繋がるので、とても良いインターフェースだと感じました。

もちろん、トンデモキャラを作る余力もあります!!いずれにしても、作成したキャラクターの満足感は多くのプレイヤーにとって高いものを得られるはずです。体験版では未開放となっている設定項目があり、まだ製作途中であることが伺えます。更に多くのカスタマイズができるとあれば、今からとても楽しみですね。

さあ、どんなタイプの「死にゲー」だ!?

チュートリアルを終えると早速ステージ攻略がはじまります。本作はステージクリア型を採用しており、スタートからゴールを目指す比較的シンプルな構成となっているようです。そうは言っても今回はジャンプアクションがあり、しかも2段ジャンプから崖を素早く登るような動作も可能としているので、かなり高低差が盛り込まれています。

三国志を題材としたダークファンタジーということで、プレイヤーキャラクターの動きはかなり軽快です。崖を登ると言いましたが、ジャンプボタンを押したまま登れる崖に近づけば、キャラクターがクルッと空中で回転して次の瞬間には登り終わっているような速度感です。よいしょっと身体を持ち上げるような動作はしないので、これだけでも「死にゲー」としては素早い部類に入るのだろうということが伝わるのではないでしょうか。

素早いと言えばダッシュもなかなかの速度ですし、なんとスタミナ制限がありません。ずっと走っていられますし、緊急回避も連打すれば何度でも大きな動きで敵の攻撃から逃げられます。双剣のような軽めの武器を使うと次々と連続攻撃を繰り出せますし、全く自由ではないにしても回避や防御といった行動にもそれほど制限される感覚を持たずに攻めていけます。

実際のところ、中型の敵であっても背後を取ってしまえばかなりの手数で斬りつけ続けられるような場面もあり、「死にゲー」としては珍しいくらいに強気の攻めが可能な設計だったという印象が残っています。

これがなければ……とまでは言いませんが、「死にゲー」と言えば敵の攻撃を敢えてギリギリで受け流すようなシステムは珍しいものではなくなりました。非常にシビアな判定であるかわりに一発逆転として狙う作品だったり、とにかく敵の攻撃を受け流す判定自体は緩いけれども全ての攻撃を受けきってからが勝負といった作品だったり、その味付けは様々です。

もはや、この「攻撃を受ける」という要素だけでもジャンルとして語れるのではないかと思うほどです。新たな「死にゲー」が登場した時、その受け方はどんな感じなのか!?気になる方も多いことでしょう。

結論から言えば、本作の受けシステムは攻略において必須寄りに位置しています。このことは、単発の受けそのものはそれほどシビアなタイミングを要求されるわけではないことを意味しますが、なんとなくボタンを押すだけでは成功できないような絶妙な(入力余地の)長さであったと感じました。

化勁(かけい)」と呼ばれるこのシステムは、もちろん敵のモーションに慣れることで大きく変わるものでもありますが、全てを見切らなければ始まらないというほどのものでもありません。これには本作が持つその他のシステムが関係してくるのです。

奪い、奪われる「勢い」の攻防

キャラクターの足元に表示された、一番下のゲージが「氣勢」だ。左へ振れれば不利になっていく。

本作には「氣勢」という要素があります。イメージとしてはどれだけ踏ん張れるか…… といったようなものです。氣勢がマイナス側に振り切れるとガードが強制的に崩されてしまい、その状態からダメージを受けると一時的に身動きがとれなくなるといった不利益が生じるわけです。反対にプラス側であれば、与えるダメージが増加したり、敵の攻撃をガードする余力(崩されるまで耐えられる回数)が生まれます。

この氣勢ゲージはかなり高速で左右するのですが、体感としては(ボスを含めた)敵の通常攻撃を数発ガードすると耐えきれなくなるような塩梅です。本作のガードはけっこう優秀で、一見ヤバそうな敵の攻撃でも思ったより防いでくれますが、長く頼ってはいられないというバランスですね。

更に、この氣勢ゲージのルールは敵にも適用されています。ゲージを削り切ることで、敵へ「絶脈」というトドメの一撃のような攻撃を与えられるようになります。このように説明していると案外オーソドックスな設計のように思えるのですが、本作はこれらの要素がとにかく高速で推移するのです。

ここで、受け流しシステムである化勁が価値を帯びてくることになります。ガードは安定して攻撃を防げますが、氣勢を大きく消費してしまうので、一気に不利を呼び込みかねません。そこで、化勁を成功させることで自身の氣勢を回復させつつ、敵の氣勢を削るという一種の賭けに転じることもできます。

全てに適用されるかは今の時点で定かではありませんが、敵の攻撃は「通常攻撃」か「秘技」かに大別されます。秘技はいわゆるガード不能攻撃で、どんなザコ敵であっても使用してくる可能性があります。

逆に言えば、ボスであっても秘技でなければガードできてしまうわけです。出会ったばかりのボスだったり、まだ攻撃モーションを覚えきっていなかったとしても、敢えて数発は安全にガードをして氣勢ゲージを頼りに耐えつつ、見慣れてきたモーションだったり、ここぞという攻撃だけは受け流すという作戦も取れることになります(化勁はガードしつつ狙うことが可能です)。

しかも、強制的に別の武器へ持ち替えてしまうものの大きく氣勢を回復できる「化勁転撃」という受け流し技があります。更には、敵の秘技であっても受け流しは行えるので、タイミングを掴むことさえできれば敵の強力な攻撃を封じつつ、自分の氣勢を回復し、ボスの氣勢を一気に削ってしまうことも可能となっています。

文字だけでこの感覚を説明するのは難しく恐縮なのですが、この高速に攻撃と防御を入れ替えながら「受け流しの楽しさ」を得られるのは新しいと感じました。敵を完全に把握できていなくても戦う感じを得られるというのは、良いところを狙った設計だと思います。

はやすぎてブレちゃった

プレイヤーキャラクターが軽快な設計である場合、通常は死にゲーとして難易度が下がる傾向にあります。ここで敵の素早さも上げることで難易度を確保することも考えられますが、本作はそれほど敵へ機動力を持たせていません。敵の攻撃モーションも(多少フェイント的なものはありますが)概ね素直なものであり、戦っている爽快さを優先させているように感じます。

そんな中でも、自分の攻撃は自分が狙ったように発動させることが基本となっています。トドメの一撃である絶脈はかっこいいカメラワークで自動的に動く部分がありますが、あくまでも演出の一つといったところです。

敵へのターゲティングはあくまでもロックオン機能程度のものであり、過度なアシストは発生しません。自分が狙った操作の通りにキャラクターが動くという大前提は守られており、全てのミスは自分のものという悔しい納得感については丁寧に守られていると言えるでしょう。

ボスともなれば簡単にひるまず攻撃を連続で繰り出してくるので、本作の持つ高速で入れ替わる攻守の魅力を存分に味わえます。慎重に攻めてもよし、果敢に受け流しを決めてもよし、キャラクターの実際の速度だけではない、ゲームスピードの速さはこうしたことでも確保されているようです。

奪い、奪われるのは「戦術だけ」じゃない!?

さて、これまではあくまでも刹那的な攻防をめぐる「奪い、奪われる戦術」の視点でした。本作は「奪い、奪われる」という要素が多層的に存在しています。その最も特徴的なシステムが「士気」のシステムです。

ざっくりと言ってしまえば、敵との概念的なレベル差を統括するのが士気です。士気が上がれば敵が弱くなり、下がれば強くなります。士気は敵を倒したりといった行動で蓄積されていくので、ザコ敵を狩り続けて自分で難易度を下げることも可能となっています。

士気はあくまでも相対的なものであり、キャラクターの育成レベルとはまた別のものです。いわゆるRPG的に、敵を倒して得た経験値を消費してレベルアップする基本的なシステムが存在していますが、士気はそうした固定的なものではありません。

新たなステージを開始すると、この士気がどうなるのかまでは今回のデモ版ではわかりませんでしたが、士気ゼロの状態で開始して、最大で20まで増加していきました。そして、道中に配置されている敵には士気レベルが表示されていて、概ねこの数字の上がっていく順番で回っていくのが効率的であるようです。

敵の秘技を食らったり、死亡したりといったことで士気が下がっていきます。更に、こちらにトドメをさした敵は士気レベルが上昇し、より倒しにくくなってしまうのです。このように聞くと、結局広いステージも設計どおりに通ることになるんだろうと思ってしまいがちですが、必ずしもそうではありません。

ステージのそこかしこには「軍旗」を立てられる場所があり、一部の場所はチェックポイントとして機能します。回復薬や状態が治るかわりに周囲の敵がリセットされるアレです。

この軍旗をひとつ立てると、最低士気レベルが保証される「不屈」という効果を得られます。どんなに倒されても、その数字より士気レベルは下がらないので、旗を立てるほど段々と強気の攻略が可能となっていくのです。

また、敵のモーションを見切る自信があるのなら、高い士気レベルの強敵に挑むことも可能です。化勁が成功するならば、敵の威力の大きさは関係ないという理論です。打ち倒せば一気に士気レベルを稼げるので、周辺の敵の脅威度を下げられることになります(不屈レベルは上がらないのでやられると下がってしまいますが)。

敵から逃げまくってさっさと軍旗を立ててしまうというのもひとつの方法でしょうし、地道に敵を倒して稼ぐという方法も取れます。この「戦略的に奪い、奪われる」という要素によって、難易度設定を持たない本作であっても様々なプレイヤーへ間口を広げられることとなりました。

Team NINJA流!?動かして楽しい!がそこにある!

「死にゲー」の魅力は、その難しさを乗り越えた先の達成感にあるとよく言われます。しかしながら、それはゲームが必要以上に意地悪になってしまいかねないというリスクを抱えることにもつながります。

では、それを回避すれば良いのかと問われるとそうもいきません。敵のモーションを絞れば単調さがやってきますし、簡単にしてしまえばただ億劫な戦闘が続くだけのものができてしまうかもしれません。

様々な「死にゲー」が生まれていく中で、それぞれの作品はどこに妙味を持たせているのでしょうか。どこに面白さを見出し、どうやってそれを突き詰めていくのでしょうか。Team NINJAはこれまでの作品の中で、共通したものを貫き、そして実現できる力を備えていることを示してきました。

『Wo Long: Fallen Dynasty』は、そんなTeam NINJAが求めるものから目を逸らさず挑んだタイトルだと思います。

デモ版の最後に用意されたボス戦では、大きく強力でありながら素早く動く相手に対して圧倒的なものを感じつつも、想像以上に「飛び込んだ攻略」を楽しめました。筆者自身はアクションが得意でないことから、多くの死にゲーでは相手を覚えきるまでいつまでも攻略できないという悩みを抱えがちなのです。

難易度が抑えられていると言えばそれまでなのかもしれませんが、高速で切り替わる攻守へ挑むことによって、Team NINJAが目指す「動かして楽しい死にゲー」を、早い段階から体験できたという喜びを得られたように思います。

本作は『仁王』『仁王2』を制作する流れの中で生まれてきた作品でもあり、その影響を色濃く受け継いでいます。これは筆者の想像ですが、更にスピード感を増した本作は、制作チームの中でも「死にゲーとは何か」という命題に悩んだのではないでしょうか。「単なるアクションゲーム」となるか「死にゲー」となるか。少なくとも筆者はボス戦を超えていく中で、声を出して喜んでしまうあの熱い感情を覚えたことは間違いありません。

インタビューはこちら!
《Trasque》

一般会社員 Trasque

会社員兼業ライターだけどもうすぐ無職になりそう

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