タイの民間伝承にインスパイアされたダークなアドベンチャー『Kumarn: The Wandering Spirit』プレイレポ【TGS2025】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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タイの民間伝承にインスパイアされたダークなアドベンチャー『Kumarn: The Wandering Spirit』プレイレポ【TGS2025】

タイの民間伝承の世界を恐怖とともにめぐる。

連載・特集 プレイレポート
タイの民間伝承にインスパイアされたダークなアドベンチャー『Kumarn: The Wandering Spirit』プレイレポ【TGS2025】
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東京ゲームショウ2025にてタイの民間伝承にインスパイアされたホラーアドベンチャー『Kumarn: The Wandering Spirit』のデモを試遊することができました。

『LIMBO』や『INSIDE』『Little Nightmares』『Bramble: The Mountain King』など、脈々と続いていくダークな世界観の2Dプラットフォームの名作に名を連ねるような作品が現れた!というのが試遊しての素直な感想でした。

今後確実に注目度が高まるであろうタイ発のホラーアドベンチャー『Kumarn: The Wandering Spirit』はどのよう作品だったのか。本記事ではTGSで試遊できたデモ版のプレイレポートをお届けします。

タイの民間伝承の世界を恐怖とともにめぐる

主人公は迷子になった子どもの霊のKumarn青い肌に大きな目という一見変わった見た目をしていますが、体格を見ると確かに子どものようです。

寺院のようなロケーションを進んでいくと、二体の像が目の前に座っています。Kumarnが前を通ろうとすると首がぐるりと回り父母のような顔がコチラをのぞきこみます。タイでは古くから親孝行が最高の美徳とされる価値観がありますが、その裏返しとしての恐怖の表現なのかもしれません。

本作にはこのようなタイの価値観と密接に紐づいた表現が多く見られます。主人公であるKumarnもクマントーンと呼ばれるタイのお守り(呪物)から来ている名前であると推測できます。

今作は基本的に2Dの横スクロールで展開されます。プレイヤーが2D画面での直線的な移動を行う一方で、奥行きのある背景では作りこまれた演出が進行していきます。プレイヤーのおこなう操作はシンプルなものの画面の情報量は多く、キャラクターをただ動かしているだけで満足感がある、という『INSIDE』のようなプレイ感覚がありました。

引きのカメラにも耐えうる背景美術

以上のような景色をゆったり楽しむ2Dパートがある一方で、何かに追いかけられながら走ったり、足場をジャンプで移動するアクションパートでは画面に移動可能な奥行きが出てきます。

Steamのストアページに表記はないものの日本語の表示を確認できました

Kumarnを操作して逃げながら感じたのは、とにかく動くオブジェクトが多い!ということでした。岩や女性の首がごろごろ転がり、怪物はオブジェクトをかき分けながら追ってきます。シリアスなチェイスシーンではありますが、お祭り騒ぎのような騒がしささえ感じる物量です。

これらのお化け屋敷のような演出は、確かにオブジェクトが飛んだり跳ねたりするような派手さがありますが、プレイヤーのゲームプレイを妨げることのない範囲にとどまっています。演出の塩梅にも開発の力量が伺えます。

デモを半分ほど進めると「タイの祠に供えられるシマウマの像」をモチーフにした「ゼップ」という仲間が加わります。これまで一人孤独にモンスターたちから逃げていたので心の支えとして本当に心強い。

ゼップは主人公と協力して道を切り開こうとしてくれますが、あまり役には立っていない様子。ボーっとしている姿がかわいらしく、ちゃんと付いてこれているか後ろを振り返って確認してしまいます。一方でゼップはアスレチック系には強く、主人公を置いて自分だけドンドン進んでいきます。ひどい

落石からはいち早く逃げていきます。流石(?)シマウマです

デモは佳境を迎え、ステージの雰囲気もどんどん不穏になってきました。作中で恐怖の象徴として描かれている、女性の像のモチーフが主人公たちの向かう先々に配置されています。

ときには臓物のようなものを掻き分けて進む場面も。主人公やゼップがコミカルな印象を残す一方で、それらを取り囲む世界の残酷さには容赦がありません。

主人公を執拗に追いかける蛇の怪物から間一髪逃げ切った(?)というところでデモは終わりを迎えました。

以上タイの民間伝承にインスパイアされたダークなアドベンチャー『Kumarn: The Wandering Spirit』デモ版の試遊レポートでした。優れたビジュアルに洗練された演出、そして程よくリトライを求められるアクション性など、一作目とは思えない開発の力量とセンスを感じ、正式リリースへの期待が高まる体験ができました。

ストアページに日本語対応の記載はありませんが、今回展示されていたデモ版は日本語に対応していました。ぜひウィッシュリストに追加して今後の展開を追いましょう。

ライター:ようげ,編集:みお


ライター/3D空間を一人称視点で歩くのが好きです。 ようげ

隠れた宝石のようなゲームを日々探しています。 英日ゲーム翻訳者としても活動中。

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編集/取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

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