気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Fix-a-Bug開発、PC向けに10月23日にリリースされたダンジョン探索RPG『クレイジーハイパーダンジョンクロニクル』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、ローグライト要素を含んだダンジョン探索RPG。ドット絵のグラフィックで表現されており、ターン制のバトルにはリズム要素も取り入れています。また奇抜でユーモラスなストーリーとしゃれたセリフに満ちているのも特徴。日本語にも対応済みです。
『クレイジーハイパーダンジョンクロニクル』は、1,500円(10月30日までは10%オフの1,350円)で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Paoloこんにちは!私はPaolo Nicoletti、イタリアのトリノ出身です。本作の開発者です。子どものころからプログラミングをしていて、最初はコモドール64で始めました。ユーモア・探索・不思議が合わさったゲームが昔から大好きです。
ひとつだけ好きなゲームを選ぶとしたら、『ダンジョンマスター』ですね。RPGの見方を完全に変えてくれた作品でした。あの「あらゆる音が危険の合図かもしれない」と言うような、深い没入感と緊張感が本当に好きで、今でも心に残っています。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Paolo私が作りたかったのは、「あまり真面目すぎない」ダンジョン探索ゲームです。古典的な名作へのラブレターのようでありながら、同時に独自の強烈でちょっと風変わりな個性を持つゲーム…少しクレイジーで、自己風刺的で、驚きに満ちた作品を目指しました。
本作は一見すると昔ながらのダンジョンクロウラーに見えますが、中のものはすべてどこか「ずれて」います。会話、キャラクター、そしてダンジョンそのものまでもどこか「ずれて」いるのです。
冒険全体が風変わりなユーモアと、鋭く遊び心のある文章で彩られています。ポップカルチャーやオタク文化、他のゲームが元ネタとなるたくさんの小ネタが散りばめられていて、まさにあらゆる形で「ゲーム」そのものを祝うような作品になっています。そうした部分を通して、プレイヤーの心に届くことを願っています!
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Paoloもちろんです。主なインスピレーションの源は、『ダンジョンマスター』『Undertale』『ウルティマ VII: ザ ブラック ゲート』です。しかしそれだけではなく、イタリアのミームやポップカルチャー、そして私の大好きな本への小さなオマージュもたくさん詰め込まれています。様々な物語や異世界に囲まれて育ったので、それらすべてが不思議とこの奇妙なダンジョンの中で混ざり合ってしまったんです。
こちらに、すべてのインスピレーションをまとめたドキュメント(英語)があります。ただし、ネタバレ注意です!

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Paolo間違いなく、「クソダンジョン事件」ですね。今年の8月のことです。Steamでデモ版をリリースしたとき、まだプロの日本語翻訳が入っていなかったんです。
その結果、本作のタイトルが誤って「クソダンジョン」とローカライズされてしまいました(笑)。それに気づいた誰かがX(旧Twitter)に投稿して、数日間日本でちょっとバズったんですよ(その後、世界中にも広がりました)。
みんな大笑いしていて…正直、私もめちゃくちゃ笑いました!まったく意図していなかった事故でしたが、そのおかげで本作は大きな注目を浴び、ウィッシュリストの数も急増しました。まさに「最高の偶発的マーケティング」でしたね!
こちら(AUTOMATON)が、その件を取り上げた記事になります。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Paoloフィードバックは本当に素晴らしいものです。多くのプレイヤーが、本作のユーモアや奇妙なキャラクターたち、そしてダンジョンが物語とともに少しずつ変化していく世界観を気に入ってくれました。
中には「昔のゲームを遊んでいたときの“すべてが発見だった感覚”を思い出した」と言ってくれた人もいました。しかし、一番心に残ったのは「思わず声を出して笑ってしまった」とメッセージをくれたプレイヤーたちからのものです。私にとって、それ以上の褒め言葉はありません。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Paolo現在は、コミュニティからのフィードバックをもとに、バランス調整やプレイの快適さを改善する作業を進めています。もちろん、いくつかバグも見つかりましたので、できるだけ早く修正中です。発見を手伝ってくれたプレイヤーの皆さんには本当に感謝しています。
そのあとで、デザインは出来ていたもののリリース時に入れられなかったシークレットレベルを追加したいと思っています。この手のゲームの魅力は、「いくらでも新しい要素を加えられる」ところなんですよね!
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Paoloもちろん大歓迎です!プレイヤーの皆さんが遊んでいる様子を見るのが本当に大好きです。特に、ダンジョンが予想外の形で驚いたり、思わぬ展開になったりした時の反応を見るのは最高ですね。
配信・録画・収益化、すべて自由に行ってください。皆さんのコンテンツが、新しいプレイヤーに本作を知ってもらうきっかけになるのです。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Paolo日本のプレイヤーの皆さん…本当にありがとうございます。2024年の東京ゲームショウで「SELECTED INDIE 80」に選ばれた瞬間はまるで魔法のようでしたし、それ以来、皆さんの熱い応援をずっと感じてきました。
そして、私たちイタリア人は昔から日本に強い憧れを抱いているんです!
このダンジョンを探索し、奇妙な住人たちと出会い、この狂気の世界に隠された小さな「真実のかけら」を見つけてくれたら嬉しいです。そして忘れないでください…このダンジョンの中では、「好奇心」が最強の武器にもなれば、最悪の呪いにもなるのです!
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
※UPDATE(2025/10/28 18:14):本文の一部を修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。








