今回は、Bad Wish Gamesが手掛けPC(Steam)向けに、2026年2月20日にリリースされた『Welcome to Doll Town』のプレイレポートをお届けします。
◆和風JKの武器は「プロレス技」!?怪異蔓延る恐怖の町を探索

本作は、架空の日本を舞台にした和風3Dサバイバルホラーゲームです。プレイヤーは女子学生の「ユミ」となり、かつては精巧な手作り人形で栄えた廃墟の田舎町「ドールタウン」を探索し、闇に包まれた秘密を解き明かしていきます。
特徴としては、『サイレントヒル』のような霧に包まれた環境と雰囲気があり、静かな田舎町の美しさと恐ろしさを描いています。
また主人公のユミは、女子学生でありながら襲いかかる敵に対してパワーボムなどのプロレス技を叩き込んだり、倒した敵の横でダンス(エモート)を踊ったりする独特な対抗手段がSNSで注目を集めました。

本作はそれなりに良かった点はたくさんあるものの、それらを軽く吹き飛ばすくらいゲームプレイに関する問題点も数々ありました。結論から言うと、個人的には期待していただけに肩透かしを食らう残念な出来だったと、正直に申し上げます。というわけで、以降のレビューも少々辛口になりますのでご了承ください。

まず、本作はコントローラーは使用できず、キーボード&マウスのみに対応しています。キーマウでの操作感や反応は、あまり快適とは言えませんでした。
また、言語は日本語字幕/インターフェイスに「いちおう」対応しています。詳しくは後述しますが、 ゲーム全編にわたって日本語訳のクオリティがはっきり言ってズタボロです。フォントが安っぽいうえに、表記のブレも見られ、「今って誰の話しをしているの?」か分からなくなる場面が多くあり、非常にストレスフルでした。
他にはBGMのボリューム調整と、画面の表示モードが変更可能です。音声に関しては作中ほとんどSEやBGMなどが流れることが少ない、とても静かなゲームでしたね……。


では、さっそく本編をやってみましょう。主人公は、セーラー服姿の女子高生「ユミ」です。彼女は、日本人形のような黒髪ロングの妖艶な美少女ですが、どんな目的で舞台である田舎町の「ドールタウン」にやって来たのでしょうか。
「今着いたところよ、ママ」「ショップに直行する」―携帯電話で「ママ」に連絡するユミ。どうやら、ドールタウンにあるショップに用事があるようです。



バス停から少し北へ進むと、謎の人物が立っていました。名前は「Frangin(フランジン)」という小柄な女性で、ユミを待っていたようです。
しかし、「人々は彼を“プーペティエ”と呼んだ」とか、「だから私がガイドになろう!」とか、翻訳精度が低いせいか会話が支離滅裂で、どういう事なのか話の筋が全然見えてきません。早くも「あ、このゲームちょっとヤバいかも」と思い始めてきます…。


フランジンに案内されたのは、ドールタウンにあるコンビニ。ここで、「やるべきことをやれ」と言われたのでしぶしぶ探索を開始。
操作方法は、WASDで左右前後に移動し、Eキーでインタラクト、Iキーインベントリを開きます。グラフィックのクオリティはPS2時代くらいのイメージですが、それなりに雰囲気は悪くない感じ。ただ、背景の作り込みがイマイチで距離感が掴みにくかったのが難点です。

コンビニのレジを調べて、バックヤードの鍵を解錠することに成功。


部屋に入ると、なんの前触れもなく敵との戦闘が開始!敵は無機質な人形のようなデザインです。
本作の戦闘は、ホラーゲームに珍しい「プロレス技」を使用できることが特徴で、それゆえ話題となりました。操作は、マウス右クリック長押しで敵の攻撃をブロックでき、タイミングを合わせると体勢を崩せて反撃のチャンスが生まれます。
そして、左クリックを押すとパンチ攻撃ができます。連打していると、小気味よく繰り出せるうえに、なんかやたら挙動もリアルなため、それなりに気持ちよさがありました。

あれ、でもプロレス技はどこに?と思っていたら、ある程度敵のHPを削ると、フィニッシュムーブで「ブレーンバスター」をキメれました。確かに演出もそこそこ派手で見応えもあります。
とはいえ、もっとこう本格的なプロレス技が組み込まれているのかと思いきやそんなこともなく、通常攻撃はただパンチを連打できるのみ。しかも、フィニッシュムーブもブレーンバスターとスタナーの2種類しかありません。


ついでに不満を言うと、ボスが「ミセス・ハナバリ」の1体と、あとは先ほどの雑魚敵が4体しか登場せず、戦闘の機会がかなり少ないことも残念でした。というか、そもそもなぜ「プロレス」要素を取り入れたのか、必然性もないし理由も最後まで明かされません。


また、全体的なマップも広いわけでもなく、調査するエリアの数も多くないため、探索の面白さはあまり感じられません。謎解きについても、頭をひねるようなやりごたえがないのも気になりました。
このように、「恐怖・アクション・探索」といったホラーゲームにおける大事な要素のすべてが薄く、それらを期待していた身としては少しがっかりしたのが本音です。


先でも触れましたが、やはり日本語訳に難があるためストーリーに関してまったく理解できなかったのが辛いところ。とりわけ「ゴミがeverywhere」という、本気なのか笑わせにきてるのかが微妙なラインのヘンテコな日本語は印象的でした。


本作は、確かに女子高生がプロレス技を駆使して敵をなぎ倒しながら、恐ろしい謎を秘めた町を探索していく、というコンセプト自体は素晴らしく、ワクワク感がありましたが、およそほとんどの要素が未完成で、ホラーゲームとしての魅力を十分感じることはできませんでした。題材が良いだけに、実にもったいないと思った作品です。
タイトル:『Welcome to Doll Town』
対応機種:Windows PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)
発売日:2026年2月20日
著者プレイ時間:3時間












