ベルリンを“住民が見てもわかる”レベルで1:1再現!バス、路線、ランドマーク、店舗まで再現を目指す『The Bus』開発者インタビュー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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ベルリンを“住民が見てもわかる”レベルで1:1再現!バス、路線、ランドマーク、店舗まで再現を目指す『The Bus』開発者インタビュー

ベルリンの公共交通事業者も協力。“本物のベルリン”に近づくためのこだわりに迫る

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ベルリンを“住民が見てもわかる”レベルで1:1再現!バス、路線、ランドマーク、店舗まで再現を目指す『The Bus』開発者インタビュー
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The Bus』は、ドイツ・ベルリンを1:1スケールで再現し、その街の公共交通を担うバス運転手として運行を行う都市交通シミュレーションです。プレイヤーは実在の路線を走りながら、停留所での乗降、交通状況、信号、天候、時間帯の変化など、バスそのものだけでなく都市の流れを含めた運転体験を味わえます。

本作を手がけるTML-Studiosは、『Fernbus Simulator』や『Tourist Bus Simulator』など、バスを題材にしたシミュレーション作品を長年開発してきたスタジオです。『The Bus』では、ベルリンの公共交通事業者BVGの協力や、ATRON製車載コンピューターの公式ライセンスによる再現なども取り入れながら、“本物のベルリン”に近づくためのリアリティを追求しています。

今回Game*Sparkでは、TML-Studiosにメールインタビューを実施。なぜベルリンを1:1スケールで再現することにこだわったのか、実在都市を作るうえでどのような苦労があったのか、そして『The Bus』が単なる“バス運転ゲーム”を超えてどのような体験を目指しているのか訊きました。

――そもそも『The Bus』を立ち上げた出発点は何だったのでしょうか。数ある乗り物の中で、なぜバスを題材に選んだのか教えてください。

TML-Studios:『The Bus』は、これまで私たちが長年にわたって手がけてきた路線バスや観光・長距離バスのシミュレーション開発の経験から生まれた作品です。これまでに『Bus- & Cable-Car Simulator』『City Bus Simulator Munich』『City Bus Simulator New York』『Bus Simulator 2012』『Tourist Bus Simulator』『Fernbus Simulator』といったタイトルを開発してきました。

それらの経験の積み重ねが、本作でバスを中心テーマとして選ぶことにつながりました。私たちにとっては自然な次のステップであり、これまで培ってきたノウハウを活かし、さらに発展させる機会でもありました。

――本作では「都市を走る」感覚そのものが非常に重要に感じられます。開発初期の時点で、プレイヤーにどのような体験を届けたいと考えていましたか。

TML-Studios:開発初期から、プレイヤーに「生きている都市の中を実際に走っている」という感覚を味わってほしいと考えていました。単にバスそのものを再現するのではなく、交通、天候、時間帯の変化、そして都市の日常の流れといった要素も含めた体験を目指しました。

プレイヤーが運転手の視点からベルリンを探索し、その公共交通システムの一部として存在していると感じられる、没入感のある体験を提供したいと考えていました。

ベルリンを1:1スケールで再現する意味

――本作最大の特徴のひとつは、ベルリンを1:1スケールで再現している点だと思います。なぜ舞台としてベルリンを選び、この街らしさを表現するうえで何を特に重視しましたか。

TML-Studios:ベルリンは非常に個性的な都市であり、バスシミュレーションの舞台として理想的だと考えました。ランドマークや街並み、公共交通ネットワークが特徴的で、リアルな運転体験を生み出すのに適しています。

街の個性を表現するために、複数の路線を1:1スケールで再現し、都市全体の雰囲気づくりを重視しました。プレイヤーには、単にバスを操作するのではなく、「実際にベルリンを走っている」と感じてほしいと考えています。

――実在都市を扱うことで苦労も多かったと思いますが、一方でベルリンを再現したからこそ得られた面白さや手応えには、どのようなものがありましたか。

TML-Studios:最大の課題は、ベルリンをできる限り忠実かつ細部まで再現することでした。実際にベルリンに住んでいる人が見ても、バスや路線、ランドマーク、さらには店舗まで認識できるレベルを目指しました。

そのように感じてもらえることは、私たちにとって何よりの評価であり、都市がリアルに再現されている証でもあります。これは架空の都市では得られなかった体験です。また、BVG(Berliner Verkehrsbetriebe、ベルリンの交通局)との協力によって本作はさらに特別なものになっており、この作品を通じて若い世代がこの職業に興味を持つきっかけになればとも考えています。

“本物らしさ”は、見た目だけではない

――『The Bus』は単に車両を運転するだけでなく、停留所、乗客、交通、信号、時間の流れまで含めて“都市交通”全体を体験させようとしているように感じます。開発チームにとって、本作における「リアリティ」とは何でしょうか。

TML-Studios:私たちにとってのリアリティとは、「実際にベルリンでバスを運転し、現実と同じように路線を運行している」と感じられることです。スカニア、MAN、VDLといった実在メーカーの車両も含め、バスそのものの再現にはこだわりました。

同時に、多くのプレイヤーに楽しんでもらえるよう、アーケード、リアル、カスタムといったモードを用意し、それぞれが望む体験を選べるようにしています。

さらにBVGとの協力や、ATRONとの連携による実際の車載コンピューターの導入なども行っています。私たちにとってリアリティとは、見た目や操作感だけでなく、体験全体の説得力にあります。

――リアルさを追求すると、どうしても遊びやすさと衝突する場面もあると思います。『The Bus』では、リアリティとゲームとしての快適さのバランスをどのように判断していますか。

TML-Studios:リアリティと遊びやすさのバランスは、シミュレーションゲーム開発において常に重要なテーマです。本作では、現実の運行にできるだけ近づけながらも、誰でも楽しめる体験にすることを重視しました。

そのため、アーケード、リアル、カスタムモードを用意し、プレイヤー自身がリアリティの度合いを選べるようにしています。自然に感じられるリアルさと、快適に遊べる自由度の両立が重要だと考えています。

――バスならではの面白さとして、開発チームが特に重要だと考えているものは何ですか。

TML-Studios:私たちが特に魅力を感じているのは、バスの背後にある技術や運用の知識です。バスは単なる乗り物ではなく、精密さやルーティン、技術理解が求められる大きなシステムの一部です。

運転、定時運行、乗客輸送といった要素も重要ですが、本質的な面白さは、車両・システム・運用知識がどのように結びついているかにあると考えています。

運転だけでなく、都市交通そのものを体験する作品へ

――本作には経済モードや会社運営、さらに協力プレイやMod対応まで用意されています。単なる運転シムにとどまらず、ここまで遊びの幅を広げた狙いを教えてください。

TML-Studios:私たちは『The Bus』を単なる運転体験にとどめたくありませんでした。運転が核であることは変わりませんが、都市交通を取り巻くより広い世界も表現したいと考えました。

経済モードによって、プレイヤーは路線運行以上の要素を体験できます。また、PC版ではマルチプレイやMod対応によって、遊び方の幅がさらに広がります。特にModは、プレイヤー自身がコンテンツを作り、共有することで、ゲームを長く成長させる重要な要素です。

――本作では広大な都市空間に加え、交通AI、歩行者、天候など多くの要素が同時に動いています。技術面や最適化の面で、特に大きな挑戦になった部分はどこでしたか。

TML-Studios:最大の課題のひとつは、これほど多くのシステムが同時に動作する中で、広大な都市環境をスムーズに動かすことでした。交通AI、歩行者、天候、ライティング、その他のゲームプレイ要素がすべて連携しながら動作する必要がありますが、それによってパフォーマンスに大きな影響を与えないようにする必要があります。

技術的には、これらのシステムを単に作ることだけでなく、それらを一つの「生きた都市」の中でどのように最適化し、調和させるかが大きな挑戦でした。ディテール、スケール、パフォーマンスのバランスを取ることは、開発の中でも特に難しい部分でした。

――『The Bus』には、コアなシムファンだけでなく、街を眺めること自体が好きな人や、乗り物そのものに惹かれる人も集まっている印象があります。開発チームは、どのようなプレイヤーに特に遊んでほしいと考えていますか。

TML-Studios:私たちは『The Bus』が幅広いプレイヤーに届くことを願っています。シミュレーションファンはもちろん重要な存在ですが、それだけでなく、都市を探索することが好きな人や、バスや技術に興味がある人、あるいは都市交通の雰囲気そのものを楽しみたい人にも遊んでほしいと考えています。

プレイヤーそれぞれが自分なりの楽しみ方を見つけられることが重要だと考えています。リアリティを求める人もいれば、乗り物そのものに魅力を感じる人、あるいはベルリンを走る感覚を楽しみたい人もいるでしょう。そうしたすべての人にとって意味のある体験を提供できることを目指しています。

――『The Bus』は長い早期アクセス期間を経て正式リリースに至りました。この開発期間の中で、ユーザーフィードバックによって大きく変わったこと、逆に最後まで曲げなかったことは何だったのでしょうか。

TML-Studios:早期アクセス期間中、『The Bus』には新しいバスや新路線、さらに照明や天候、空気圧システムといった追加要素を実装してきました。このプロセスにおいて、コミュニティからのフィードバックは非常に重要な役割を果たしており、プレイヤーからの報告や提案を今後のアップデートに反映させながら開発を進めてきました。

一方で、『The Bus』の根幹にあるコンセプトは、早期アクセスの開始から終了まで一貫して変わりませんでした。それは「ベルリンを舞台にした、リアルで詳細なバスシミュレーションを提供すること」です。もちろん、開発はまだ完了したわけではなく、今後も進化を続けていきます。

――正式リリースを迎えた今、開発チームとして『The Bus』はどこまで理想に近づけたと感じていますか。また、現時点でまだ課題だと考えている部分があれば教えてください。

TML-Studios:私たちはまだ完成には程遠いと考えています。『The Bus』は現在も進化を続けており、コミュニティの存在によって、常に新たな注目点や改善すべき課題が見えてきます。

また、このゲームを形作っているのは私たちのビジョンだけではなく、コミュニティのビジョンでもあります。私たちはプレイヤーと共に本作を発展させ続けていきたいと考えています。正式リリースはゴールではなく、あくまで成長の過程における重要なマイルストーンのひとつです。

日本のプレイヤーにとっての“親しみやすさ”と“新しさ”

――日本のプレイヤーからは、本作のどのような点に関心が寄せられていると感じますか。ヨーロッパの都市交通を題材にした作品であることが、日本のユーザーにはどのように受け止められていると見ていますか。

TML-Studios:日本のプレイヤーは、細部の作り込みや運行システムの仕組み、そして異なる環境で都市交通を体験できる点に特に関心を持っているのではないかと考えています。日本でも公共交通は非常に重要な存在であるため、このテーマ自体に強い共通点があると感じています。

一方で、ヨーロッパという舞台は本作ならではの魅力でもあります。ベルリンは日本とは異なる雰囲気や公共交通のスタイルを持っており、それが日本のプレイヤーにとって新鮮な体験になると考えています。その意味で、本作は「親しみやすさ」と「新しさ」の両方を感じられる作品だと言えるでしょう。

――今後『The Bus』を育てていくうえで、特に拡張していきたい部分はどこですか。都市、路線、システム、コミュニティ機能など、今後の展望を聞かせてください。

TML-Studios:今後に向けては、新しいバスや新路線など、いくつかの拡張をすでに計画しています。同時に、各アップデートはさらなる改善や追加コンテンツを導入する機会でもあります。

まだ多くの要素が今後の課題として残っており、コミュニティからの要望はその中でも非常に重要な指針となっています。プレイヤーから寄せられた要望に基づいた新機能やコンテンツの追加も計画しており、『The Bus』は今後も段階的に進化を続けていきます。

――このゲームは最終的にどのような存在になってほしいですか。

TML-Studios:最終的には、『The Bus』が単なるバス運転ゲームを超えた体験になってほしいと考えています。プレイヤーが都市を探索し、都市交通の仕組みを理解し、リアルに感じられる形でバス運転手という役割を体験できる作品であってほしいです。

また、この作品を通じて公共交通そのものや、その背後にある仕事への関心を持つ人が増えることも願っています。そして何より、リアリティや雰囲気、あるいは純粋に運転の楽しさといった、それぞれの理由でプレイヤーに長く愛される作品であり続けてほしいと考えています。

――ありがとうございました!

『The Bus』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中です。

今後のロードマップでは、経済モードの拡張やバスのカスタマイズ、電動バスの追加、PS5/Xbox Series X|S向け「Hamburg City」DLC、AIが走行する路面電車、コンソール版のハンドルコントローラー対応強化、さらなる国内外DLCなどが予定されています。正式リリース後も、バスや路線、システム面の拡張を通じて、都市交通シムとして段階的に進化を続けていくようです。

ライター:みお

ライター/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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