Bone Nailと松竹ゲームズより、『ヨグ=ソトースの庭』の日本語対応版がニンテンドースイッチ/Steamにて発売中です。Steam版は既にリリース済みでしたが、ニンテンドースイッチ版の発売にあわせて、このたび日本語ローカライズが実装されました。
また、本日8月13日より体験版も配信開始。これまで本作に触れたことのなかったプレイヤーも、気軽に手に取ることができるようになりました。
本作のジャンルは「ホテル経営シミュレーション×恋愛ADV」。プレイヤーはクトゥルフ神話の世界観を基にした様々な人外美少女たちとのストーリーを楽しみながら、本格的な旅館経営を楽しむことができます。
「クトゥルフ神話×美少女」というコンセプトの世界観を舞台に、経営SLGと恋愛ADVが合わさったゲーム体験と、とにかく開発者の“好き”が詰まった本作。

今回、Game*Sparkではそんな本作の開発チームである「Bone Nail」へのオンラインインタビューを実施。個性豊かな人外娘のデザインや、本作のナラティブ、そしてゲーム性についてなど、様々な興味深いお話を伺うことができました。
また、Game*Sparkでは本作の詳細なプレイレポートも公開していますので、そちらもあわせてご覧ください。
第一にあるのは、チームメンバー共通の好み。可愛い女の子たちが生まれた経緯とは
――本作の目玉である「クトゥルフ神話×美少女」というコンセプトは、一体どのようにして決まったのでしょうか?
Bone Nail:チームメンバーの共通の好み(好きなもの)です。
そう言うと少し厳密さに欠けるように聞こえるかもしれませんが……ですが実情はまさにその通りです。私たちはインディーゲームチームですので、私たちにとって「好き」という感情の駆動は、他のどの動機よりも強烈なものなのです。
――実際に遊んでみると、テキストアドベンチャーパート以外でも、シミュレーションゲームの部分はかなり本格的で遊びごたえのあるものだと感じました。本作のゲームジャンルにホテル経営SLGというゲーム要素が加わった理由はどういったものでしょうか?なぜこのジャンルになったのでしょうか?
Bone Nail:まず第一にあるのは、やはりチームメンバー共通の好みです^^
次に、ゲームシステムを設計する前に、すでに大まかなストーリーのフレームワークが存在していました。初期段階で考えていたゲームの雰囲気は「限定されたエリアの中で、次々と不可解な事件が舞い込んでくる」というものでした。そのため、設計の最初期から「限定された空間」というアイデアを決定していました。従来の探索型アドベンチャーゲームとは異なり、主人公があちこちを旅して探検するのではなく、限定されたマップの中で、すべての事件がそのエリアに入り込んできて発生するという構造です。
そのため、「ホテルを経営する」というゲームシステムが非常に適した枠組みとなり、ストーリーやキャラクターを磨き上げていくプロセスの中で、その方向性がより明確になっていきました。 各キャラクターはデザインが完成すると、ホテル経営におけるそれぞれの役割を担い、ストーリーに参加していくことになります。このようにして、シナリオとゲームシステムの両面からデザインを進めていきました。

――非常に可愛らしい女の子がたくさん登場する本作ですが、キャラクターデザインやキャラクター設定などはどのようにして制作されたのでしょうか?また、キャラクターを創るうえで特にこだわった点などあればお聞かせください。
Bone Nail:私たちはインディーゲームチームですので、厳密なプロセスよりも、みんなで一緒に創作を進めていく雰囲気を好んでいます。
キャラクターはまず大まかなストーリーのアイデアと設定を作り、メインシナリオライターとアート担当が一緒になって物語を語り合います。そのストーリーテリングの過程で要素を磨き上げ、視覚的な表現について議論を重ねることで、全体の美術スタイルや膨大な細部を共にすり合わせて確立させていきました。
こだわった点としては……おそらく各キャラクターのデザインにおいて、その性格や生い立ちを十分に表現することでしょう。例えば「零(レイ)」のキャラクターデザインでは、「孤高の剣客」のような颯爽とした雰囲気を漂わせつつも、本質的には初めて外の世界に出る可愛らしい少女ですので、柔らかい色調を用いて服のシンプルで洗練された印象を和らげています。
このこだわりを貫いた結果、実は一部のキャラクターにはより華やかで美しい衣装デザインも存在していたのですが、物語の描写やキャラクターの性格付けを優先するため、それらはすべて削ぎ落としました。

――とくに死神の「トリポカ」ちゃんはメインビジュアルも務めていますが、彼女はユーザーの中でも特に人気のキャラクターなのでしょうか?開発としても推している?
ちなみに、私もトリポカちゃんが大好きです。
Bone Nail:トリポカを気に入っていただき、本当にありがとうございます! 私たちもトリポカのことが大好きですし、同時に小葉(コノハ)、零(レイ)、エヴナも大好きです……生み出したすべてのキャラクターは、完全な愛の中で誕生しました。

――シナリオライティングについて、クトゥルフ神話のホラー要素と美少女との楽しい恋愛要素をどのようにミックスしていったのか、あるいは二つの要素からどのような良き点を引き出すべきか、開発チームの中でどのようなやりとりがありましたか?
Bone Nail:創作の最初期から、このようなトーン&マナーを設定していました。
クトゥルフの世界の魅力は、その制御不能で名状しがたき恐怖、そして巨大で捉えきれない闇の魅力にあります。先の見えない暗闇があるからこそ、目の前にある幸せがこれほどまでに愛おしく感じられるのです……。
そのため、最初の設定は「巨大で不可知な闇の世界の中から、泡のように小さく温かい空間を切り取る」というものでした。この小さな世界の中にいて外を覗き見なければ安全です。好きなことをし、お金を稼ぎ、女の子たちと一緒にホテルを経営して部屋を飾り付け、暗闇の境界線を歩むように禁断の召喚や錬金術に興じることができます。
ですが、ひとたび外を覗き込み、この小さな世界を包む泡が弾けてしまえば、巨大で暗黒の世界がこの小さな世界を恐ろしく押し潰してしまうのです……。 しかし、創作のプロセスの中で、私たちはこれらのキャラクターたちのことがどんどん好きになっていきました。そのため、シナリオのクライマックスに向かう際、ライターもアート担当も、可能な限りあらゆる可能性を模索し、キャラクターたちにたくさんのハッピーエンドのチャンスを与えました。
ゲームシステムを担当するメンバーまでもが、メカニクスの中にそれぞれのハッピーエンドに到達できる可能性を残してくれたのです。この点につきましては……クトゥルフの世界観において、穏やかな生活や最終的な幸福を手に入れるということは、考えてみれば不思議なことです。ですが、これこそがチームとして譲れなかったこだわりであり、どんな世界観であっても、主人公とキャラクターたちに幸せを届けたいと願っています。

――本作は非常に丁寧な翻訳が特徴的で、あれほどの文章量を丁寧に翻訳されている点に非常に感動しました。日本語ローカライズを行うにあたって、パブリッシャーである松竹ゲームズさんとはどのようなやりとりがあったのでしょうか?
Bone Nail:日本のプレイヤーの皆様に可能な限り正確で質の高いバージョンをお届けするため、パブリッシャーである松竹ゲームズ様には多大なご尽力をいただいております。協力の過程において、弊社からフルテキストを提供するのと同時に、【専用用語対照表】のようなリストも提供いたしました。これにはゲームのキャラクター名、クトゥルフ神話の専門用語、ゲーム独自の各種システムに関連するキーワードなどが含まれており、現地でのローカライズが統一かつ正確に行われるようサポートしております。
松竹様にも非常にプロフェッショナルな翻訳チームを手配していただき、テキストの翻訳および校正をご対応いただきました。原文の魅力をそのまま生かしつつ、精度の高い翻訳を目指して多大なご尽力をいただいたことに、心より感謝申し上げます。
――日本語版リリース以前から遊んでいた日本のユーザーもかなりいるかと思われますが、そういった日本のゲーマーからの反応はどういったものが多かったでしょうか?
また、今回のリリースにあたってこれから遊ぶ日本のユーザーにはどのような反応を期待していますか?
Bone Nail:以前、メンバーがごく少数だった頃のDiscordサーバーやXがあったのですが、日本語訳がない状態にもかかわらず、日本のプレイヤー様が訪れて質問やアドバイスをくださったことがあり、非常に深く感動いたしました。 私たちのゲームを遊んでくださるプレイヤーの皆様が、私たちとコミュニケーションをとる際の真摯でゲームを愛する心を感じております。今回のバージョンがリリースされた後、さらに多くの日本のプレイヤー様からフィードバックをいただけることを心より楽しみにしております。
――最後に、日本のファン、あるいはこれからこのゲームに出会う人たちに何か伝えたいことがあればぜひお聞かせください!
Bone Nail:私たちは、ゲームを通じてプレイヤーの皆様と交流できるひとつひとつの瞬間を大切にしています。
私たちが創り上げた世界が、ほんの一瞬でも皆様に喜びを感じていただけたなら、それは私たちにとって何よりも重要なことです。

『ヨグ=ソトースの庭』は、ニンテンドースイッチ/Steamにて日本語に対応して発売中です。











