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「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」あなたは叫んだ。「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
けたたましいブザーが鳴り響き、ベルトコンベアが停止した。あなたは虚脱に陥った。数分後、ばたばたと音がして、白い部屋の隅にある扉が開いた。あなたは虚脱したまま扉のほうを見た。そこには本稿の絵画担当であるHIKARUが立っていた。
「あれっ、HIKARUさんじゃないですか。どうしてここに?」
「おれはここのマグロ担当なんだよ」
「でも、ゲムスパの仕事は?」
「あんなしみったれたシノギで食えるわけねえだろ。バイトだよ。それよりどうした? おまえのセクションでブザーが鳴るなんて、はじめてのことじゃないか」
「ちょっとふらついちゃって」とあなたは言った。「いろいろ考えてたら、頭がいっぱいになっちゃって」
「ふむ」とHIKARUは答えた。「うーん、力になってやりたいが、まだシフトが終わっていないからなあ」
「そうですね」
そして扉がばたんと閉まり、労働が再開された。あなたは数分間、以前とまったく変わらない精度で食用菊を刺身の盛り合わせの中心に置き続け、それから、
16.赤いボタンに手を伸ばし、それを押した。
17.シフトの終わりまで労働を続けた。