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報道から見るゲームと宗教、歴史、文化―2019年末ニュース振り返り【年末年始特集】

宗教、歴史、文化は我々の日常生活とは切っても切れない関係である以上、ゲームとの関係性にも大きな影響を及ぼすことがあります。

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報道から見るゲームと宗教、歴史、文化―2019年末ニュース振り返り【年末年始特集】
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歴史上初めてのコンピュータゲームが産声を上げてから数十年の月日が流れ、いまやゲームは様々なカタチをとって、国を超えて老いも若きも男も女も昨日も今日も飲み込んで親しまれる大きな存在となりました。

ゲームセンターでの歓声、家ではお菓子とコントローラーを握りしめ、ボイスチャットでフレンドと海を越えて遊び、果ては世界大会が開催されるなどなど…最近ではスマートフォンの普及に伴いソーシャルゲームも広く遊ばれていますね。

そんな世界中で遊ばれるゲームですが、時には社会の壁にぶつかることもあります。開発された場所では表現など問題のなかったゲームが海の向こうではタブーに触れる内容だった…そういった宗教的、歴史的、文化的な壁にぶつかり問題視されることは、その最たる例ではないでしょうか。

今回の特集ではそういった背景から、規制などの話題で取り上げられたゲームと、それにまつわるニュースを紹介していきたいと思います。

Fight of Gods



皆さん御存知『Fight of Gods』は、世界の宗教からこれまた世界で有名な神々(またはそれに近しい存在)に参加頂いた格闘ゲームの問題作。タブー云々以前に、そのあまりにも直球ストレートなタイトルと破天荒なゲーム内容に各方面が「ねぇこれ大丈夫?大丈夫これ?」と物議をかもしたことは有名です。

以前Game*Sparkでも、どういう経緯で制作を決めたのかプロデューサーのChuan-Keng Wei氏にインタビューを行い「…(前略)様々な文化を世界中の人に紹介しようと思いました。様々な文化の神々を一堂に集めるというのは、とてもクールな見栄えだとも思います。」とのコメントを頂きました。

結果的にタイとマレーシアでは大丈夫じゃなかったのですが、今のところ日本国内では問題なく購入、プレイができるので全体で見れば大丈夫なようです。

参考記事:
マレーシア政府が同国からのSteamアクセスをブロック―神仏対戦格闘『Fight of Gods』の影響
神ゲー『Fight of Gods』がタイで配信停止、マレーシアに続いて制限
マレーシアでのSteamアクセスブロック解除!『Fight of Gods』は販売停止に
神仏対戦格闘『Fight of Gods』「様々な背景を持つキャラクターたちが一堂に集まる、というアイデアが好き」【注目インディーミニ問答】

Wolfenstein



一方こちらは歴史的な理由で、ドイツにおいて規制のかかった作品です。ドイツはゲーム内であってもナチス関連の表現に対しては極めて厳しく取り締まりを行い、過去シリーズにおいても「ヒトラーの髭を剃る」「ハーケンクロイツ(鉤十字)を毟る」「しゃべらせない」といった措置が取られました。

しかし2018年頃、ゲーム自体が持つ「芸術性」の側面に触れて規制が緩和され始めます。そして今年2019年、『Wolfenstein: Youngblood』および『Wolfenstein: Cyberpilot』が無規制で発売されるに至りました。とはいえ、ナチス関連については取り扱いが本当に難しいようで、本作とは別件ですが先日のSteamにおいても、関連表現の壁紙等が削除されるということがありました。

参考記事:
ドイツでゲーム内の「ナチス表現」に規制緩和…今後はケースバイケースでの審査に
『Wolfenstein』最新作、シリーズで初めてナチス表現含む無規制版がドイツで発売決定
Valve、ドイツ規制機関の報告を受けSteamからナチス関連の壁紙やユーザープロファイルを削除

PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG)』



本作には意外な方向からの「まった」が掛かりました。それは中国からの声で「社会主義と伝統文化ならびに道徳と規律から大きく逸脱している」と出版協会から否定的な意見が上がり、2017年当初は規制の動きまでありました。幸い、中国IT企業が独占運営権を得てゲーム内容の「修正」を行いこれを回避をすることができましたが、その後も規制への対応のためたとえば『PUBG Mobile』が『Game for Peace』へとリブートされる等がありました。

ちなみに少し主旨からずれますが、本作は中国以外ではネパール、イラク、ヨルダンの3か国で「暴力的である」ことを理由に規制がかけられました。ただしネパールは後に「表現の自由である」として撤回され、ファンもほっと一息つけたことと思います。

参考記事:
『PUBG』が中国で規制の動き?「社会主義の中核価値と中国の伝統文化や道徳的ルールから大きく逸脱している」
テンセントが『PUBG』の中国独占運営権を獲得、中国当局からの規制にも対応ー海外メディア
倒した相手が挨拶?中国版『PUBG Mobile』が『Game for Peace』へと変更、表現規制更新も実施
『PUBG』ネパールで禁止撤回の動き―「表現の自由」制限必要な内容でないと判断
イラクで『フォートナイト』『PUBG』が禁止に―社会や若年者への悪影響を理由に
ヨルダンで『PUBG』が禁止に…『フォートナイト』なども対象にあがるー市民の苦情や“ゲーム障害”への影響を考慮

こうしてみるとゲームがぶつかる宗教、歴史、文化の壁は高く厚いものがあり、乗り越えるためには配慮と大変な労力が必要のようです。その一方で、『アサシンクリード』シリーズや『シヴィライゼーション』シリーズのように、その壁自体を飲み込んで作品のテーマとするものもあり、様々なアプローチを取ることができるのもまた事実のようです。

特に『アサシン クリード ユニティ』は、ゲーム内で正確な建築データが使用されていることから、先の大火災で焼け落ちたパリのノートルダム大聖堂の復旧に役立てることができるのではないかと言われています。

参考記事:
『アサシンクリード』が火災被害受けたノートルダム大聖堂再建に役立つ? 過去にゲームに登場


ゲームが活躍する歴史が綴られるというのは素敵な話かもしれませんね。
《麦秋》

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