『太閤立志伝II』で別武将プレイ初解禁!
シリーズ第2作『太閤立志伝II』は1995年にPC、1996年にプレイステーション/セガサターン版が発売。家庭用ゲーム機版では一部のグラフィックやシステムに変更がくわえられています。本稿ではセガサターン版のスクリーンショットを使用しています。
立身出世物語を描くゲームの基礎となるシステムは前作そのままに、東北や四国、九州地域の追加や登場人物の大幅増加など、全体的にボリュームアップしています。技能もより細かくなり、キャラクターごとの個性もより際立つようになっています。
また、本作から織田信長以外の一部大名に仕えることができるようになり、さらにゲームとしての自由度が拡大。主命などでミニゲーム要素が追加されるなど、本作で追加された要素は後のシリーズにも多く取り入れられています。
本作独自の「同行者システム」は、配下の武将を連れて旅ができるというもの。戦闘で代わりに戦ってもらったり、同行者の技能を利用して主命を達成するなど、非常に便利なものでした。ただしこのシステムは以後採用されておらず、後のシリーズでは酒場で雇う用心棒くらいしか旅の仲間を作ることができません。
そして本作から豊臣秀吉以外にも「柴田勝家」「明智光秀」「新武将」でのプレイも可能になりました(隠しコマンド扱い)。自由に仕官できるようになった本作のシステムとあわせ、新武将プレイはまさしく「自由に歴史を作り出す」ことが可能になった本シリーズの大きな転機とも言えます。
よりドラマチックなストーリー型『太閤立志伝III』
『太閤立志伝III』は1999年にPC/プレイステーション向けに発売。シリーズで唯一「豊臣秀吉の足軽時代」の物語を描き、後の妻・ねねの父である浅野長勝の部下としてスタートします。アニメ調の立ち絵や人間関係など、ストーリー性を重視している作品です。
本作では城下町の概念があり、京や堺など一部の町を除き、すべての城で馬屋や米屋、宿屋などが利用可能に。また、独自のシステムとして「派閥」があり、派閥の力が評定での意見採用に繋がる大きな影響力を持っています。
派閥は武将との交流をより進化させたシステムとして面白いのですが、いくつか問題点も。ゲームに慣れてしまえば簡単に武将と仲良くなれるため「足軽から出世したばかりの秀吉が家老格を差し置いて最大派閥」といった状況も簡単に起こせてしまうのです。
また、ドラマチックなストーリー型になり、個別のイベントやグラフィック強化がされた一方で登場武将数が大幅に減少。PC版では自由な仕官も不可能になっていましたが、プレイステーション版では新要素として追加されています。なお、他武将プレイは秀吉以外にオリジナル主人公「簗田政勝」のシナリオが用意されています。
歴史イベントの大幅増加や分岐、秀吉を取り巻く人間関係など、物語を楽しむゲームとしては間違いなく面白い作品です。派閥も秀吉の「人たらし」を象徴している遊び方もできるため、本作独自の魅力にあふれています。ただし、結果としてゲームとしての自由度は大きく減少した作品ではあります。