アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。
ゲーマーのみなさんに古今東西の素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。今回取り上げるのは、1995年にアーケード用アクションとして初登場した3Dロボット対戦アクション『電脳戦機バーチャロン』です。
巨大人型兵器を取り巻くSF物語
『電脳戦機バーチャロン』は、セガが手がける“本格的ロボット対戦アクションシューティングの元祖”として1995年にデビュー。2025年11月27日に誕生から30年を迎えた、3Dロボットアクションゲームです。
セガが開発した高性能CG基板「モデル2」を使用しており、同基板は『バーチャファイター2』『ファイティングバイパーズ』などの作品でも知られています。
ボタンの付いたツインスティックで操作する専用筐体のアーケードでは、プレイヤーは個性豊かなバーチャロイドから好きな機体を選んでステージをクリアしていくのが目的です。ツインスティックを使った攻撃やダッシュ、ジャンプなどのスピード感あふれる対戦ゲームとして、当時から多くのファンの心を掴んでいました。



本作の舞台となるのは、電脳暦(VC)と呼ばれる時代。人類の生活圏は月にまで広がり、さらなる宇宙進出を目指して研究が続けられていました。
そんな中で、ロボット開発プロジェクトを進めていた「DN社」は月の遺跡から得られた技術を独占し、巨大人型兵器バーチャロイドを作り出して武力強化を進めていきますが、やがて月の遺跡が暴走する大きな事件が勃発します。
プレイヤーは、暴走した遺跡を鎮圧する「オペレーション・ムーンゲート」を遂行するのが目的。しかし月は乗っ取られたバーチャロイドたちに護られています。
また、ゲーム内の操作機体はVRシミュレータゲーム「バーチャロン」で遠隔操作をしているという設定も。世界の設定はかなりSF感たっぷりで、公式サイトでもその詳細が公開されています。





シリーズはその後も続き、続編はアーケードや家庭用ゲームで展開。2018年にはなんと、「とある魔術の禁書目録」とのコラボゲーム『電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機』もPS4/PS VIta向けに発売されています。
さらに、2019年には初期3作を収録した『電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』がPS4向けに発売されました。
個性豊かなバーチャロイドを使いこなせ!
初代作『電脳戦機バーチャロン』では、さまざまな戦闘スタイルが特徴の8体のバーチャロイドが使用可能です。
汎用性の高い「テムジン」や、機動性と飛行性能に優れた「バイパーII」、高火力と装甲を誇る「ライデン」、独自のシステムを搭載した女性型機体「フェイ・イェン」など、いずれも異なる性能を持っています。
操作は3種類の武器による攻撃と近接攻撃、ダッシュとジャンプが基本的。武器は誘導性が高いものが多く、敵を正面に捉えている状態ではロックオンもできるため、相手の視界から外れつつこちらが逆に死角を突くといった、敵の攻撃や移動の隙を狙うような戦い方も必要です。




シンプルな操作形態ながらテクニックも多く、ダッシュやジャンプ後の硬直や、隙を防ぐためのキャンセル操作も用意されています。
本作では「ジャンプすると敵の方を向く」という仕様があり、使いこなせれば通常の旋回よりも素早くロックオン可能。一方で、ジャンプするのは相手に狙われやすくもなるので、ジャンプキャンセルの使いどころは重要です。
さらに、ダッシュやジャンプ中で武器の強さが異なる仕様なのも、本作の大きな特徴。同じ銃であっても通常の立ち状態で撃つのと、前ダッシュ・左右ダッシュ・後ろダッシュ・ジャンプ・しゃがみなどの動作中に発射する場合で弾数や性能が変わるといった武器も多く、武器ゲージの消費量も異なります。



もちろん機体自体の性能差も大きく、機体によっては決まった状況のみ使える攻撃なども存在しています。
公式オンラインマニュアルでは、機体性能や特殊技なども閲覧可能です。今さらですが、マニュアルがオンラインでいつでも見られるゲームが多い今の時代ってすごいですね!





強敵との戦いも!実は……出現条件などが超特殊
ゲーム内では登場するバーチャロイドとの戦いだけでなく、強力なボス戦も待ち受けています。
なかでも中ボス「ヤガランデ」は、圧倒的な武器で多くのプレイヤーの壁として立ち塞がる強敵。慣れないうちは簡単に倒されてしまうと思いますが、実はこのヤガランデにはとある仕掛けが施されています。
本作のステージ前半は“電脳空間の試験”という設定であり、ヤガランデはそこでの中ボスとして登場します。そのため、このヤガランデはとある兵士たちが遭遇・壊滅した事件での「幻影のようなもの」であり、実体ではありません。ゲーム中では特殊な演出で登場しています。



そしてこのヤガランデの面白い点として、「前半ステージで敵を倒すのに手こずっていると出現する」という条件があります。
また、恐るべき強敵ですが「コンティニューすると弱くなっていく」という特徴も。その存在自体が世界観の設定を活かしている上、ゲームとしての救済措置でもあり、一種のペナルティにもなる中ボスです。
とはいえこういった要素はゲーム内で語られるわけでなく、ゲームセンターで遊んだ当時は「すげえ強いなこのボス!」と思いながらプレイしていました。出現条件もあり、ゲームに慣れていくほど戦わなくなるという仕様のキャラクターですが、やはり多くのプレイヤーにとって忘れられない存在だと思います。




基本的に、『電脳戦機バーチャロン』は難しいゲームです。前半から対戦するバーチャロイドは強力なものが揃っていますし、戦いの中でテクニックを磨かなければヤガランデはもちろん、その先のステージやラスボスにたどり着くのも至難の業です。



ツインスティックの魅力は格別
なお今回のゲームプレイおよびスクリーンショット撮影は、『電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』を使用して行いました。家庭用ゲーム機版はしっかりとコントローラーでのプレイにも対応しているのでストレスなく遊べるものの、久し振りに初代をプレイしていて、やはりツインスティックが欲しいなと少し思いました。
かつてゲームセンターで遊んでいた当時の思い出は、何と言っても「スティックの操作感が楽しい!」というもの。2本のスティックを前後に倒せば旋回し、外に広げればジャンプ、そこから内に倒せばジャンプキャンセルと、スティックを思う存分動かしている感じが没入感を増していたのだと思います。




そんな『バーチャロン』シリーズで、今絶対に紹介しなくてはならないのが、体組成計やキッチングッズなど多くの製品で知られるタニタでしょう。タニタ社長の谷田千里氏は、前述した『とある魔術の電脳戦機』の発売を機に、「ツインスティック・プロジェクト」の始動を宣言します。
それは、『とある魔術の電脳戦機』の発売時にツインスティックが作られないことを知った同氏が、セガに「自分たちが製造したい」と要請したことから始まりました。製作にあたってはクラウドファンディングでのプロジェクトを開始し、3回中2回が目標額を達成。その後は再生産も行われています。
このプロジェクトではシリーズ作品のオンライン大会「TANITA CUP」の運営も行われ、2025年には第5回目となる「TANITA CUP 2025 -FINAL MISSION-」も開催されました。プロジェクトの公式Xアカウントは今も活動しており、イベントへの参加情報なども掲載しています。
『電脳戦機バーチャロン』は、その後も続くシリーズの初代作としてとても大きな意味を持っています。カトキハジメ氏によるバーチャロイドのデザインや抜群の個性はもちろん、難易度の高い戦闘でのスピード感や多彩なテクニックなど、さまざまな点が素晴らしい魅力です。
惜しむらくは、『電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』がPS4でしか発売されていないこと。『電脳戦機バーチャロン マーズ』『とある魔術の電脳戦機』は収録されていないものの、初期3部作がオンライン対戦を含めて遊べるので、贅沢な話とはいえPCなど他プラットフォームでも遊べたら喜ぶ人もいるだろうな……と思ってしまいます。


『電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』には、他にも『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム Ver.5.66』『電脳戦機バーチャロン フォース』も収録されています。
なお12月22日まで70%オフの1,485円という驚きの価格で購入できるので、シリーズファンやロボット戦闘好きは要注目です!














