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私が愛した初代『アーマード・コア』三部作【オリーさんのロボゲーコラム】

当時イギリスでは『PP』以降が発売されなかったとか。

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私が愛した初代『アーマード・コア』三部作【オリーさんのロボゲーコラム】
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『アーマード・コア マスターオブアリーナ』のオープニングCGムービーは、今でも私のお気に入りのひとつ

先日、『アーマード・コア』シリーズへの独自の視点からの言及をきっかけに、多くの日本人から「ロボゲー・ロボアニメ詳しすぎな外国人」として知られるようになったオリー・バーダー氏。実は、氏はゲームやアニメを中心として日本サブカルを海外に長年伝えてきた記者であり、様々なタイトルにかかわってきたゲームクリエイターでした。


弊誌の取材に対して、そんな氏がこぼした最近の悩みと言えば「ロボゲーを作らせてくれるスタジオが見つからない!」ということなのだそう。そこで、本稿では、氏の文章を通じて、氏のもつ「ロボゲー・ロボアニメ」への視点や美学の一端をお伝えしていきたいと思います。


ロンドンのゲームセンターに通い、『バーチャロン』を遊んでいた頃、家庭では『アーマード・コア』にも夢中になっていました。あの高速なメカ戦闘は、当時の私にとって非常に魅力的なものでした。

当時のイギリスでは、すでにPC向けに『メックウォリアー2』や初代『ヘビーギア』が発売されていました。しかし、それらは動きが遅く、重々しく、不格好に感じられるゲームであり、登場するメカのデザインも私にはあまり魅力的には映りませんでした。

そうした中で、1998年にイギリスで初代『アーマード・コア』が発売された時、それはまさに新鮮な衝撃でした。スピーディーなゲームプレイに加え、河森正治氏による素晴らしいメカデザインも相まって、私自身のPlayStationを購入する決め手になったほどです。

アーマード・コア』(1997年)

日本では1997年に発売された本作ですが、イギリスでの発売は1998年でした。当時、私はまだPlayStationを持っていなかったため、友人のものを借りて遊んでいました。しかし、1999年に大学へ進学した際、最初に購入したもののひとつがPlayStationと『アーマード・コア』でした。

私はこのゲームを夢中になって遊び、そのほとんどすべてを気に入っていました。高速かつレスポンスの良い戦闘から、奥深いカスタマイズ要素、そして素晴らしいメカデザインに至るまで、非常に魅力的でした。

数年前にはすでに「マクロスプラス」に強く惹かれていたこともあり、同じデザイナーである 河森正治氏が手掛けたメカが登場するゲームを遊べたことは、とても嬉しい体験でした。

また、本作には多彩で豊富なミッションが用意されており、物語には分岐ルートも存在していました。対戦プレイも非常に楽しく、大学ではさまざまな人にこのゲームを紹介したものです。

アート:河森正治

強化人間の解放をはじめ、さまざまな隠し要素もあり、空中を自在に飛び回りながら爆発的な攻撃を仕掛ける機体を作るのが本当に楽しかったです。あまりにも遊び込んだ結果、101%クリアまで達成しましたが、あれはきっとバグだったのではないかと思っています。

また、初代『アーマード・コア』で初めてムーンライトブレードとカラサワライフルに出会ったのも思い出深いです。これらは、その後の『アーマード・コア』シリーズでも定番装備となっていきました。

しかし、そんな日々も『プロジェクト・ファンタズマ』の存在を知り、それがイギリスでは発売されていないと気づいたことで大きく変わることになります。

この話は、後日、私が社会に出てからのまた別のエピソードにつながっていきます。

海外における不安定な発売状況、その原因とは…

イギリスで『アーマード・コア』のファンでいる上で、最も奇妙だったことのひとつは、初代作の後に続く2作品がイギリスでは発売されなかったことです。

その理由については、何年も後になって知ることになりました。私がDisneyで働いていた頃、以前にSCEE(Sony Computer Entertainment Europe)で働いていたプロデューサーと仕事をする機会がありました。彼によれば、続編が発売されなかった理由の一端は自分にあったとのことでした。というのも、彼が初代作について「見た目があまり良くない」という批判的な社内レポートを書いた人物だったのです。

本人もその件については多少の罪悪感を抱いていたようですし、実際には非常に優秀なプロデューサーでした。ただ、当時のイギリスでは、『ワイプアウト2097』(日本では『ワイプアウトXL』)のような、活気があり洗練されたPlayStation向けタイトルが数多く存在していました。そうした作品は色彩豊かでスタイリッシュであり、有名アーティストによる音楽も特徴の一つでした。

当時のSCEEにとって、PlayStationとはそういったタイトルを主軸とし、流行のロンドンのナイトクラブで遊ばれるような存在でもありました。そのため、『アーマード・コア』のような複雑で奥深いメカゲームは、そのイメージとはあまり合致していなかったのです。

いずれにしても結果として、学生時代の私は初代『アーマード・コア』以降、日本版へと移行することになりました。セーブデータを引き継ぎながら、シリーズの新作を継続して遊ぶためです。

アーマード・コア プロジェクトファンタズマ』(1997年)

この頃から、私はシリーズの日本版を遊ぶようになっており、『プロジェクトファンタズマ』も非常に楽しみました。特に大きかったのは、初代作のセーブデータを引き継げたことです。そのおかげで、強化しきった自分のACを使い、ほとんど無双状態でミッションを攻略できました。

本作ではミッション数こそやや少なくなっていたものの、新たに他のレイヴンたちと戦えるアリーナモードが追加されました。

これが非常に面白く、私はあっという間にゲーム内の要素をすべて遊び尽くしてしまいました。

物語についても、今回はよりアニメ的な演出になっており、各ミッションに継続して登場するキャラクターが用意されていました。私は 速水奨さんの大ファンでもあるので、スティンガー役を演じていたのは本当に嬉しかったです。

また、ファンタズマとの最終決戦も非常に楽しかったです。あの奇妙な“ディスコ・インフェルノ”のような攻撃を繰り出してきた時でさえ、強く印象に残っています。

追加された新パーツも全体的にかなり強力で、大学の友人たちとの対戦では、思わず笑ってしまうような試合になることも少なくありませんでした。

この頃には、私はすでにかなりの人数を『アーマード・コア』の世界に引き込んでいましたし、同時に『バーチャロン』の遊び方も教えていました。というのも、学生会館に『バーチャロン』の筐体を導入してもらえるよう説得することに成功していたからです。

友人たちも『プロジェクトファンタズマ』をとても気に入っており、よく私のところへ遊びに来て、一緒にゲームを楽しんでいました。

アーマード・コア マスターオブアリーナ』(1999年)

本作は、それまでの2作品から大きく進化したタイトルであり、グラフィックエンジンの刷新に加え、新パーツや新たなメカデザインも多数追加されていました。

特にアリーナモードは大幅に拡張されており、対戦相手となるレイヴンを自作できるだけでなく、パイロットAIまで設定できたのは非常に印象的でした。

ミッションも素晴らしく、内容にしっかりとしたバリエーションがありましたし、前作のセーブデータを引き継げたことも本当に助かりました。

さらに、初代『アーマード・コア』に登場したナインボールも復活し、最終ボスとして変形機構を備えた新型兵器「ナインボール・セラフ」が登場しました。

ナインボールは、初期の『アーマード・コア』シリーズにおいて、常に恐ろしい強敵でした

個人的に少し驚いたのは、檜山修之さんがハスラー・ワンを演じていたことです。当時、私の中では、彼は「ガンダム 第08MS小隊」のシロー・アマダ役の印象が強かったので、少し不思議な感覚がありました。

いずれにせよ、シリーズの中でおそらく最も遊び込んだのが本作でした。しかも2枚組だったため、別々のPlayStationを使った対戦プレイが可能で、大学の講義室にある複数のプロジェクターを使って遊ぶこともできました。

ただ、私は他の人より少し上手すぎることが多かったので、こうした対戦にはあまり参加しませんでした。せっかくなら、みんなに自分自身でゲームを遊び、楽しんでほしいと思っていたからです。

とはいえ、大画面と巨大な音響設備でプレイする体験は、何度味わっても特別なものでしたし、今でも大切な思い出の一つになっています。

PlayStation 5版およびPlayStation 4版での再配信、しかし「クロスセーブ」は未対応

ごく最近、これら初期3作品の『アーマード・コア』がPlayStation 5およびPlayStation 4向けに配信されました。当然ながら、私は3作品すべてを購入しました。

しかし、オリジナル版に存在していた、セーブデータを作品間で引き継げる機能――いわゆる「クロスセーブ」は実装されていませんでした。

私はこれを少し不思議に感じました。というのも、PlayStation Europeの知人たちに確認したところ、すでにPS4/5にて存在する「クロスセーブ」機能は(再配信タイトルにおいても)セーブデータを異なるゲーム間で転送するための仕組みとしても使えるからです。

すでにこの機能を採用しているゲームも数多く存在するため、今回なぜ対応しなかったのか、正直なところよく分かりません。

もちろん、私は フロム・ソフトウェアの開発チームがこの点を改善し、本来の仕様どおりにセーブデータを引き継げる仕組みを実装してくれることを期待しています。やはり、これらのゲームは本来意図されていた形で遊びたいと思うからです。

余談ですが、この再配信版に関しては少し嬉しい個人的な出来事もありました。PlayStation 5版のプレイ動画をYouTubeにアップロードした際、ある登録者の方が「王の帰還(The Return of the King)」とコメントしてくれたのです。それを見て、思わず笑顔になりました。

再配信版ストアページ

いつの日か、すでに私の手元にある、再び最初から最後までクリアし101%達成まで到達したPlayStation 5版の初代『アーマード・コア』のデータを続編へ引き継げればと、願わずにはいられません。


オリー氏とともに「ロボゲー」を作ることに興味のあるスタジオや団体は、この記事の末尾にある氏のプロフィールから個別に問い合わせていただけますと幸いです。

ライター:オリー・バーダー,編集:Akira Horie》



ライター/ゲームデザイナーであり、Forbes の寄稿者、そしてどうやら「日本のメカ専門家」。 オリー・バーダー

オリー・バーダーは、日本のゲーム業界やポップカルチャー全般を取材・執筆しており、日本のクリエイターへの数多くのインタビューも行っています。また、メカ系ゲーム専門サイト「Mecha Damashii」を創設し、パブリッシングおよび開発の両分野において、20年以上にわたるゲーム業界での豊富な経験を有しています。

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Akira Horie

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