気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Rattleaxe Games開発、PC/Linux向けに6月11日にリリースされたシンプルRTS『デスクウォーズ:兵団乱闘』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、シンプルで手軽にバトルを楽しめるリアルタイムストラテジー。プレイヤーは自身の拠点を防衛しつつユニットを指揮し、敵部隊の殲滅を目指します。25種類のミッションに挑戦するキャンペーンモードにくわえ、ローカルマルチプレイなどにも対応しています。日本語にも対応済み。
『デスクウォーズ:兵団乱闘』は、1,700円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
ThomasRattleaxe Gamesでディレクター、そして『デスクウォーズ:兵団乱闘』のプログラマー兼デザイナーを務めているThomas Patersonです。2年前にレイオフに遭ったのをきっかけに、私と友人たちは「ここ数年、リリース直前になってプロジェクトがキャンセルされてばかりだったので、自分たちが情熱を注げるゲームを今度こそ完成させて、世に送り出そう」と決意しました。
好きなゲームを1つ選ぶのは難しいですが、おそらく『バルダーズ・ゲート2 シャドウ オブ アムン』でしょう。ただ、『スタークラフト』や『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』、『Age of Wonders 4』も大好きな作品です。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Thomas『デスクウォーズ:兵団乱闘』の最も特徴的で面白い要素は、RTSとタワーディフェンスをシンプルな形に融合させ、コントローラーでの操作やローカルマルチプレイに対応させた点だと思います。私たちは、プレイヤーの主なアクションを「建物の建設」と「大まかなユニットへの指示」に絞り込み、それ自体がゲームの中心として十分に面白くなるよう注力しました。これにより、無駄を削ぎ落とした戦略の体験が可能になったのです。また、この操作方法や拠点建設システムに合わせるため、独自のインターフェースや経済システムを考案する必要もありました。
このアイデアは、随分前に開催されたゲームジャムでゲームを作る際、「ローカルマルチプレイに対応したRTSはどうすれば作れるか」を考えていたのが発端です。その後、プロジェクトを再び本格的に始動させた際、チームや友人たちと何度もテストプレイを重ねながら、実験と改善を繰り返してこのコンセプトへと急速に進化させていったのです。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Thomasビジュアル面や一部のシステム(指揮官と、戦局を大きく変える彼らの特殊能力)については、『ゲームボーイウォーズアドバンス』からインスピレーションを得ています。コアとなるゲームシステムは、私たちが長年にわたってプレイしてきた様々なRTSやタワーディフェンスゲームを組み合わせたものですが、特に『Galcon』からは大きな影響を受けました。
ストーリーに関しては、昔の戦争映画、とりわけ冷戦期を舞台にした映画から影響を受けています。作中にはいくつかのオマージュが散りばめられており、映画「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』から直接的な影響を受けたキャラクターも1人登場します。また、核兵器が実在する前に書かれた、核戦争の可能性を描いた古い短編小説「Solution Unsatisfactory」からも影響を受けています。
基本的には本作のストーリーは、日々募っていく核戦争への私自身の不安や焦燥感を描いたものとなります…。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Thomas特に印象に残っているものが2つあります。
1つ目は、開発の最初の1ヶ月間です。私たちは2人ともGodotを学びながら、早いスピードでゲームシステムの改良を重ねていました。毎日昼間は作業に没頭し、夜になるとテストプレイを行い、新しく導入したシステムやアートの出来栄え、そして次にどう改善していくかを話し合っていたのです。
2つ目は、デモ版を公開した時のことです。実はそこまで大きな期待はしていなかったのですが、まだ中国語のローカライズを実装していなかったにもかかわらず、中国でウィッシュリストの登録数が爆発的に伸びました。これには本当にワクワクしましたね。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Thomas全体として非常に好意的な反響をいただいており、シンプルなRTS体験とアートスタイルの両方を、多くの皆さんに大いに楽しんでいただいています。ファンの方々が本作のアイデアやシステムについてフィードバックをくれたり、バグ探しを手伝ってくれたりするのは、本当にありがたい限りです。
何よりも一番驚いたのは、「Dr. Strangehue」がこれほどまでにプレイヤーの皆さんに愛されていることです。Steamのプロフィール画像や私たちのDiscordサーバーのアバターに、彼の顔のグラフィックを使ってくれているファンがたくさんいるんですよ。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Thomas新しい勢力として、小説「アルジャーノンに花束を」にインスパイアされた地下のネズミ勢力の追加を計画しています。ファンの方々とこのアイデアについて話し合ってみたところ、かなり強い興味を持ってもらえました。すでにデザインについてのフィードバックを募っており、今後はこの新勢力や新しいキャンペーンミッションのベータテストを、コミュニティと協力しながら進めていく予定です。
また、本作を様々なコンソール、特にスイッチ2へ移植することも検討しています。
――本作の日本語対応について教えてください。
Thomasありがたいことに、東アジアのパブリッシャーであるGamerskyが素晴らしいサポートをしてくれました。ゲーム本編のローカライズはもちろんのこと、Steamストアページのローカライズまで手伝ってくれたのです。そのため、本作は日本語に完全対応していると言えるでしょう。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Thomasやっていただけると嬉しいですね。ぜひお願いします。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Thomas本インタビューを読んでいただき、ありがとうございます。もし『デスクウォーズ:兵団乱闘』をプレイしていただけるようでしたら、私たちがこのゲームの開発を心から楽しんだのと同じくらい、皆さんにも本作を楽しんでいただけると幸いです!
そして、もし何かアイデアがありましたら、ぜひ教えてください。本作に採用された最高のアイデアの多くは、ファンの皆さんから寄せられたものなのですから!
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に1,000を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








