2026年2月8日、東京都浜松町産業貿易センターにてインディーゲーム展示イベント「東京ゲームダンジョン11」が開催されました。本記事では出展タイトルから『トー京Xtrip』のプレイレポートと開発者インタビューをお届けします。
●トー横 x SF、なのにリアリティあふれる異色のアドベンチャー
トー京XTripは、トー横から着想を得た地雷系青春アドベンチャーゲームです。主人公(デフォルト名:白マスク)は記憶を失った状態で架空都市「トー京」で目覚め、「界隈」の仲間たちと交流を重ねながら奇妙な噂を追いもとめ真相を探ります。

本作をプレイしてまっさきに目をつくのは強烈なキャラクターたち。プロフィールを羅列するだけでも「元ヒモ」「動画配信者」「地雷系ファッション」「量産型女子」「闇バイター」など、総勢9人近いキャラクターがプレイヤーを出迎えます。

もっぱらフィクションにおいて冒頭から大人数が出てくると全容を把握しきれなくなりがちですが、本作はそれぞれのぱっと見(ビジュアル)の属性と言動のそれっぽさからキャラクターの区別が容易につき、それでいて一面的なテンプレっぽさだけで済ませない個性をそれぞれ持ち合わせていることが伝わってきます。

主人公は記憶を失っていてスマホも初期化されて情報が残っておらず、周囲を頼って交流を重ねていきます。その過程で主人公はさまざまな行動をとることになりますが、それがロールプレイにつながるのです。本作は自制心がテーマになっていて、プレイヤーのとった選択肢やアクションに応じて自制心が増減し、ゼロになるとゲームオーバーとなります。ゲームの構造としてはパラメータが増減するだけとはいえ、セリフ回しや選択から伝わってくる印象はかなり社会派です。
なお、本作は「トー横 × SF」というかなり目新しい組み合わせも特徴的です。「界隈」の一部の人にだけ見える、起きる超常現象や災いがあるといったものですが、試遊版の範疇ではそれのミニゲームがひとつありました。具体的にストーリー展開にどう絡んでくるのかは、製品版を待ちたいところ。
●界隈へのリスペクトとイマジネーションを組み合わせた作品に。
ここからは、『トー京Xtrip』開発者のあまつ3A氏へのインタビューをお届けします。
――本作の開発を始めた時期を教えてください。
あまつ3A:2024年10月からです。開発期間は(インタビュー時点で)1年3ヶ月くらいになります。
――いわゆる「トー横」に着想を得たきっかけは何だったんでしょうか。
あまつ3A:もともと社会問題として関心があったというのが大きいです。当事者の方へのリスペクトを込めて作品を作りたいという思いがありました。そこに異世界やSFの要素を組み合わせたら面白いんじゃないかと考えて、「トー横 × SF」という現在の形になりました。

「トー横系」の「界隈」特有の言葉づかいやふるまいって、外から見ると誤解されやすい部分もあると思うんです。そういった言葉や文化を再解釈して、「もし界隈の冗談が本当だったらどうなるんだろう」といった発想を物語やSFの設定に反映しています。
――キャラクターの造形はリサーチもされているのでしょうか。
あまつ3A:TikTokなどで実際に発信されている方を見たりトレンドを意識したりしていて、そこにアドベンチャーゲームとしてのバランスを保つために多様なキャラクターを設計しました。
――ゲーム内の行動をいいね数で表現するなどロールプレイ的な要素も特徴的です。特に選択を通して「自制心」(※展示版ではカット)をロールプレイさせるつもりなのが興味深いと思いました。
あまつ3A:アドベンチャーゲームは読むことが中心になるので、プレイヤーに少しでも没入感を持ってもらうために自制心やいいねシステムを採用しました。特に「自制心」は物語の伏線にも関わる重要な要素としてシステムに絡めています。

――本作を通して描くテーマについて教えてください。
あまつ3A:本作のテーマは自己受容です。自己肯定感を持ちにくい人でも「そのままの自分を受け入れていい」というメッセージを込めています。現代の日本に響く一つのテーマとして描いています。
また、本作が取り扱うモチーフそのものだけでなくキャラクターたちを含めて誤解が生まれやすい半面、それを『プレイヤーの先入観を覆していく』という構造の面白さにつなげている作品でもあります。
――ありがとうございました。
『トー京Xtrip』はSteamにて2026年内に無料配信予定。Plicyにて無料体験版(※セーブデータ引継ぎ未対応)も配信中です。









