気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、CelLab開発、PC向けに4月30日にリリースされた爽快横スクロールアクション『機核覚醒~ルルムの決意~』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、可愛いキャラクターたちが特徴の2D横スクロールアクション。操作可能なキャラは2人で、それぞれの戦闘モードや強化方法が異なる他、装備や装備強化システムなど様々な要素を搭載しています。日本語にも対応済み。
『機核覚醒~ルルムの決意~』は、1,980円(7月10日までは20%オフの1,584円)で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
セルシス私は2008年から台湾でインディーゲームの開発を続けているゲームデザイナーのセルシスです。私自身、台湾のAI顔認証ソフトの企業で勤務するご縁があり、その中で培ったAIやロボット産業に対する私なりの考察やビジョンを、『機核覚醒』シリーズのストーリーにも投影しています。
個人的に一番好きなゲームは『サガ』シリーズです。子どもの頃に初めて触れたRPGが『ロマンシング サ・ガ2』だったこともあり、私にとって非常に特別な作品です。近年発売された『サガ エメラルド ビヨンド』も、ここ10年間で最も没頭してプレイしたゲームです。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
セルシス『機核覚醒~ルルムの決意~』は、可愛らしいグラフィックをベースに、「爽快感」と「シンプルさ」を追求したアクションゲームです。横スクロールアクションに「敵の同時撃破」という要素を融合させることで、強敵でも一瞬で仕留められるチャンスを組み込みました。
このアイデアの原点は、私が子どもの頃にプレイしたPS2ソフト『Shinobi』の「殺陣システム」にあります。当時からこのシステムが大好きで、「いつか自分のゲームにもこのような要素を取り入れたい」とずっと願い続けており、それが今回ようやく形になりました。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
セルシス横スクロールアクションの部分は、『蒼き雷霆 ガンヴォルト』シリーズから非常に強い影響を受けています。この作品は、ゲーム内のキャラクターが格好よく活躍するだけでなく、プレイヤー自身にも「俺、今めちゃくちゃ上手いプレイをしてる!」と思わせてくれ、それが私にとって最高の体験でした。
また、複数の形態を切り替えて戦うシステムに関しては、『真・三國無双 ORIGINS』を参考にしています。この作品からインスピレーションを得たおかげで、最終的にルルムの多彩な戦闘モードのバランスを非常に良い形でまとめることができました。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
セルシスこれまでの翻訳作業といえば、ただ翻訳者の方に原稿をお渡しし、限られた修正回数の中で各言語のテキストを決定していくしかありませんでした。しかし、本作のプロジェクトがいよいよ大詰めを迎え、多言語対応を進めるにあたり、「AIで翻訳したものをベースに、自分たちのチームメンバーで校正・推敲を行う」という方法に初めて挑戦してみることにしたのです。
その作業の過程では、「各言語におけるセリフのニュアンス」や「キャラクターの個性をどう表現するか」について、チーム内で徹底的にディスカッションを重ねました。確かに、私たちの語学力はプロの翻訳家の方々には及びません。しかし、キャラクターの性格や魅力を誰よりも正確に把握しているのは、他でもない私たちチームです。AIが提示してくれた膨大な言葉の選択肢の中から、キャラクターに最も相応しい表現をチームで選び抜いていった結果、これまでの作品の中で「最高」と言えるクオリティの翻訳版を完成させることができました。
この一連の経験は、まさに「新しい時代の到来」を肌で実感させてくれるものとなりました。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
セルシス多くのコメントで「このゲームはシンプルで面白い」と書かれているのを目にし、本当に感動・感激しました。
これまでに制作してきた作品では、プレイヤーの方々から「ゲームが難しすぎる」という不満の声をいただくことが多々ありました。そのため、本作を設計するにあたっては、高度な操作や、倒せないような強敵をできる限り排除しようと心に決めていました。
操作の心地よさや敵の強さを何度も見直し、「簡単だけど飽きない、単調にならない絶妙なバランス」を目指して調整を重ねてきたので、このように狙い通りのフィードバックをいただけたことは、作り手として本当に感無量です。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
セルシス直近で完成した最新作では、もう一人の主要キャラクターである「こはる」の視点で描かれるストーリー「こはるノ章」を実装しました。
この章の設計にあたっては、あえて「敵側の難易度バランス」を一切考慮せずに強力な敵を配置し、その後にこはる自身の性能を極限まで引き上げる、というアプローチを取りました。
これにより、プレイヤーは強敵の圧倒的な脅威を感じつつも、同時にこはるというキャラクターの「無敵感」を存分に体験できるようになっています。一見すると突破困難に思える敵を、実際には爽快に一網打尽にできる爽快感を楽しんでいただける仕上がりになりました。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
セルシス問題ありません。私たちにとっては、一人でも多くの方にこのゲームに注目していただけることが何よりの喜びです。
――最後に読者にメッセージをお願いします。
セルシスこのゲームを開発していた数年の間にも、ゲーム業界には多くの変化がありました。一時は「最近流行りのローグライク系にゲームシステムを変更すべきだろうか」と悩んだこともあります。
しかし最終的には、やはり「自分が最も好きだと思えるゲームスタイル」を貫き、この作品を完成させました。ですので、私自身がこのゲームを愛しているのはもちろんのこと、プレイヤーの皆さんにも同じように楽しんで、好きになっていただけたらこれ以上の幸せはありません。
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に900を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








