
先日、『アーマード・コア』シリーズへの独自の視点からの言及をきっかけに、多くの日本人から「ロボゲー・ロボアニメ詳しすぎな外国人」として知られるようになったオリー・バーダー氏。実は、氏はゲームやアニメを中心として日本サブカルを海外に長年伝えてきた記者であり、様々なタイトルにかかわってきたゲームクリエイターでした。
弊誌の取材に対して、そんな氏がこぼした最近の悩みと言えば「ロボゲーを作らせてくれるスタジオが見つからない!」ということなのだそう。そこで、本稿では、氏の文章を通じて、氏のもつ「ロボゲー・ロボアニメ」への視点や美学の一端をお伝えしていきたいと思います。
前回の『アーマード・コア2』についてのコラムに続き、今回は『ガングリフォン ブレイズ』も海外でかなり人気があったことについて少しお話ししたいと思います。ただ、それを説明するためには、まず初期の『ガングリフォン』シリーズについても触れておく価値があると思います。
以前、『MechWarrior』シリーズとその海外での人気についてコラムで取り上げましたが、『ガングリフォン』シリーズは、機能性を重視したアプローチという点で多くの共通点があります。
一人称視点を採用し、高速なビークルシミュレーターのようなゲームとして作られていることを考えれば、『ガングリフォン』は海外でも大ヒットしていたはずだと思うでしょう。
最終的には人気を得ましたが、残念ながら初期作品はセガサターンで発売されたことが、ある程度足かせとなってしまいました。
『ガングリフォン』(1996年)

初代『ガングリフォン』の舞台は、当時から見れば未来にあたる2015年でした。気候変動と残された資源を巡って世界各地で戦争が起きているという設定で、今振り返ると、不気味なほど現実を予見していたように思えます。格好いいメカが存在するという点を除けばですが。
プレイヤーはAWGSと呼ばれるメカを一人称視点で操縦します。スコープドッグのように地上を高速で滑走できるだけでなく、ジャンプや飛行も可能でした。
本作はアメリカとヨーロッパでも発売され、批評面では非常に高い評価を受けました。
実際、当時のアメリカのゲーム雑誌の多くは、その非常に先進的なゲームプレイとグラフィックを高く評価し、『Krazy Ivan』(実質的には『MechWarrior 2』の模倣作でした)のような同時期の欧米製メカゲームをはるかに凌駕していると評していました。
しかし、日本とは異なり、アメリカやヨーロッパではセガサターンの販売が非常に低調でした。そのため、『ガングリフォン』はメディアから非常に高く評価されていたものの、ゲーム自体が十分に売れる機会には恵まれませんでした。
ゲーム自体の操作はかなり複雑でしたが、非常によく作り込まれており、ボリュームは短めながらも、プレイしていてとても楽しい作品でした。ビークルシミュレーションとしての要素がより強く打ち出されており、それが本作をプレイした数少ない海外のプレイヤーたちの心に響いたのです。
『ガングリフォンII』(1998年)

おそらく初代の海外での販売不振を受けて、『ガングリフォンII』は日本でのみ発売されました。
しかし、ゲーム自体は素晴らしい出来でした。初代よりもさらに遊びやすくなっており、リンクケーブルを使ったマルチプレイにも対応していました。この機能は、時間不足のため初代では実装が見送られたものだったそうです。
グラフィックもかなり刷新されており、全体的に非常に印象的で、動きも滑らかでした。
もちろん、初代と同様に私も日本版を輸入して、自宅で楽しくプレイしていました。
ゲームの基本的な仕組みは初代と非常によく似ていましたが、グラフィックの刷新によって戦闘の魅力がより一層引き立っていました。
『ガングリフォン ブレイズ』(2000年)

本作はシリーズ初のPlayStation 2向けタイトルであり、日本国外の多くのプレイヤーにとって、『ガングリフォン』シリーズに初めて触れる作品となりました。
しかし、アメリカでは日本版と同じ2000年に発売された一方、ヨーロッパでの発売は2年後の2002年となりました。
そのため、ヨーロッパでは前年に発売されていた『アーマード・コア2』と、より直接的に比較されることになりました。
この2作品について、当時は『ガングリフォン ブレイズ』のほうが優れたゲームだという意見が主流でした。その大きな理由が、デュアルアナログ操作でした。
説明すると、『ガングリフォン ブレイズ』はヨーロッパでは『Halo』より1年早く発売されており、その後、多くの海外ゲームで標準となるコントローラーの操作方式は、まだ確立されていませんでした。
そのため、今『ガングリフォン ブレイズ』を改めてプレイすると、視点移動と移動に使うデュアルアナログ操作が逆になっているように感じられます。しかし、当時は非常に未来的な操作に感じられました。
最初の2作品とは異なり、『ブレイズ』はよりアーケードゲーム的な作りになっていました。戦場には多数のパワーアップアイテムが浮かんでおり、アンロック要素も大幅に増えていました。ミッション自体は今回も短めでしたが、アンロック要素によってゲームをより長く楽しめるようになっていました。
『ガングリフォン ブレイズ』の販売データは、当時から非常に限られていました。しかし、少なくともイギリスでは「絶対に持っておくべき」PlayStation 2タイトルとして語られており、『アーマード・コア2』より優れているかどうかについて、多くのゲーマーが議論していたことは確かです。
私自身、『ガングリフォン ブレイズ』は本当に楽しめましたし、オープニングムービーもとても格好いいと思っていました。
『ガングリフォン アライド ストライク』(2004年)

本作はXbox向けとしては初の『ガングリフォン』であり、初代『Halo』の登場後に発売されました。
残念ながら、『ガングリフォン ブレイズ』からほぼすべての要素が改善され、オンラインマルチプレイにも対応していたにもかかわらず、海外ではまったくと言っていいほどプロモーションされませんでした。
ゲーム自体は初期2作品に近い作りへと戻り、『ブレイズ』にあったアーケードゲーム的な感覚はなくなっていました。操作も当時の他のシューティングゲームに近いものとなり、視点移動と移動がそれぞれ一般的なスティックに割り当てられていました。
難易度もかなり上がっており、敵からの攻撃でより素早く倒されてしまうため、常に気を抜かずに戦う必要がありました。
ビジュアル面ではシリーズ屈指の出来でしたが、これまでの作品にあった開放感と比べると、多くのステージはやや入り組んでいて、移動しにくく感じられました。
さらに、ヨーロッパ版はまたしても発売が1年遅れました。これも大きなマイナス要因となりました。当時はすでに誰もが『Halo 2』をプレイしていたからです。
全体的に、この時期に日本で開発されたXbox向けゲームの多くは、最初の2作の『Halo』の圧倒的な存在感に埋もれてしまいました。『Halo』シリーズは海外では社会現象ともいえるほどの人気を博しており、残念ながら他の多くのゲームがその陰に隠れてしまう傾向がありました。
こうしたゲームが海外でほとんどプロモーションされなかったことも状況を悪化させており、『MechAssault』のようなゲームのほうがはるかに人気を得たのも、おそらくそれが理由だったのでしょう。
『HIGH-MACS SIMULATOR』に受け継がれる『ガングリフォン』
2013年、私は自身のメカゲームサイト「Mecha Damashii」で、ファンメイドのPCゲーム『HIGH-MACS SIMULATOR』がリリースされたことを取り上げました。
その後、本作は何度もアップデートされ、2017年に最終バージョンへと更新されました。この最終版は現在でもダウンロードできます。
基本的に、見た目もゲームプレイもセガサターン時代のクラシックな『ガングリフォン』を再現しており、これは素晴らしい芸術的な選択だと思います。また、実際にプレイしてみても、とても懐かしい感覚があります。
私は、そろそろ新しい『ガングリフォン』が登場してもよい時期だと思っています。現代的な操作を採用した新作をSteamで発売すれば、特にマルチプレイでは海外でも非常に人気が出るのではないでしょうか。
一人称視点の優れたメカシューティングゲームはそれほど多くありません。そのため、市場には新しい『ガングリフォン』が入り込み、海外でもファンを獲得できるだけの大きな余地があると思います。ただし、いつものことですが、成功するチャンスを得るためには、海外で大々的にプロモーションする必要があるでしょう。
オリー氏とともに「ロボゲー」を作ることに興味のあるスタジオや団体は、この記事の末尾にある氏のプロフィールから個別に問い合わせていただけますと幸いです。









