『仁王3』竹千代君は令和でも大人気のイラストレーターだった?家光画伯ゆるふわコレクションがアツすぎる【ゲームで世界を観る#124】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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『仁王3』竹千代君は令和でも大人気のイラストレーターだった?家光画伯ゆるふわコレクションがアツすぎる【ゲームで世界を観る#124】

美術館の皆様、引用失礼します……!

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『仁王3』竹千代君は令和でも大人気のイラストレーターだった?家光画伯ゆるふわコレクションがアツすぎる【ゲームで世界を観る#124】
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数々の歴史にも家光が時を超えたという記録はない。しかしこうした史実への反逆は元々タイムラインが上書きされることが多いのである――と『仁王3』のエンディングでナレーションが流れるかは不明ですが、家光と忠長といえば「柳生一族の陰謀」なので江戸に戻ってきたら十兵衛に首を落とされないかが心配です。国松君も冒頭で毒殺されなくて良かったね!

『仁王3』の主人公は徳川家康の孫である竹千代で、後に三代将軍・家光として東照宮の建立や大奥の設置など、江戸時代に於ける徳川支配体制の基盤を気づいた人物として歴史に名を残します。それらの業績もさることながら、近年では別の新たな一面が見出され、にわかに人気が急上昇しています。まずは何も聞かずにこちらをご覧ください。

本作で竹千代のお供として登場する守護霊の「草薙」、そのモデルがこちらの兎です。家光は狩野探幽の教えを受けていたのですが、なんというか、これを家臣が賜ったとして反応に困る作風です。特徴は捉えているのでヘタではないですし、今の感覚で言えば十分アリなデフォルメ具合ですが、将軍御用達の御立派な狩野派を期待していたらなんか違うのが来た、と面食らったかも知れません。

狩野探幽は家光が夢に見たという家康の像を何度か制作していて、近年新たに見つかったものでは八尾のキツネが描かれています。こんな霊感エピソードがあると主人公抜擢にも合点がいくのではないでしょうか。

本作の竹千代の説明も「幼い頃から守護霊が見え、彼らの絵を描いてばかりいた」とあり、イントロでも守護霊のかわいらしい絵を見ることができます。 実際の家光もまさにこんなゆるかわな画風で動物を描いており、中でも特に人気が高い作品がこちら。

恐らくスズメかセキレイをベースにしたのでしょうが、ぱかーんと開いた嘴にシンプルな黒丸の目がもうたまりません。尾や足の細かい筆捌きにも淀みははないですし(速筆だったら十分良い線)、狩野派をほっぽり出してこの画風がイイ!と堂々しているようにも感じます。このぴよ鳳凰さんのデザインでゲームに出て来ませんかね?

家光の画伯の才に目を付けたのが、PD画像の公式提供がない都合上引用しました府中市美術館です。ユニークな画風の作品を揃えることに定評があり、2019年に開かれた「へそまがり日本美術展」でゆるふわ絵描き家光の存在が世にバレることに。グッズも大変人気なのだそうです。

続いては「鳥」をテーマに4作品。改めて確認しますが、家光は当時きっての大絵師狩野探幽の手ほどきを受けています。

今度は動物から離れた子供の遊ぶ姿を描いたものです。だるまさんがころんだをしているのでしょうか?ミニマムと言って良い簡略な描き方ですが、ちゃんと子供だと分かるように画力はそこそこ持ってます。しかしこの作品の注目は大胆すぎるほど大きく使った余白。探幽の伝授した狩野派の表現とも思えますが、何よりこの広い空間は子供達が疎部の腹を想起させるようです。

こんなに面白い画風を確立した家光さんの絵も、「将軍様の作品」としては皆微妙な気持ちになったのでしょうか、長い間歴史の片隅に埋もれてしまいました…。ですが、別ルートでは家光デザインが長年受け継がれていたのです!

家光の鶴の絵柄を茶人の小堀遠州プロデュースで茶器にアレンジにした「御本立鶴茶碗」は、おめでたい縁起物として作られ、そのデザインの継承は現代まで続けられています。家光のデフォルメ画風が別のフィールドで生かされるとは面白いですね。

竹千代君、タイムワープするならついでに現代に来てイラストレーターになってもいいんですよ、なんて言いたくなるほど、上様の絵はとってもチャーミングなのでした。いっそ将軍の座を国松に譲って茶人の道に進んでみませんか?……だめですか。

ライター:Skollfang,編集:宮崎 紘輔


ライター/好奇心と探究心 Skollfang

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編集/タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

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