ズバリここまで流行ったのは、なぜなのか?

各務都心:そして、やっぱりどうなのかなと思うところは……。本作って、この結末にせず無限に続くコンテンツにした方が良かったんじゃないかな?
タカロク:それは正直思います。
各務都心:この結末だと、もうこの人たちの話はできないわけじゃないですか。でもこれだけキャラは立っていて、ファンもいて。第5話で終わって、「これからも俺たちの旅は続く!」みたいな方が良かったんじゃないかなって。
タカロク:ここまでの反響を想定していなかったのですかね。

各務都心:とはいえ、ものすごい宣伝はしていたけれど(笑)。大どんでん返しが売れた要因のひとつなのも分かるのですが、その後のコンテンツの作りやすさを考えると、この結末は自分の首を絞めているような気はしてしまいますね。
タカロク:続編が次々出た方が、ファンも増えるしどんどんIP展開もできたでしょうし。
各務都心:考えてみれば、アメコミのようなユニバース的な展開もできるわけじゃないですか、あくまで『としかい』は100あるうちの1つで、とか。
タカロク:たくさんの漫画を生み出している集英社という点では、らしくないのかもしれませんね。
各務都心:作り手側がこの結末を押し通したのか、もしくは集英社ゲームズ側がそこに惚れ込んだのかもしれませんけどね。でも、例えば『パラノマサイト』のように雰囲気だけ残して、同シリーズを展開していくこともあるかも。

タカロク:『としかい』展示イベントのインタビューでは、墓場文庫の方から新作についての言及もありました。既に次回作は作られてはいるようですが、どうなるんでしょう。
各務都心:キャラクターのファンが多いですもんね。でもプレイしている間はやっぱりすごく面白かったから、しれっと当たり前のように、また3人が冒険する『としかい2』が出ても良いなと思っています。
重田:第5話からの分岐が入って……。
各務都心:もはやそれすらも言わないみたいな(笑)。良い意味で空気感がカジュアルで面白かったですし、まだまだいっぱい都市伝説はありますから!
タカロク:では、最後にあえてこの話をしたいと思います。ズバリ、どうしてここまで流行ったと思いますか?
各務都心:先ほども言いましたが、ひとつはとてつもなく宣伝したからだと思います。発売後も色々な展開をして、グッズもすぐに作っていたのは偉いなと思いますね。
重田:僕はストーリー的には納得いっているわけではないのですが、ネタバレ厳禁の最後の仕掛けが大きかったと思います。ファン同士でクリアしないと分からないパスワードを付けて、伏せながら会話をして。そういう土壌がファンによって作られた。ファンコミュニティが、盛り上がりの一因になったなと。
タカロク:どの作品もそうではありますが、インディー作品は特にファンの活動によって左右されるイメージがありますね。実況動画とかもそうかなと。

各務都心:でもネタバレNGにすると、配信も難しいし、ゲーム自体をやらないという人も出るじゃないですか。だからある程度はオープンにする必要があると思うけれど、ネタバレ匂わせのバランスに再現性がない気がします。
タカロク:配信NGで言うと、『ダンガンロンパ』シリーズなんかは初期の頃、ネタバレ範囲が厳しかったこともありましたね。でも、結果としては大ヒットしています。やはりファンコミュニティの盛り上がりや、遊んでほしいからという想いで行われるファンの拡散活動が影響あるのでしょうね。
重田:最近だと、「ネタバレ注意」と書いておけば配信しても良いルールもありますよね。時限式にネタバレして良い範囲が徐々に解禁されていく場合も含め。
各務都心:実際、作り手側からしたらネタバレの拡散って怖いですし、そうしてしまいますよね。配信NGにして、本当に誰も遊んでくれなかったらどうしようとか。とはいえ、公式からうるさく言いたくないという気持ちも、同時にあると思うんですよ。言いすぎると、プレイする側が委縮しちゃうじゃないですか。
タカロク:実況も、SNSでの発信もそうですよね。ゲームを作る側としてはSNSを意識せざるを得ない。『としかい』は、SNSでここまでファンが活発化することを想定していたのでしょうか?
SNSを否定している作品なので、SNSで祭り上げられることを想定しての作品だったなら、すごい策士だと思いますね。

各務都心:SNSで悪口を書くなということです。
重田:ははは(笑)。
各務都心:グレートリセットしましょう!
重田:ゲムスパは困ります……!
タカロク:さて、ここまで様々なトークを繰り広げてきました。締めに入りましょう。私が『としかい』をプレイして一番思ったことは、「ゲーム業界の未来は明るいな」ということです。
重田:本当に明るい……。明るいですね!
各務都心:ゲームを愛するお客さんがいっぱい居ます!だからこそ、出版社がゲームも売るわけですよ!
タカロク:「まだまだできるぞゲーム業界!見たことのない新しい作品がこんな時代にも世に出てきて、ヒット作も飛ばせるぞ!」って。すごく希望を持ちました。『としかい』に感謝です。というわけで長時間の座談会、ありがとうございました!
発売から1年経った今だからこそ、座談会を開催した今回。筆者・タカロクは自分とは違った視点の考えを聞けてとても興味深く感じ、同時にもう一度最初からプレイしたいとも思いました。
皆さんもぜひ1周年を迎えた『都市伝説解体センター』について、改めて想いを馳せたり、一緒に話せる人がいたら話したりしてみてください。これからの『としかい』展開にも大いに期待していきましょう!













